ネタバレ最初は、両親を亡くした主人公がかわいそうで、まずは裕福な側について生活をたてなおして、みたいに思っていたが。次第にその生活がタイトルのとおり、とんでもないものだとわかってくる恐ろしさ。戦争の結末を知っている私らから見るとダメだと思えても、確かに、中にいれば考えは染まってゆくのだろう。フィクションだし、希望が持てる結末でよかったが、自分もよく考えねばならないと改めて思わされる作品。

ネタバレ前作を読んで確かに、「まだ論文になってないから研究成果があまり書いてないのか」と思ったので。約束どおり、論文書いて（というかそこまでの長き研究期間だけでなく、先人までも紹介）、投稿からアクセプトまでのみちのりをがっつり書いてあって読みごたえあった。もちろん、研究内容についても、フィールドと、あと実験室での飼育や解剖、それぞれおもしろい。そして、研究を支える仲間たち。話が時系列にそってないのでわからないまま読み進めたところもあったけど、とにかく良かった。他の生物も含め、雌雄の別居の話は興味深い。