本書はいわゆるヨーロッパ中心主義史観の脱構築に貢献するものであるが、個人的は、それよりも、東インド会社のような「会社国家company-state」「主権会社company sovereigns」という形態が興味深い。主権会社というのは著者の独自概念だというが、この主権会社は現在の株式会社の先駆的形態でありながら、戦争遂行、条約締結、入植、裁判、貨幣鋳造の特許が与えられていた。このような国家の権能を持ちながらも第一には利益の追求が目指された。非常に興味深い。ある種、現在の巨大多国籍企業に近しいものがある。
労働しながら社会学研究やってます。研究テーマは「戦後日本の開発主義的統治」「統治実践としての物流=兵站術(ロジスティック)」。フーコー、アガンベン、ヴィリリオからの理論的影響あり。最近は労働に殴られて進捗ダメです……。
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本書はいわゆるヨーロッパ中心主義史観の脱構築に貢献するものであるが、個人的は、それよりも、東インド会社のような「会社国家company-state」「主権会社company sovereigns」という形態が興味深い。主権会社というのは著者の独自概念だというが、この主権会社は現在の株式会社の先駆的形態でありながら、戦争遂行、条約締結、入植、裁判、貨幣鋳造の特許が与えられていた。このような国家の権能を持ちながらも第一には利益の追求が目指された。非常に興味深い。ある種、現在の巨大多国籍企業に近しいものがある。