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2023年2月の読書メーターまとめ

浅香山三郎
読んだ本
7
読んだページ
2269ページ
感想・レビュー
7
ナイス
121ナイス

2023年2月に読んだ本
7

2023年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

浅香山三郎
吉本隆明と並び1960年代の思想家として名前を聞く人物だつたが、くわしくは知らなかつた。本書は、テックでは同僚でもあつた著者の眼からみた谷川雁像を描く。筑豊での闘争の指導者を経て、教育産業のなかで自己の理想を追究するに至る特異なあゆみを概観する。既成左翼の範疇にはない発想、民俗学・文化人類学的な関心の反映など、吉本隆明と類似しつつも時代への評価を異にした雁の軌跡を辿る。評伝としては、まとまりはよいのかも知れないが、やはり書かれたものを読んでみないと分からぬ人だといふ感じを受けた。
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2023年2月にナイスが最も多かったつぶやき

浅香山三郎

2023年1月の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:2592ページ ナイス数:148ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/619362/summary/monthly/2023/1 ややペースダウンしました。

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2023年2月の感想・レビュー一覧
7

浅香山三郎
秀吉の死、関ヶ原の戦い、そして大坂の陣まで、豊臣・徳川両権力が共存する京都の様相を示し、慶長年間を概観する。様々な記録を駆使し、京都の大仏や伏見の城、豊国社と豊国祭などのモニュメントとページェントを軸に、京都といふ都市や朝廷・公家衆、住民らの人心掌握につとめるふたつの権力の姿勢を照射してゆくさまは、著者の真骨頂といふ感がある。「関東と京都の御弓箭」といふほど、秀頼に近いと見られた京都の位置が、容易に戦国が終はらない世の中のありやうを象徴するやうに思へた。
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浅香山三郎
河口慧海の評伝。文庫にして500頁を超し、慧海の知人、生活環境、同時代性など、ひとつひとつに対する裏付け調査も丁寧で立体的に慧海の生きた時代の雰囲気が分かる。各章のタイトルは慧海の人生のなかでポイントとなつた場所の名前に統一され、たとへば堺では晩晴書院の土屋弘(鳳州)周辺の人々の小評伝を折り込みながら彼の基礎教養世界を示してゐる。明治・大正期のチベットの仏典請来を巡る思潮・実践のうごきのなかで、当時の国際関係や、慧海や本願寺の人々との差違も理解できる。
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浅香山三郎
吉本隆明と並び1960年代の思想家として名前を聞く人物だつたが、くわしくは知らなかつた。本書は、テックでは同僚でもあつた著者の眼からみた谷川雁像を描く。筑豊での闘争の指導者を経て、教育産業のなかで自己の理想を追究するに至る特異なあゆみを概観する。既成左翼の範疇にはない発想、民俗学・文化人類学的な関心の反映など、吉本隆明と類似しつつも時代への評価を異にした雁の軌跡を辿る。評伝としては、まとまりはよいのかも知れないが、やはり書かれたものを読んでみないと分からぬ人だといふ感じを受けた。
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浅香山三郎
末木文美士・中島隆博・若松英輔・安藤礼二・中島岳志の五氏による座談会をベースにする。岩波新書では余り多くないスタイルか。コロナ禍の最中といふ時期とも相俟つて、死者や霊性を通じて人類が培つてきた思考を対話を通じて再検討する。19世紀の神智学、日本における近代に対する宗教人の対応、内村鑑三の無教会主義など、死者ヘの向き合ひ方ヘの思想を辿ることで様々な論点が展開し、示唆に富む。
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浅香山三郎
保元・平治の乱から宝治合戦迄、公武のふたつの権力の協調関係に注目して叙述する。平氏政権時から、後の幕府の京都大番役のやうな番役があつたり、それ以外にも在京して活動する関東武士の存在が見出されたりするなど、東国武士は早くから京と繫がりをもつ者も多かつた。『平家物語』の叙述による平家像を再吟味し、鎌倉幕府と共通する面も明らかにする。そのうえで、幕府の成立過程を三段階に分ける。承久の乱についても、後鳥羽院と在京御家人との関係に触れるなど、近年の研究成果も視野に収めてゐる。
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浅香山三郎
俗流の武士像・武士観を再検討する、著者のこれまでの研究を新書といふ形にまとめた本。東国に起こり、あたらしい武士による国家(鎌倉幕府)の担い手としてイメージされてきた武士だが、職掌としては、朝廷の警護を担う芸能をもつ人々を起源とするなど、かつて投影されてきたものとは異なるといふ。のちに、軍事貴族となる血筋が固まると、かつての武官系武士は姿を消し、ウジからイエに武力の担い手は変化する。近年明らかになつた武具や戦闘法の研究成果、「武士道」の近世・近代における変容など、イデオロギー的な部分にも言及し、作られた↓
浅香山三郎
2023/05/31 07:30

武士像の呪縛から、実像を腑分けしてゐる。

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浅香山三郎
本書は以前から積読になつてゐた本だが、海野弘『モダン都市東京』を読んでから、漸く読むに至る。「二銭銅貨」「D坂の殺人事件」「心理試験」などの都市社会を舞台にしたやうな本格推理小説、「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「鏡地獄」「お勢登場」「押絵と旅する男」のやうな変態的な心理や恐怖を前面に出したものなど、乱歩のエッセンスが積まつた作品群を収める。千葉俊二氏の解説は、乱歩とそれに先行する日本近代文学における探偵小説的なものとの系譜を論じ、示唆に富む。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/10/15(3280日経過)
記録初日
2009/10/18(5468日経過)
読んだ本
2814冊(1日平均0.51冊)
読んだページ
835981ページ(1日平均152ページ)
感想・レビュー
864件(投稿率30.7%)
本棚
240棚
現住所
大阪府
自己紹介

これから新しく読む本は、できるだけ感想を残します。過去に読んだ本は、読んでたことを思ひ出した時点で、登録しますけれども、感想までは書き切れない感じです。さういふ訳で、投稿率はべらぼうに低いのですが、ご容赦ください。

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