2021年本屋大賞2位。人付き合いが苦手な女子大生・レイは、留学先のメルボルンで現地の日系人・ブーと恋に落ちる。彼と結んだのは、留学を終えるまでの期間限定の恋人関係。帰国を目前に控えたある日、レイはブーの紹介で絵画モデルをすることになる。出来上がった作品『エスキース』は時代、場所を越えて愛される作品に。そんな『エスキース』を介して広がる5つの愛の物語。↓全編温かい雰囲気で読みやすい作品だった。仕掛け小説としてはやや物足りないものの、本作で重要なヒューマンドラマの完成度は高く、読後感の良い満足度の高い作品。

2021年本屋大賞2位。人付き合いが苦手な女子大生・レイは、留学先のメルボルンで現地の日系人・ブーと恋に落ちる。彼と結んだのは、留学を終えるまでの期間限定の恋人関係。帰国を目前に控えたある日、レイはブーの紹介で絵画モデルをすることになる。出来上がった作品『エスキース』は時代、場所を越えて愛される作品に。そんな『エスキース』を介して広がる5つの愛の物語。↓全編温かい雰囲気で読みやすい作品だった。仕掛け小説としてはやや物足りないものの、本作で重要なヒューマンドラマの完成度は高く、読後感の良い満足度の高い作品。

不朽の感動名作。重度の知能障害を持つ32歳のチャーリーは幼児並みの知能しか持たない。勉強熱心で心優しい彼は脳の手術により、数ヶ月でIQ185の天才へと変貌する。賢くなることを夢見てきた彼だが、知能を得ることで初めて、友人にからかわれていたこと、周囲に疎ましく思われていた事実を認識してしまう。知能の著しい成長に付随して目まぐるしく変化する彼の感情、性格、環境。それらが彼の手記による経過報告という形で綴られていく。 ↓真に幸福と言える知能と情緒のバランスに正解は無いと感じさせられる名作。チャーリーにも花束を。

ヨビノリたくみさん激推しの1冊。届け物を渡すため、欠席したS君の家に行った小学生のミチオは、首を吊ったS君を見つける。慌てて学校に報告し、戻ってきた時にはS君の姿は消えていた。1週間後、蜘蛛に転生したS君は、自分は殺されたとミチオに訴える。妹のミカを加えた3人は消えた死体と事件の真相を解明するために奔走する。 ↓賛否両論はっきり別れそうな作品。主人公たちの異様な世界観とミステリーの組み合わせを受け入れられるかが評価の分かれ目。最初の違和感で薄々予想できたので騙された感は少なかったが、ラストの描写は好み。

第1回本屋大賞受賞作。博士の記憶は80分しか持たない。事故で前向性健忘となった数学博士に家政婦として仕えることになった私。博士は特に子供への愛情が深く、私の息子にルートという愛称をつけ可愛がってくれる。博士にとって私たちは毎回初めましての人間。そんな記憶を持たない博士と私たちを繋ぐのは数字の奇蹟。博士、私、ルートの3人が紡ぐ暖かい日常の物語。↓博士と私たちは本当に特別な関係なのだと思わせてくれるような、数学の世界の神秘、不思議を垣間見ることができた。3人の気遣いと優しさをひたすら感じられる心温まる作品。

ループもののSFミステリー。久太郎は突発的にループに巻き込まれる体質。ループに入るとその日を9回繰り返すまでは翌日に進めず、9周目の内容が決定版となる。久太郎が行動を変えない限り周囲の人間は1周目の行動を反復しており、もちろんループの存在を知る由もない。 遺言書の内容で争う親戚一同が祖父の家に集結したお正月、久太郎はループに入る。平和な1周目を過ごしたはずなのに、なぜか2周目以降祖父が殺害される。しかも、毎回違う犯人に。なぜ平和な1周目に反して祖父が死んでしまうのか、9周目の決定版では祖父を救えるのか？