「普通のひと」になりたくて読書をはじめた思春期。結局、読めば読むほど自分が分からなくなって、都度、影響を受けるものだからどんどん「普通なひと」とは遠くなる。
結果、いまの僕は到底「普通のひと」とは言えない仕事や暮らしを送っています。だけど、見渡してみればこの世の中「普通のひと」なんてひとりもいなくて、みんなどこかがオカシイ。そのオカシさを隠す人もいれば、それこそが「才能だ、個性だ」などといっておおっぴらにする人もいるわけで…。そうなってくると、自分どころか他人のことも分からない。
そんなときに僕は読書をする。すると、他人のことを理解するためのヒントをみつけることができる。他人だけではなくて、犬とか金魚とか、ときには宇宙人にまで…。
そうして、理解のできないひとの言葉がようやく、僕の心に栄養となる。理解できない人の行動が経験となる。理解できない人を少しだけ理解できるようになるのです…。もっとも一番理解できない自分にも…。
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