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2025年1月の読書メーターまとめ

in medio tutissimus ibis.
読んだ本
10
読んだページ
2544ページ
感想・レビュー
10
ナイス
48ナイス

2025年1月に読んだ本
10

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

in medio tutissimus ibis.
紹介されたネット怪談の粗方は知ってはいたけれど直に接したというわけではなく纏めブログやネット怪談をもとにした創作経由で知ったので一口にネットと言っても掲示板や個人サイトなどを複雑に経由していたのを初めて知って妙な感慨を得た。中には著者が偶々覚えていた為に残ったものもあって、世の中には知られないまま消えていったネット怪談も数多くあるのだろう。と思う時の座りの悪さ、或いは不穏さもネット怪談それ自体と似ている。「恐怖に物語は必要ない」というが、逆に、物語(或いはデータ)の欠如が恐怖には必要なのかもしれないと思う
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
10

in medio tutissimus ibis.
おっこれは100点……でもどうしてマイナス点になるリスクを取ってでも200点を取りにいかなかったんだ? 実際の点数はもっと幅があるし語りは結構辛口だけど(いい匂いのする棒にたかってろ、なんて罵倒をどうやったら思いつくんだ?)基本的なノリとしてはこんな感じ。虚構=他人の物語が現実=自分の物語に圧倒されている現状でも、虚構の力を信じたい。なぜなら虚構は自分には思いもよらない境地に連れて行ってくれる力があるからだ(だから生温いことしてんじゃねーぞ、と)。批評的でわかりにくいけどそこに愛があると分かるから愛しい。
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in medio tutissimus ibis.
子供が犯罪の様な社会不適応を起こすのは、過干渉にせよ放任にせよ周囲から適切な教育を受けられなかったことが原因となる。放置からは単純に学ぶことができないし、過干渉を受けるとその干渉を前提にした行動を学習してしまい自立した社会適応が阻害される。また、教育方針が秘密のままや一貫しない場合もモデルの構築に失敗する。子供に自律的社会適応的なモデルを促す為には、実際に子供を自立した社会的な存在として、つまり知性と尊厳のある一人の人間として扱うのが一番である。しかし人は確証バイアスに支配されやすく、社会の助けがいる。
in medio tutissimus ibis.
産業構造と雇用環境の変化によりアメリカンドリームは学位を持たなければ無縁のものとなり、またそうした門戸は女性や非白人や政敵少数者へも広がったことで競争は過熱し、アメリカ特有の小さな政府志向の文化から無償教育と保険は広がらず、二大政党は高額献金者に依存するようになった。こうしたバブルの裡に籠る少数の勝者による支配のねじれを悪む大衆の波に乗ったのが、第一次トランプ政権だった。支持者のデフォが政治不信なのでトランプがやらかしても大して響かないの、アメリカの未来にとってはトランプのやらかしより深刻なんじゃないか?
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in medio tutissimus ibis.
『アメリカにおける人種は医学的な分類である前に「文化」なのだ』という一文が、オバマやカマラ・ハリスが同じ黒人同士のはずの有権者と微妙に温度差が見られたり、アニメキャラを黒人に変換する謎の行動に納得を与えてくれた。アフリカ系であるだけではアメリカの黒人の仲間ではなく、「歴史や文化」に共鳴するものがあれば黒人(身内)扱いもする。人種のサラダボウルというのは、単にそうであるという以上に、各々の成員が常に彼我の差を際立たせる努力をすることで成立しているのだろう。同時に一つの国であるところがアメリカの不思議な所だ。
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in medio tutissimus ibis.
十五年前の本となると知識としては大体知っていたことが多いのだけれど、こういう人間の行動が進化論に従ってどういう利益があって発達したものなのかという観点から説明がこの頃にようやく受け入れられたというのは知らなんだ。それまでは発表する立場を変えるみたいな遠慮があったという。そういうわけで、ようやく遠慮なく発表できるぞ、みたいな解放感というかライブ感というかが漂っている本である。さらに昔には脳の性差についてもフェミニズムから攻撃があったという。この性は気持ち一つみたいなムーブの延焼で芥川賞が燃えたりしている今日
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in medio tutissimus ibis.
紹介されたネット怪談の粗方は知ってはいたけれど直に接したというわけではなく纏めブログやネット怪談をもとにした創作経由で知ったので一口にネットと言っても掲示板や個人サイトなどを複雑に経由していたのを初めて知って妙な感慨を得た。中には著者が偶々覚えていた為に残ったものもあって、世の中には知られないまま消えていったネット怪談も数多くあるのだろう。と思う時の座りの悪さ、或いは不穏さもネット怪談それ自体と似ている。「恐怖に物語は必要ない」というが、逆に、物語(或いはデータ)の欠如が恐怖には必要なのかもしれないと思う
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in medio tutissimus ibis.
イギリスによるインド支配は良しにつけ悪しにつけイギリスの一方的なものであったとされるが、著者はイギリス側が一方的な力を持っていたわけでも完全に足並みがそろっていた訳でもなく、インドの抵抗と受容もさまざまな勢力の思惑があってなされ、一進一退の攻防があったことを流行病に対する国家医療の歴史に寄って詳らかにする。女神信仰や牛愛護というインドらしさを感じられ、医療側も牛痘という切り札があるにも拘らずそれを安定供給する術がないという危機がある天然痘の項が白眉。後は大体予算不足、内部闘争、文化が違うのワルツでぐだぐだ
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in medio tutissimus ibis.
いちおう治安維持側なのに勝手に商業施設の屋上で私闘とはたまげたなぁ……。ガチっぽい部分とガバガバな部分が交互に着て癖になる。麒麟のライカ攻略の格闘の得意技も調べず実質心理戦一本に絞ってバトる思い切りもそういう意味では好き。ライカちゃんの内面についてはある程度当たった気もするが深読みしすぎたか。これまで関係と執着のきれいな面も汚い面も描かれてきたからそんな理由は全くないのだろうけれど、検事の娘が殺人技を持ってる娘を四六時中監視したり盗撮したりしている、という点だけ抜き出すと全然別の意味を持ちだすのいいよね。
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in medio tutissimus ibis.
ライカちゃんが読んでた少女漫画、題名は『プリンセス その4』。どんくさ自己評価低い系ヒロインと紳士的だが一抹の寂しさを感じているスパダリ系ヒーローと見受けたが、構図としてはヒーローがヒロインを求めているのに(誘い請っぽさもあるが)、呼称は「やまとくん」に対し「君」なので心理的な距離感はむしろヒロイン側からの方が近そう。そこにヒーローに感情移入するとなると、自分が相手を知っている以上に相手が自分を知っている相手を求めたい、となるのだろうか。一目ぼれしてぐいぐい来るキリンちゃんのアプローチはその点で真逆だが…
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in medio tutissimus ibis.
女の子だけの学園で最高のパートナーをゲットしたヒロイン。次なる展開は? そうだね、ヤンデレと化した親友の襲撃だね。基本的にロマンチックさを演出す小道具として「とにかくそういうもの」として導入されやすい(俺調べ)いわゆるスール制度が、治安維持組織が治安悪すぎてガチのマジで人材不足で教育が追っつかないから導入されてるようにしか見えないのには感心してしまう。そしてちゃんとお姉さまが教導してくれる。憧れ以上の絆が産まれる説得力。基本はトンチキバトルアクションだけどこういうところで地に足がついているのは中々高評価。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/09/24(3800日経過)
記録初日
2014/09/24(3800日経過)
読んだ本
2740冊(1日平均0.72冊)
読んだページ
625583ページ(1日平均164ページ)
感想・レビュー
2717件(投稿率99.2%)
本棚
85棚
性別
自己紹介

