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2025年12月の読書メーターまとめ

Yasunori Hosokawa
読んだ本
1
読んだページ
640ページ
感想・レビュー
1
ナイス
33ナイス
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2025年12月に読んだ本
1

2025年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Yasunori Hosokawa
三島由紀夫渾身の作品、ということで読んでみました。またしても三島由紀夫的な完璧な言葉の造形がこれでもか、というくらいに発揮されていることはもちろんなのですが、世間的に「傑作」とされてる作品とは違い、激的な事件やえぐり出すような心情描写などの無い、どちらかというと村上春樹的というんでしょうか、シニカルな光景、人間空間を描いた作品です。その一見空虚な日常性を非常に的確に見せつけている。これは途轍もなく難しいことで、三島由紀夫だからこそ作品化できたのだと感じる傑作だと思いました。
Yasunori Hosokawa
2025/12/14 15:56

この背景には冷戦構造があり、日本は米ソ対立の緩衝地帯で特異な「日常」空間を築き上げてきました。いわば戦後日本は歴史に属さないできたわけで、そのどこまでも続く非物語的な経過の中で生き続けるということが一体どういうことなのか、この作品は徹底的に描き切ることによって明るみに出そうとしたのではないか。そして作品の評価は散々だったということも、戦後日本空間の勝利を示している、ということなのかもしれません。

Yasunori Hosokawa
2025/12/14 15:56

物語の終わり近くの鏡子の次の言葉は、それを端的に表現していると言えるでしょう。「いいえ、私は治ったの。この世界がぶよぶよした、どうにでもなる、在ると思えば在り、ないと思えばないように見えるという病気から治ったの。この世界はこれでなかなかしっかりしているんだわ。職人気質の指物師が作った抽斗のようにきちんとして、押しても突いてもびくともせず、どんな夢も蝕むことができないようにできているんだわ。」

が「ナイス!」と言っています。

2025年12月の感想・レビュー一覧
1

Yasunori Hosokawa
三島由紀夫渾身の作品、ということで読んでみました。またしても三島由紀夫的な完璧な言葉の造形がこれでもか、というくらいに発揮されていることはもちろんなのですが、世間的に「傑作」とされてる作品とは違い、激的な事件やえぐり出すような心情描写などの無い、どちらかというと村上春樹的というんでしょうか、シニカルな光景、人間空間を描いた作品です。その一見空虚な日常性を非常に的確に見せつけている。これは途轍もなく難しいことで、三島由紀夫だからこそ作品化できたのだと感じる傑作だと思いました。
Yasunori Hosokawa
2025/12/14 15:56

この背景には冷戦構造があり、日本は米ソ対立の緩衝地帯で特異な「日常」空間を築き上げてきました。いわば戦後日本は歴史に属さないできたわけで、そのどこまでも続く非物語的な経過の中で生き続けるということが一体どういうことなのか、この作品は徹底的に描き切ることによって明るみに出そうとしたのではないか。そして作品の評価は散々だったということも、戦後日本空間の勝利を示している、ということなのかもしれません。

Yasunori Hosokawa
2025/12/14 15:56

物語の終わり近くの鏡子の次の言葉は、それを端的に表現していると言えるでしょう。「いいえ、私は治ったの。この世界がぶよぶよした、どうにでもなる、在ると思えば在り、ないと思えばないように見えるという病気から治ったの。この世界はこれでなかなかしっかりしているんだわ。職人気質の指物師が作った抽斗のようにきちんとして、押しても突いてもびくともせず、どんな夢も蝕むことができないようにできているんだわ。」

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2022/07/07(1279日経過)
記録初日
2021/04/20(1722日経過)
読んだ本
274冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
120864ページ(1日平均70ページ)
感想・レビュー
125件(投稿率45.6%)
本棚
1棚
自己紹介

最近老眼が進んできたために焦って読書中の50代男性です

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