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2024年11月の読書メーターまとめ

森中信彦
読んだ本
1
読んだページ
250ページ
感想・レビュー
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2024年11月に読んだ本
1

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

森中信彦
私はニーチェの著書に何度も挑戦しているが読み通したことがない。箴言の連続で読者にわかりやすい解説がないためだ。だからといって、そのような著書を読まずに解説本を先に読むことにも抵抗があったため、魅力を感じながら遠い存在だった。しかしどうしても彼が考えていることを知りたいと思い、この解説本を購入した。 結論から言うと、購入して正解だった。ニーチェの言説を鋭く、しかもわかりやすく解説している。なんとなくイメージしていたニーチェの道徳批判の意義を明確にできたと感じている。 あわせて感心したのは、(続く)
森中信彦
2024/12/16 18:29

その首謀者であるパウロは、イエスの十字架での刑死という不慮の出来事に意味を与えるべく、神が人間の罪を贖うために身代わりで死んだと再解釈したのである。」、などの指摘は明快だ。 著者がニーチェを「戦慄すべき道徳性の分析家」として評価しながら客観的に批判できるのは、あとがきに卒論でニーチェに取り組んだのちにカントを研究したときに、「ニーチェのある側面は、カントの前で色褪せて見えるようになった。」ということにあるようだ。(続く)

森中信彦
2024/12/16 18:30

そして次第に彼は、「ニーチェの方法論の核心にはカント的な超越論哲学の伝統があるはずだ」という予感は確信になっていたという。 このような研究経緯を率直に述べていることに好感を持った。(了)

2024年11月の感想・レビュー一覧
1

森中信彦
私はニーチェの著書に何度も挑戦しているが読み通したことがない。箴言の連続で読者にわかりやすい解説がないためだ。だからといって、そのような著書を読まずに解説本を先に読むことにも抵抗があったため、魅力を感じながら遠い存在だった。しかしどうしても彼が考えていることを知りたいと思い、この解説本を購入した。 結論から言うと、購入して正解だった。ニーチェの言説を鋭く、しかもわかりやすく解説している。なんとなくイメージしていたニーチェの道徳批判の意義を明確にできたと感じている。 あわせて感心したのは、(続く)
森中信彦
2024/12/16 18:29

その首謀者であるパウロは、イエスの十字架での刑死という不慮の出来事に意味を与えるべく、神が人間の罪を贖うために身代わりで死んだと再解釈したのである。」、などの指摘は明快だ。 著者がニーチェを「戦慄すべき道徳性の分析家」として評価しながら客観的に批判できるのは、あとがきに卒論でニーチェに取り組んだのちにカントを研究したときに、「ニーチェのある側面は、カントの前で色褪せて見えるようになった。」ということにあるようだ。(続く)

森中信彦
2024/12/16 18:30

そして次第に彼は、「ニーチェの方法論の核心にはカント的な超越論哲学の伝統があるはずだ」という予感は確信になっていたという。 このような研究経緯を率直に述べていることに好感を持った。(了)

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2021/10/10(1166日経過)
記録初日
1992/05/09(11912日経過)
読んだ本
108冊(1日平均0.01冊)
読んだページ
33476ページ(1日平均2ページ)
感想・レビュー
44件(投稿率40.7%)
本棚
4棚
URL/ブログ
https://morinaka2013.blogspot.com/
自己紹介

私の研究分野
・日本近代史・世界近代史
・社会思想
・心理学
・哲学
具体的に関心のある問題
・日米関係
・欧米と周辺国の関係
・ナショナリズム、コスモポリタニズム
・ジェンダー問題、家族問題
・自己と他者をめぐる謎について

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