瀬戸内海の島で付き合った男女二人の話。お互いの家庭や仕事などの影響ですれ違ったりする。男女格差やヤングケアラーの問題を筆頭に現代社会の問題が、物語の至る所に盛り込んである。それが上滑りせず物語の中できちんと機能しているところが、話に深みを持たせているのかな。最後はしんみりしたが、主人公が生きたいように生きる事に目覚めることによって、前向きなエンディングと捉えられるところもあって良かった。読んでからプロローグを読むとまた違ったように読み取れるというところも、作者の意図通りなんだろうな。

瀬戸内海の島で付き合った男女二人の話。お互いの家庭や仕事などの影響ですれ違ったりする。男女格差やヤングケアラーの問題を筆頭に現代社会の問題が、物語の至る所に盛り込んである。それが上滑りせず物語の中できちんと機能しているところが、話に深みを持たせているのかな。最後はしんみりしたが、主人公が生きたいように生きる事に目覚めることによって、前向きなエンディングと捉えられるところもあって良かった。読んでからプロローグを読むとまた違ったように読み取れるというところも、作者の意図通りなんだろうな。

足利尊氏の生涯の話。尊氏の極楽ぶりが描かれるが、どちらかと言うと弟の直義や側近の高師直が主人公のような気もする。どちらも幕府を立ち上げ存続するために策謀するが、それが直義と師直の確執を生んだり、他の人から恨まれたりとトラブルを招いたりする。両方正しいんだけど上手くいかないあたりが、面白いのかも。どの話が史実に基づいているかは分からなかったが、経緯の説明が良くできていて、そこら辺の事情は凄くわかりやすかった。ただ内容を詰め込みすぎる所為なのか、読むのにすごく時間がかかった。