南アフリカの農場を舞台にしたアフリカーナー、スワート一家の物語。読後感はポストコロニアルをテーマにした作品として見たとき、黒人の悲哀や怒りもアフリカーナーの贖罪も随分、淡白に描かれていると思った。また、各シーンのフックとテンポ感が良くリーダビリティの高い作品だと感じた一方で、登場人物のイデオロギーのぶつかり合いや人物を作り上げた背景が描かれていないので、思考の動きを期待するような人は肩透かしをくらうと思った。ブッカー賞受賞作だけど本作を読んだ南アフリカ国民は共感や感動を覚えたりできるのだろうか。

南アフリカの農場を舞台にしたアフリカーナー、スワート一家の物語。読後感はポストコロニアルをテーマにした作品として見たとき、黒人の悲哀や怒りもアフリカーナーの贖罪も随分、淡白に描かれていると思った。また、各シーンのフックとテンポ感が良くリーダビリティの高い作品だと感じた一方で、登場人物のイデオロギーのぶつかり合いや人物を作り上げた背景が描かれていないので、思考の動きを期待するような人は肩透かしをくらうと思った。ブッカー賞受賞作だけど本作を読んだ南アフリカ国民は共感や感動を覚えたりできるのだろうか。