★★★☆☆ 初めての作家さんだったが、掴みどころの無いフワフワした不思議な文章を書く方だと感じた。収録された5篇中、4篇がフワフワ〜としたお話、最後の「大踏切書店のこと」だけが輪郭のはっきりした別の文体のようだった。4篇はどれも最後にブツっと切れて終わるような切り取り方をされている短編で、だいぶ好みの分かれるだろうな〜という印象だった。些細な日常に「生死」の匂いが微かに燻るようなお話に極端な起伏はなくとも、それが不愉快ではなかった。ただ退屈と感じるか否かは、読者の境遇によって変わるのではないかとも感じた。

★★★☆☆ 食エッセイの本を初めて読んだ。結果的に食への興味に加えて平野紗季子さんの文章に関心が向いた。私自身が元々食事や料理に無頓着で、何が食べたいか聞かれても明確に答えが出ない、好物はあっても1人で新地を開拓しようとはならない自分にとって、「○○だから××が食べたい」「次は△△を食べに行こう」と自力で食に向かい進んでいく姿がとにかく眩しく映った。食について説き伏せるようなエッセイではなく、食事が好きな人のスクラップブックを覗いている様で、ページをめくる度にワクワクして、可愛くも辛辣で楽しい時間だった。

★★★☆☆ 初めての作家さんだったが、掴みどころの無いフワフワした不思議な文章を書く方だと感じた。収録された5篇中、4篇がフワフワ〜としたお話、最後の「大踏切書店のこと」だけが輪郭のはっきりした別の文体のようだった。4篇はどれも最後にブツっと切れて終わるような切り取り方をされている短編で、だいぶ好みの分かれるだろうな〜という印象だった。些細な日常に「生死」の匂いが微かに燻るようなお話に極端な起伏はなくとも、それが不愉快ではなかった。ただ退屈と感じるか否かは、読者の境遇によって変わるのではないかとも感じた。