映画にもなっていたので、内容は知らずに読み始めた。血の繋がりのない人々との生活をしながらも、それらの人々に愛されながら暮らす主人公。何度も親が変わり名字が変わるが、それでも本人はぶれることなく成長していく。相手は変われども、その人たちに愛されているということが、彼女にとって本当に恵まれた環境だったと思う。実の親子でも悲惨な場合があったりすることを考えると、一緒に暮らすには、愛や思いやりが何より大切だなと改めて考えさせられた。それにしても森宮さんみたいな人って、実際にはなかなかいないだろうなあ。

二人の男女が目覚めたら記憶喪失になっているところから話は始まる。隣の部屋の三枝や、美少女みさお、彼女を探す真行寺家族の行動が交互に描かれてページをめくる手が進んだ。何度も病室のシーンや注射の描写があり、不気味さを増した。そして、猛蔵の自己顕示欲。少しの手がかりから、徐々に霞が消えて事実が明らかになっていくのを、自分も記憶喪失状態からはっきりしていくような感覚を共有出来て楽しめた。それにしても、猛蔵のような精神科医に罹った患者は気の毒だ。

映画にもなっていたので、内容は知らずに読み始めた。血の繋がりのない人々との生活をしながらも、それらの人々に愛されながら暮らす主人公。何度も親が変わり名字が変わるが、それでも本人はぶれることなく成長していく。相手は変われども、その人たちに愛されているということが、彼女にとって本当に恵まれた環境だったと思う。実の親子でも悲惨な場合があったりすることを考えると、一緒に暮らすには、愛や思いやりが何より大切だなと改めて考えさせられた。それにしても森宮さんみたいな人って、実際にはなかなかいないだろうなあ。

ルソーの絵にまつわるミステリー仕立ての物語。オリエとティムのルソー研究者としての見解や、ピカソやヤドヴィガの時代のやり取りなど、読みどころ満載で、何度も表紙の絵を見返しながら読み進めた。絵にはよく見ると白い月が出ているな、とか色んな動物が描かれているな、とか女の人は何を指差しているんだろうと、それまであまり気に止めなかったものが見えてきた。一つの絵から、美術史や人間関係、美術業界のことを教えてもらえ読む価値のある作品だった。もっとルソーの絵が見たくなった。

南星屋シリーズ第三巻。諸国の美味しい和菓子が出てくるので、楽しみながら読めます。そして、いつも、似たような和菓子を探して買ってしまいます。内容も和菓子やのご主人や君ちゃんなどのやりとりが、ほっこりさせてくれて、秋の夜長にぴったりです。もっとたくさんシリーズを出してほしいです。