in medio tutissimus ibis.
『中間を行くのが、もっとも安全だ』

これはオイディウスの『変身物語』の一節。太陽の戦車を操りたいという息子パエトンの求めに応じざるを得なくなった太陽神が、はじめはそれは危険だからやめるようにといい、ついで向こう見ずな若者の意志が固いとみるやあれこれと戦車の差配について語るくだりである。
さらにその前後を抜き出してみる。

……この道を進むのだ! いくつもの車輪の跡が、はっきりと見えるはずだ。それから、天と地が等しい暑さを分かつようにしなければいけない。それには、進路を下げ過ぎたり、天頂を通ったりはしないことだ。高くのぼりすぎれば、天上の宮殿を焼くことになるだろう。低すぎれば、大地を焼く。中間をいくのが、もっとも安全だ。右にそれすぎて、とぐろを巻いた『蛇』にぶつかってもいけないし、左に寄り過ぎて、『祭壇』に行き当たってもまずい。……
(オイディウス『変身物語 上』中村善也訳 岩波文庫 57p)

中庸を説く警句として引用されるが、もとはと言えば文字通りの意味に他ならないのがわかる。危険な空中の旅をする息子へ安全な道をしつこいくらい言い聞かせる太陽神は、ここではどこにでもいる一人の親に他ならない。
あるいは、案の定迷走して天も地も焼いてしまうパエトンの未来を暗示した、神話的な底意地の悪い予言とも見ることができるか。
それにしても、巨大な火を引いていく戦車の道々には焼いてはいけないものが多すぎる。太陽神をして、そのつとめを「刑罰である」といわしめるのである。
さらに「戦車の乗り手」が、「宮殿」や「大地」に近づきすぎて、それらに火を点けない様にという、軍事力の制御に関する寓意であると読むことができるかもしれない。

このように人口に膾炙した警句が、その実いくつもの顔を見せてくれるのは、なかなかに興味深いことである。

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