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2024年10月の読書メーターまとめ

biwacovic
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感想・レビュー
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19ナイス

2024年10月に読んだ本
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2024年10月のお気に入られ登録
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  • rienafaire

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

biwacovic
神と科学と陰謀論と下ネタとその他諸々詰め合わせの短編集。あっという間に読了。アブダクション推論と神についての論考めいた『啓蒙の光が、すべての幻を祓う日まで』が一番好き。陰謀論ソムリエが登場する表題作には「ナノマシン本来の味」という最高のワードがあるが、読後感は切ない。アマゾンさんにこの本を届けてもらったら最高だったろう『密林の殯』、聖書の「物語ゲノム解析」に静かに興奮する『七十人の翻訳者たち』、織姫と彦星的センチメンタルな『ちょっとした奇跡』、これも科学と宗教ネタの『神についての方程式』全部面白かった。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
11

biwacovic
『百年の孤独』の誕生前夜という雰囲気が濃密に漂う表題作の中編+その町の登場人物たちが短いストーリーを演じる短編が配置される。軍事政権、反政府勢力、そう遠くない過去に圧倒的な暴力と、ほんの少しの宗教によって制圧された町の安寧が、じわじわと崩壊寸前のように描写される。この町の風景は、まるで我々の町の過去や未来や(もしくは今現在)の姿のようではないか、と思いながら読んだ。
biwacovic
子供の頃の愛読書だった。図書館で本を借りてばかりだったのに、このシリーズは買って並べていた。福岡伸一によるとてつもなく愛が深い解説。ドリトル先生によって自分の幼少期の思考/嗜好が形作られたのだと確信する。フェアネスとは何か。do little(ドリトル)先生から、think a lot(シンカロット)王へ。そしてまたおサボり先生に。ピュシスとロゴスの往還。小さな鞄ひとつで軽やかに生きることについて。
が「ナイス!」と言っています。
biwacovic
人の本棚を眺めるのは楽しい。それも大量であればあるほど楽しい。この本には本棚すら飛び出して床やその他あるゆる平面へと増殖する本の写真も多数収められている。そして登場する積ん読者たちのインタビューのどれも様子がおかしいのだが、それが全員なので不思議と目立たない。  この本を読んで、更に読みたい(積みたい)本が増えた。あと、うちも未読と既読くらいはわかるように置きたいと思った。きっと整理すれば積ん読本は100冊もないはず・・なのだ。
biwacovic
らせん訳「源氏物語」の翻訳者による、らせん訳とは何か、源氏物語はどのように世界文学となったのか、旧約聖書をはじめとした多くの西欧文学と響き合うウェイリー訳について・・などの汲めども尽きぬ泉のような論考集。らせん訳は未読だけど、先にこれを読んでしまった。面白い。まさに宇宙のような創造と翻訳(同化/異化)の世界。
biwacovic
様々な源氏論。なかでもキース・ヴィンセント「運命の悲劇と美による癒し ーボストン大学で『源氏物語』を読む」がとても良かった。現代の基準で読む源氏の「色好み」は確かに特権の享受者として、軽佻浮薄だとして批評に晒されるが、その本質は違う、という論。そもそも彼は多くの女性を描くための装置である。更には個人の欲望とその選択を演じる現代小説とは異なり、最も特権的なものでさえその運命をコントロール出来ない…その悲劇を美によって支えているのだ、と。腑に落ちる。
biwacovic
神と科学と陰謀論と下ネタとその他諸々詰め合わせの短編集。あっという間に読了。アブダクション推論と神についての論考めいた『啓蒙の光が、すべての幻を祓う日まで』が一番好き。陰謀論ソムリエが登場する表題作には「ナノマシン本来の味」という最高のワードがあるが、読後感は切ない。アマゾンさんにこの本を届けてもらったら最高だったろう『密林の殯』、聖書の「物語ゲノム解析」に静かに興奮する『七十人の翻訳者たち』、織姫と彦星的センチメンタルな『ちょっとした奇跡』、これも科学と宗教ネタの『神についての方程式』全部面白かった。
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biwacovic
角田光代訳の源氏物語、最後まで読み切れるか自信がなかったので、これを1帖ずつ解説代わりに読みながら読み進めた。角田訳に準じている訳ではないので、ところどころ解釈の違いなどもあって面白い。
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biwacovic
54帖完結。長い旅のようだったこの物語が、宇治十帖、浮舟の物語で終わるのはとても感動的。薫も匂宮もまるで共感できない。彼らが悪いのではないが、浮舟は人としてリスペクトされず、誰かの人形、見た目の良い、都合の良い愛人としてのみ愛でられる。そのような「愛」への拒絶の物語。システムが間違っているなら、そのシステムで苦しむのではなくそれ自体を拒絶せよ、という長い長い物語を紡いだ末に辿り着いた風景はとても美しいと感じる。
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biwacovic
在カナダのユダヤ教徒/歴史家である作者は「パレスチナ自治区でジェノサイドを続けているのは「ユダヤ人国家」を僭称する植民地主義のシオニストたちである。」と徹底的にイスラエルを批判する。「反シオニズム」は「反ユダヤ」と接続させるべきではないのに、敢えてその混同を利用している(むしろ作為的に混同させている)植民地主義者たち。その歴史的経緯も含めて、コンパクトにまとまったブックレット。今日も虐殺を無視し続ける/加担している国家にて、2023年10月7日から1年が過ぎた日に読んだ。
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biwacovic
初期短編集。まんまカフカだったり、ヘミングウェイやカポーティな雰囲気もあり、若きガルシア=マルケスの意欲が満ちている。そして最後の3作は『百年の孤独』と同じマコンド・ユニバースもの。『落葉』は一人の男の孤独な死をポリフォニックに語り、その様式にも後の作品の萌芽がある。かなり初期の時点で、生涯書き続けるテーマと手法についてのアイデアがあったことがわかる。
が「ナイス!」と言っています。
biwacovic
新訳で。『地獄の黙示録』や『アギーレ/神の怒り』の原典ということは知っていたが未読だったこの小説。先日見た『美と殺戮のすべて』でナン・ゴールディンの姉が自死する直前に読んでいた本として紹介されていて、急に読みたくなった。  映画のイメージが強すぎて、コンゴではなくベトナムで脳内再生されてしまうが、強烈な人種差別、植民地主義と人間の狂気について、悪夢のようなイメージの奔流に圧倒される。あんな狂った映画を作りたくなるのもよくわかる。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/11/22(4384日経過)
記録初日
2012/12/23(4353日経過)
読んだ本
541冊(1日平均0.12冊)
読んだページ
139361ページ(1日平均32ページ)
感想・レビュー
261件(投稿率48.2%)
本棚
0棚
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