最後のドンデン返しのためにある物語。途中飽きるが最後はスッキリ。

ケシヨウとよばれる正体不明の生き物と人間の接触の物語を描いた短編集。様々な並行世界らしき場所がでてくるので次の世界設定はどんなところだろうというワクワク感がある。話の道筋は似たようなものが多いのが残念。「日陰の鳥」にでてくるチャンパ王国の記述のところが面白い。

最後のドンデン返しのためにある物語。途中飽きるが最後はスッキリ。

月村了衛は時事問題とフィクションをうまく混ぜ合わせ読者に読ませるのがうまい作家だと思う。しかし最近は時事問題に重点を置きすぎて小説としてだす意味があるのかという作品が多く少し疑問だった。この作品はどちらかというと機龍警察寄り（フィクション多め）で派手なドンパチもありエンターテイメントとして楽しめる部分もある。登場人物の造形にも力を入れているのはわかる。女性同士の関係性を軸にかきたいのもわかる。結論作者の書きたい部分が突出しすぎててうまく入り込めなかった。残念。