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2024年1月の読書メーターまとめ

Mealla0v0
読んだ本
6
読んだページ
1663ページ
感想・レビュー
1
ナイス
11ナイス

2024年1月に読んだ本
6

2024年1月のお気に入られ登録
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2024年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Mealla0v0
15世紀以降の「ヨーロッパの拡大」はしばしば軍事革命や財政軍事国家の登場と結び付けられて語られて来た。つまり、高性能な武器と組織された軍隊を背景とした圧倒的な軍事力による支配権の拡大という理解だ。本書は、ヨーロッパの外でのヨーロッパ勢力は、むしろ現地勢力に対して劣勢であり服従を強いられてきたと強調される。そのヨーロッパ勢力も、国家よりも主権会社と冒険者集団であった。ただし、現地勢力が海上の確保に関心を向けず、ヨーロッパ勢力が海上の交易路確保に腐心したこと、特にそのために現地勢力との妥協をした点も強調される
Mealla0v0
2024/05/07 02:47

本書はいわゆるヨーロッパ中心主義史観の脱構築に貢献するものであるが、個人的は、それよりも、東インド会社のような「会社国家company-state」「主権会社company sovereigns」という形態が興味深い。主権会社というのは著者の独自概念だというが、この主権会社は現在の株式会社の先駆的形態でありながら、戦争遂行、条約締結、入植、裁判、貨幣鋳造の特許が与えられていた。このような国家の権能を持ちながらも第一には利益の追求が目指された。非常に興味深い。ある種、現在の巨大多国籍企業に近しいものがある。

が「ナイス!」と言っています。

2024年1月の感想・レビュー一覧
1

Mealla0v0
15世紀以降の「ヨーロッパの拡大」はしばしば軍事革命や財政軍事国家の登場と結び付けられて語られて来た。つまり、高性能な武器と組織された軍隊を背景とした圧倒的な軍事力による支配権の拡大という理解だ。本書は、ヨーロッパの外でのヨーロッパ勢力は、むしろ現地勢力に対して劣勢であり服従を強いられてきたと強調される。そのヨーロッパ勢力も、国家よりも主権会社と冒険者集団であった。ただし、現地勢力が海上の確保に関心を向けず、ヨーロッパ勢力が海上の交易路確保に腐心したこと、特にそのために現地勢力との妥協をした点も強調される
Mealla0v0
2024/05/07 02:47

本書はいわゆるヨーロッパ中心主義史観の脱構築に貢献するものであるが、個人的は、それよりも、東インド会社のような「会社国家company-state」「主権会社company sovereigns」という形態が興味深い。主権会社というのは著者の独自概念だというが、この主権会社は現在の株式会社の先駆的形態でありながら、戦争遂行、条約締結、入植、裁判、貨幣鋳造の特許が与えられていた。このような国家の権能を持ちながらも第一には利益の追求が目指された。非常に興味深い。ある種、現在の巨大多国籍企業に近しいものがある。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/03/31(2991日経過)
記録初日
2014/12/21(3457日経過)
読んだ本
1174冊(1日平均0.34冊)
読んだページ
330027ページ(1日平均95ページ)
感想・レビュー
728件(投稿率62.0%)
本棚
0棚
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外部サイト
自己紹介

労働しながら社会学研究やってます。研究テーマは「戦後日本の開発主義的統治」「統治実践としての物流=兵站術(ロジスティック)」。フーコー、アガンベン、ヴィリリオからの理論的影響あり。最近は労働に殴られて進捗ダメです……。

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