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2024年11月の読書メーターまとめ

福ノ杜きつね
読んだ本
10
読んだページ
2375ページ
感想・レビュー
10
ナイス
64ナイス

2024年11月に読んだ本
10

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

福ノ杜きつね
本の知識がないと成り立たない職業柄か、「働いていても本は読めるぞ」と思っている。そんな私が、社会の風潮を読み解いてみるかと手に取ったら、真正面から強烈なパンチを叩き込まれた。あなた、結局仕事のための情報を得ているだけでしょう、と。仕事とは関係なく、純粋に読みたいから読んだ本がゼロであるとは言わないが、かなりの部分で、仕事のことを考えつつページを捲っているのが実情だった。私はファスト教養に懐疑的だが、結局は同じ穴の狢だったわけだ。今年読んだ中でも、かなり心に堪えた一冊。
福ノ杜きつね
2024/11/16 17:28

明治時代から現代まで、読書をめぐる姿勢を労働から見つめた「読書史」は出色だろう。教養を巡って、読書によるマウンティングが明治時代には既に起きていたという指摘には、考えさせられるものがある。

が「ナイス!」と言っています。

2024年11月の感想・レビュー一覧
10

福ノ杜きつね
「完璧であるのが当たり前」という概念に縛られている人が余りにも多くはないか。それが自己完結に留まっているうちは、まだポリシーとして理解もできよう。だが、他者に対してそれを押し付け始めると、相手を蝕む「呪い」にもなりかねない。いや、自分のことを棚に上げて、相手に求めるパターンもあるか…。言葉は口にした本人にも刺さるのである。そのことは忘れずにおきたい。可能な限り「お互い様」の精神でいきたいものだ。
福ノ杜きつね
昔よりもややマシになったとはいえ、「一人でいるほうが好き」と公言するや、やれコミュニケーション障害だ、人間嫌いだ、陰気だとネガティヴなレッテルが貼られまくるこの日本。こうした状況に辟易している多くの人にとって、救いとなる本だと直感した。良し悪しではなく、英気を養う方法が違うだけなのだ。自分を労るために、一人の時間を豊かに使おう。生きるための休息を、再び現実と向き合うための休息を、悪く言われなければならない理由は何処にもない。
福ノ杜きつね
マッシブな男がでかでかと描かれた表紙の自己啓発書は、この人のものだと思ってまず間違いない。それだけ目立つし、ブランディング力は相当なものだと感じる。肝心の内容だが、よくある上から目線や大袈裟に危機感を煽る要素が皆無で、等身大の親しみやすさに満ちていて安心感がある。各トピックのちょっと自虐的なオチも「著者も懸命に自分自身と向き合っているんだな」と思える。例えるなら、面倒見の良い近所のお兄さんのような一冊だ。
が「ナイス!」と言っています。
福ノ杜きつね
正直なところ、こういう人間を型にはめようとする本は参考程度に読んでおくくらいでちょうど良い。そして、他者とのつきあい方にがっつり活かそうとすることも実際難しいだろう。冒頭でも触れられているが、この本でいう9タイプが複数混ざっている人はかなりいると思うのだ。その場合の適正な対応は何かを考え始めると…。時に驚異の複雑さと称される、ポケモンの属性相性どころの話ではない。人間関係はゲームのプログラムの如く、常に意図した結果にならない。これをクソゲーよりひどいと見るか、逆に面白いと見るか。読者次第だ。
福ノ杜きつね
本の知識がないと成り立たない職業柄か、「働いていても本は読めるぞ」と思っている。そんな私が、社会の風潮を読み解いてみるかと手に取ったら、真正面から強烈なパンチを叩き込まれた。あなた、結局仕事のための情報を得ているだけでしょう、と。仕事とは関係なく、純粋に読みたいから読んだ本がゼロであるとは言わないが、かなりの部分で、仕事のことを考えつつページを捲っているのが実情だった。私はファスト教養に懐疑的だが、結局は同じ穴の狢だったわけだ。今年読んだ中でも、かなり心に堪えた一冊。
福ノ杜きつね
2024/11/16 17:28

明治時代から現代まで、読書をめぐる姿勢を労働から見つめた「読書史」は出色だろう。教養を巡って、読書によるマウンティングが明治時代には既に起きていたという指摘には、考えさせられるものがある。

が「ナイス!」と言っています。
福ノ杜きつね
身も蓋もないまとめになってしまうが、畢竟「カネの力である程度の不満は解消できる」「しかし、幸福度に最も影響を与えるのは人間関係のほう」という、やはりそういう結論に行き着くだろうな、という本。驚くような知見を求めて読むならば、この結論は確かに「残酷すぎる」だろう。そして、真に可哀想なのは、本書で「幸福度が低い」とされる属性を複数併せ持つ人のように思える。放り投げたくなる衝動に駆られる人もいるかも知れない。
が「ナイス!」と言っています。
福ノ杜きつね
町中のありふれた風景の一部である信号機も、立派な工業製品であることを意識させてくれる。一見不可思議な見た目も、交通の秩序を保つという目的のために、設置場所の状況に合わせた最適な姿なのだ。銘板から信号機の形式を読み解いたり、レンズの種類を考察したりと、ここまで緻密に目を向けている人がいる。製造企業で働く人も、職人冥利に尽きるだろうと思う。
福ノ杜きつね
人間の在り方について、途方もない深みを持って描かれた短編集。『恩讐の彼方に』に見る、罪をおかした当事者の後悔と贖罪の念、ただ人のために専心する気迫と気高さ。仇討ちを成さんとする若き侍も、その姿にうたれ…結末は完成された美術である。『忠直卿行状記』は、身につまされる人も多いのではなかろうか。親しいと思っていたのは自分だけだった、と気づいた時の情けなさと悔しさたるや…。誰も理解者がいない、という状況は、かくも人を壊すのである。
が「ナイス!」と言っています。
福ノ杜きつね
日常生活に取り入れやすい、茶道具の「見立て」が特徴的な、テーブル茶道の指南書。入門者でも、茶筅は高品質のものを選ぶ。美味しい抹茶のグレードは、20グラム1100円からが目安。抹茶をふるいにかける一手間で、風味と香り立ちが格段に変わるなど、押さえておきたい部分が丁寧に解説されている。あとは実践あるのみ。近々、自分にあった茶筅を探しに行こうか。
福ノ杜きつね
大学一年の時に、こういう本があれば良かったのに。とっくの昔に卒業した私が嘆いても栓ないことではあるのだが、仮に教授の立場であれば、間違いなく学生にお薦めしたい本に入れるだろう。後半で生成AIの使い方に触れているのも良い。現在の状況に即した生涯学習入門、といったところか。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2022/12/30(724日経過)
記録初日
2022/12/31(723日経過)
読んだ本
241冊(1日平均0.33冊)
読んだページ
55344ページ(1日平均76ページ)
感想・レビュー
104件(投稿率43.2%)
本棚
35棚
自己紹介

職業柄乱読ですが、中でも民俗・伝承関係資料を読む頻度が高いです。

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