「啓発ことば」の裏側にある、権力者や社会的な強者による支配や搾取の意図を読み取り、言葉に感情や思考を支配されぬよう距離を置くことを推奨している。戦時下のプロパガンダに紐づけるなど視点に斬新さはないが、言語学、近代史、哲学、ブラック企業対策などの有識者に丁寧に取材。表向きは「啓発ことば」への警鐘だが、本書の真の目的は、「コミュ障」ほか社会的なマイノリティに定義される若者へ、企業社会の画一的かつ閉塞的な「コミュ力」第一主義に飲み込まれず、自分らしく生きることを推奨することだろう。そしてその意図に強く賛同する。

「啓発ことば」の裏側にある、権力者や社会的な強者による支配や搾取の意図を読み取り、言葉に感情や思考を支配されぬよう距離を置くことを推奨している。戦時下のプロパガンダに紐づけるなど視点に斬新さはないが、言語学、近代史、哲学、ブラック企業対策などの有識者に丁寧に取材。表向きは「啓発ことば」への警鐘だが、本書の真の目的は、「コミュ障」ほか社会的なマイノリティに定義される若者へ、企業社会の画一的かつ閉塞的な「コミュ力」第一主義に飲み込まれず、自分らしく生きることを推奨することだろう。そしてその意図に強く賛同する。

気軽に読めるがモヤモヤするリーダー論。理想のリーダー像は「成果は部下、責任は自分」「部下を信頼して任せる」「約束を守る」など、明確で良い。紹介エピソードは自衛隊の海外派兵や世界的な経営者など。軍事的な鍛錬または天性の才能に基づくリーダーシップ成功例のため、関心はしても実務の参考にするのは困難。部下が惚れる命がけのリーダーを理想像とするため、カリスマリーダーの弊害（属人化）には触れず。日本のリーダー教育不足を何度も嘆くが、リーダー教育への提言なし。「話は変わるが」で話題が飛びまくり、読んで頭がクラクラする。