「点と点がつながる」というより線で描いたものに点をプロットしたイメージ。ただ、それぐらいしないと全体に対する因果を当てはめることができない「出来すぎな」悲劇の連鎖。ボタンの掛け違いがずっと続く中で、どうしたらこんなことにならなかったかの「たられば」を考えないと進めない。そのうえでやって来る『あなたが殺したのは誰』のタイトル伏線回収は並大抵のものではなかった。シリーズものなのに３作目から手を出してしまったものの三ツ矢の差別や区別がないし、先入観もないフラットな見方は好きだった。

世の中が勝手に定義した（正しさ）の強要を受容したつもりでも、心の奥深くでは反抗しつづけている主人公。多様性という言葉で理論武装したエゴの押し付け合いが蔓延る世の中で自分の信念を貫くことの難しさ。主人公にとっての美しさを求めることの儚さと無力さが丁寧に描かれている分、痛々しい。タイトルの意味がぐっと刺さってくる作品だった。

ありがちな読書奨励本。テクニック自体に大した内容はなかったのに、やけに鼻につく。正直、こういう「本を読むことは偉い（読んでないとダメ、勿体ない）」みたいな本は自分には合わない。ハングリーに読書することが間違いだとは思わないけれど、少なくとももっと読書って自由であっていいんではないかって思った。図書館で借りたからよかったものの、これが1500円の投資と思うと、割高なので「投資として10冊読んで1冊読めばOK理論」がこの本にも適用されたみたい。

「点と点がつながる」というより線で描いたものに点をプロットしたイメージ。ただ、それぐらいしないと全体に対する因果を当てはめることができない「出来すぎな」悲劇の連鎖。ボタンの掛け違いがずっと続く中で、どうしたらこんなことにならなかったかの「たられば」を考えないと進めない。そのうえでやって来る『あなたが殺したのは誰』のタイトル伏線回収は並大抵のものではなかった。シリーズものなのに３作目から手を出してしまったものの三ツ矢の差別や区別がないし、先入観もないフラットな見方は好きだった。