しんどいこともゲームと思えば乗り切れるのかもしれない。でも人を傷つけることをゲームとするのは許せない。そんな人の何と多いことか。レジの列が早かったときは「勝った！」と思う(笑)。ウエイトレスさんは何に勝ったんだろう。

同じ場面でも1枚ずつちゃんと描いててすごい。おばけのこがかわいい。小さい靴がぴったりじゃないか。他の本を引き合いに出すのもどうかと思うけど、「死と彼女とぼく ゆかり」を連想して泣きそうになった。

読み始めてすぐ、あれ？こんな話だっけと思った。子供用はワクワクドキドキハラハラの冒険譚だった気がするけど。大人向けの、こちらが原作に忠実なのね。津村記久子さんが書いていたように、リヴジー先生のかつらネタも面白かった。

こたろうくんかわいい(≧ω≦)描き込みがすごくて、真剣に絵を楽しんでしまってキャラクターを探すのを忘れた(笑)。シンデレラが難しかった。それ買ったの！(笑)

どれもが「死の気配を感じる」話だったけど、決してホラーではなく、とても素敵な話ばかりだった。「よこしまな伯爵夫人に音楽を」と「ワトキン、コンマ」が特に好き。あー「最後の標本」も好き。

いろいろな立場の、それぞれのマナーがあって面白かった。処世術的なものは参考になったし、そこまで気を遣うのかと気の毒にもなったり。劇団ひとりさんはああ見えて（失礼）、結構繊細なんだなとか、町田康は相変わらず町田康だったし。

タイトルが良すぎる。どの話も切ない。

「パンどろぼう」が生まれるまでの試行錯誤、シリーズ化することでの苦労、1つの絵を描くのに費やす労力！などがよくわかってますますファンになった。高知の金高堂書店の前では「ぱぱんがパン！」の顔はめパネルやりましたよ(笑)。

しんどいこともゲームと思えば乗り切れるのかもしれない。でも人を傷つけることをゲームとするのは許せない。そんな人の何と多いことか。レジの列が早かったときは「勝った！」と思う(笑)。ウエイトレスさんは何に勝ったんだろう。