2022年11月に、平均寿命が14ヵ月といわれている希少がんと診断された著者のエッセイ集。そんなことはつゆ知らず、本書が終わりかけたところでその事実を知った。以前『ボーダー 移民と難民』を夢中になって読み、日本の入管や移民・難民受け入れの現実を知った。そして他人事ではいられなくなった。本書も読んでいる間は時を忘れていた。特に「ダブルリミテッド」の章が記憶に残った。類のないノンフィクションを書かれる佐々さん。次作はもう出ないかもしれない。本を閉じ、もう一度タイトルを見たあと、わたしは静かに目を閉じた。

韓国で実際に起きた「n番部屋事件」のルポと「追跡団火花」のエッセイを合わせたノンフィクション作品。デジタル性犯罪の温床に潜り込み、むごたらしい写真や動画を見て、加害者の特定につながる情報を警察に提供をしつづけた「追跡団火花」は、二人の女子大生だった。明るみに出ていないだけで、この類の事件はいまも起きている。SNSでは個人情報がわかるものや顔写真を載せないこと、巧みな言葉につられないこと、顔の見えない相手を信用しないことなど、親として自分の子どもに教えなければならないことが山ほどあると思った。

著者のことは知らなかったのですが、0歳ボドゲと小1起業家はTwitterで見たことがありました。67個の育児アイデア集に目を通し、「いかに毎日楽しく生きるか」を第一に考えて子育てをしているひとだな、という印象を受けました。紹介されている子育てハックは0歳から小5までと幅広く、手元にあれば10年以上役に立つ本です。後追いが激しい1歳児に効果的な「等身大パネルマザー」、2歳児が語る日本の社会問題、イヤイヤ発言を記録するイヤイヤカレンダーには思わず笑ってしまいました。

2022年11月に、平均寿命が14ヵ月といわれている希少がんと診断された著者のエッセイ集。そんなことはつゆ知らず、本書が終わりかけたところでその事実を知った。以前『ボーダー 移民と難民』を夢中になって読み、日本の入管や移民・難民受け入れの現実を知った。そして他人事ではいられなくなった。本書も読んでいる間は時を忘れていた。特に「ダブルリミテッド」の章が記憶に残った。類のないノンフィクションを書かれる佐々さん。次作はもう出ないかもしれない。本を閉じ、もう一度タイトルを見たあと、わたしは静かに目を閉じた。