本と美味しいもの。本好きにはたまらない世界ですね。神保町にある古本屋を営む年の離れた叔母・娘の物語の第二弾。さりげなく出てくるお店も、神保町ゆかりのもので、この世界観の設定だけで満足してしまう。ちょっとズルいですね…。

ビーバーイーツ？という外食配達員たちを駆使しながら、探偵稼業を行う料理店、そこに持ち込まれる奇妙な依頼を、イケメン店長が見事に解決していくいくという設定ですが、このアイデアを巧みに活かしたミステリーがテンポよく展開されます。

東京、大阪、上高地の3つのホテルを舞台に様々なショートストーリーが繰り広げられる。ホテルの冊子っか何かに連載されていたのでしょうか、きっと制約も多い中で、気持ちが前向きになれるような。これだけのお話を紡ぎ出す力量は、さすが角田光代と思わせる。

音楽家でもあるTOMCが、何かと色眼鏡で見られて真っ当に評価されないまま埋もれているメジャーアーティスト達のちょっと昔の作品を、音楽的な観点から光を当て評論する本。これは素晴らしい！棚に埋もれて聞いていなかったCDを引っ張り出して聴きたくなる理想的な音楽本です。

「成瀬は天下を取りにいく」という快作をだした宮島未奈の第二作目目ということで、どんな作品を出してくれるかと期待でしたが、今作もいいですね。「成瀬」はキャラが勝手に走り出したようでしたが、今回は普通のアラフォーの2人の物語で、好感度大な作品です。

久しぶりに小川洋子の新作読んでみた。穏やかな日常のすぐ隣が異世界と繋がっているような不思議な感覚を、さらりと静謐な語り口で届けてくれるこの読後感、好きですね。グロテスクなものも愛おしく美しく見えてしまう。恐ろしい…。装丁や挿絵も素敵です。

少子高齢化により、お寺業界もの激しい縮小に見舞われている。そんな中様々なアイデアで生き残りをかける全く新しい仏教の概念にビックリ！オンライン参拝、キャッシュレス化するお賽銭？ホテル一体型のお寺だったり、はたまたアンドロイド僧侶まで、凄いことになってます。

本と美味しいもの。本好きにはたまらない世界ですね。神保町にある古本屋を営む年の離れた叔母・娘の物語の第二弾。さりげなく出てくるお店も、神保町ゆかりのもので、この世界観の設定だけで満足してしまう。ちょっとズルいですね…。

映画好きの父娘、そして映画好きの映画専門誌のメンバー、名画座のおじさん…。映画を愛する人たちが、映画で繋がり、映画に救われるストーリー。作中に出てくる名画座ですが、映画好きの人たちには皆、自分の中にある名画座の思い出とシンクロしてくるのではないでしょうか？

これは強烈なクライムノベル！昭和の狂乱的なバブルの時代から物語はスタート。僧侶である主人公が、御仏の力を信じる強度とともに、京都の闇社会の中を泳ぎのし上がって行く様がスリリングで圧巻。恋と友情も絡みつつ、個性的な悪役もひしめき合うという大傑作です！

世界の夜景の名所を、写真付きで紹介してくれる本。世界の有名都市は全て網羅せんばかりの大量の写真写真という編集で、ぼっと眺めているだけで、クリスマス気分になれる。ただ有名な建築物か、都市の夜景に偏ってるので、もう少しバリエーションかあれば？とも思う。

話している本人たちは楽しく盛り上がっているかもしれないけど、側から聞くと寒くなってしまうようなお話のオンパレード。思わず笑ってしまうこと必至。この本読むと、面白くない話の遭遇率No.1であるマクドナルドに行きたくなくなる？

読み始めて何か違和感のある文章だなと思っていたら、なるほど、男の人のアレからの視点で、LGBTQ?の主人公を客観的に眺める小説。面白いといえば面白いのだけど、視点がやや厭世的？なトーンなので感情移入はしにくかったかな？行きつく先がちょっと心配になりながら読み進めた…。

映画やドラマの裏側にいる職人たちによるあの映画この映画の裏側のお話。監督や俳優たちのテンションを上げる小道具たちや、演出の数数。馬の調教師の話なんか読むと、映画に臨む俳優さんたちの心構えが見えて、いい話だなあと思う。

日本の絶景129ヶ所を紹介するムック。いやあ本当に綺麗ですね。結構行った箇所もあるけど、こんなに綺麗な写真は撮れなかったな…。円安で海外には行けないからまずは、国内制覇かな？

普段は警察小説の多い今野敏による歴史小説。舞台は黒船がやってきた江戸末期、主人公は実在の永井尚心。歴史小説でも今野作品特有のテンポの良さは健在。そしてスーパーヒーローではないけど、愚直に職務をこなす幕政官僚たち。あっという間に読了です。