凄く面白かった。読了後の充実感がすごい。年末年始に時間があるのでもう一度読み返したい。映画も観てみたいと思った。 月のように、人間も光が当たる綺麗な部分だけでなく、日の当たらない影の部分はボコボコしているように醜悪な部分もある。でも、それも全て引っくるめて月も、人間も美しいのだと思うわせる。そんな作品だった。

最初は堀北が暇を持て余したいい奴だと思ったけど、読み進めると競いあうことに強烈に執着するやつだった。確かに少し異常だけど、少ない情報で童貞まで決めつける女は、それはそれで性格の悪さが出ている気がした。 堀北が自覚している自分が属する人間の生きがいを常に求めて生きるということは、暗中模索の状態で辛いだろうなと思う。 海族や山族とかなんだこれ、ホントにそんな説あるのかと調べようかと思ってたら、雑誌創刊によるプロジェクトの一環だった。興味が湧いたので、関連する作品も読んでみたい。

死に関しての率直な疑問を、ブッダの弟子と作者が様々な時代の思想家等を尋ねて探っていく話。自分が中学生ぐらいの時に本気で悩んだけど、そのうち「そういうものだ」と考えるのを辞めていった悩みだった。でも、辞めたところでその謎というか恐怖は厳然とあるわけで、それをこの作品に出てくる人たちはずっと考え続けてきたのだと思うと、暇だなと思うこともあるが、自分だったら耐えられないと思った。

就職の時の苦悩がリアルに描かれている。また、主人公がツイッターの別アカで本音を書いてるのを見つけられたときは、なんだかこっちも恥部を見られたような恥ずかしいさがあった。ツイッターやったことないけど。