強烈な個性や存在感ゆえに悪役が主役を食ってしまうことがある。スズキタゴサクはその類いだと思う。凶悪さや狡猾さを濃縮したようであり、かつ底しれぬ闇深さを持つキャラで、頭の回転も速く頭脳派刑事とも時には対等以上に渡り合う。最後まで読んでも結局何者なのか分からない、不気味な余韻だけが残る。そんなスズキタゴサクはこの作品の中で最も輝いていたし、脳裏にこびりつく不思議な引力を持っていた。 もちろんストーリーも面白いし、500ページと少々長いけど読んで損はない。

強烈な個性や存在感ゆえに悪役が主役を食ってしまうことがある。スズキタゴサクはその類いだと思う。凶悪さや狡猾さを濃縮したようであり、かつ底しれぬ闇深さを持つキャラで、頭の回転も速く頭脳派刑事とも時には対等以上に渡り合う。最後まで読んでも結局何者なのか分からない、不気味な余韻だけが残る。そんなスズキタゴサクはこの作品の中で最も輝いていたし、脳裏にこびりつく不思議な引力を持っていた。 もちろんストーリーも面白いし、500ページと少々長いけど読んで損はない。

ページ数が少なくて読みやすい。全体を通して緩やかに話が進んでいくので、終始穏やかな気持ちで読み進めることができる。　休日の昼間にカフェでコーヒーを飲みながらのんびり読みたい本。　そういうオチ？、と若干拍子抜けした部分もあるが、そもそもサスペンスものではないし、そこをツッコむのは的外れかなとも思った。　こういう言い方は好きではないが、コスパが抜群で普段あまり本を読まない人に勧めたい一冊。

ライトなサスペンス小説。短編集なので通勤・通学時間にさくっと読むのにちょうど良いが、重厚なサスペンスを求める人には物足りない。

これもジャケ買いしたもの。森沢氏の本は装丁にどこか惹かれるものがある。　さて、貧困や暴力といった事情を背景に実施される少年と少女の一夜の冒険というか逃避行。その前後で見られる二人の変化、成長にじんわり心温まるものを感じました。お父さんめっちゃ良い人。　独立した二つの話が進んでいるように思えるけど、これ最後どう繋がるんだろうと予想しながら読んでも面白いです。どんでん返し的な展開は無いものの、優しい気持ちになる読後感がありました。