ネタバレ陽子は兄の友人北原と親しくなる。北原に女としてアピールする母夏枝。北原ははっきりと自身の想いを伝える。夏枝はことあるごとに陽子と北原の仲を邪魔する。絆を深める2人。兄の告白。癇癪を起こした夏枝は北原と陽子の前で、陽子が殺人者の娘であることを明かす。陽子は自殺するーー「自分の中の罪の可能性を見出した私は、生きる望みを失いました」病院で処置を受ける陽子に、髙木は告白する「陽子は別人の娘なのだ」と。／我儘でお姫様でいつまで経っても女であり続ける夏枝が腹立たしい。生きながらえたとして陽子が幸せになれる気がしない。

ネタバレ以前Xで回ってきたポストが気になって、初読。病院長の妻夏枝が勤務医村井に心を揺らぐ最中幼い娘が殺される。2人の仲を怪しむ夫、村井が悪いのだと思い死んだ娘の代わりに女児を育てたいとねだる妻。貰われた赤子は犯人の娘で、それを知らされずに育てる家族。愛せない父親と可愛がる母、兄だったが、夏枝は夫の日記を盗み読みその事実を知る。そこから聡明で明るく人当たりの良い聖人のような娘陽子を可愛がれず、冷たい態度をとる。陽子のひたむきさが切ない。

ネタバレ上巻では不安げにあっちゃこっちゃに視線を向けてた三人が、意志を持った瞳で正面近くを見つめるようになったのすごくいい。王師が動くところあたり、すごく爽快。胸がスッとするとはこのことか？　いやちょっと違うか〜。人の良し悪しを見極めるのは難しいね。少しずつ陽子の治世が落ち着いて、長く続いてくれればいいな。

ネタバレ海客の鈴、公主から平民に落とされた祥瓊、知識の乏しいなか官とうまくいかず政治が滞る陽子、三人の女性が自己憐憫する自分と別れを告げたり、現実と向かい合ったり、目指すものを見つける話。鈴の弟分が死ぬまで。