高円寺円さん、静さんの七光りにうんざりしつつ今も尊敬し心の中で対話している、素敵な判事さんになっていました。物語は東京高裁に中国からAI裁判官を仮導入するという今どきなもの、事務作業にもたくさんの労力がかかり事件も煩雑になりマンパワー不足なときに救世主のようにAIが試される。すごい能力があり魅せられるが、使い方なのでしょうね。人を裁くということに感情が入ることがいいのか、感情にとらわれない方がいいのかいろいろ考えさせられました。とても面白かったです。

どの物語も思い当たるような気がしました。結局は自分で自分を騙していて、それがしんどくなってくるのだと、なかなか本音ばかりで過ごすことは難しいのかもしれませんがカバヒコと話していくうちに自分を見つめ直すことになるのだなぁと。ちはるの耳のお話で、不安を抱くのは想像力がある証拠だといういうクリーニング屋さんの言葉が沁みました。

とても面白かったです。エジプト、ミイラとかこの世界観が好きです。セティが自分が殺され心臓のかけらを探す、タイムリミットもあって、はらはらしました。カリのひどい奴隷生活の中でスゥへ優しくするところやセティを助ける時に見せる勇気はすごく好きなシーンです。