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2024年11月の読書メーターまとめ

ノト
読んだ本
6
読んだページ
1202ページ
感想・レビュー
6
ナイス
39ナイス

2024年11月に読んだ本
6

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ノト
禍々しいタイトルは何の隠喩かと思いきや、そのまま。想起される通りの事が起こり、何を読まされてるのかと思う描写の章が続き、放棄しそうにすらなった。物足りない近作同様、今回も外した実験作か?と首を傾げながらも読み進めた先に…!どす黒い読後感は、待ってました!これぞイヤミスの女王の真骨頂!と狂喜乱舞だった。単行本の口絵は、読む者各人の「目が見る色」を妨げないギリギリの演出なのはよくわかりつつ、ビジュアル化の色彩が見たいと思ってしまう自分に、また不快感を催す嫌らしさ。お茶の間に出せないヤツなのでR指定映画で…。
が「ナイス!」と言っています。

2024年11月の感想・レビュー一覧
6

ノト
小説の存在意義は、自分では体験できない事をリアリティを持って体験させてくれる事だと思っているが、本書は事実は小説より奇で壮絶だという体験。昭和生まれとして同時代を体験した者としては薄々想像はついていたが、これ程までに不適切な非常識が大手を振っていたとは…。常軌を逸した過重労働、金銭感覚の麻痺、モラルの崩壊が綿々と綴られ、読んでるこちらも麻痺してくる。世を騒がしたまつりさんの前にも過労自殺があり、そんな不要な犠牲を強いて始めて、現状は改善されていると聞くが、過去は取り返せない。筆者は一線を越える前に踏み→
ノト
2024/12/01 23:50

→とどまったが、直ちに代償を払わされた。が、越えていたら、この貴重な日記は世に出なかった。ラストを読んで、図書館で借りずに買って読むべきだったな〜と後悔した(今から買えばいい)。 で…ヒドい!というのを前提に、電通だけじゃない、この狂躁の競争の時代に産み出された物もまた大きかったのは否めない。誰も責任を取らない大き過ぎる犠牲を払ってまで産み出す必要は無かった、空虚で、儚い、煌びやかなCM達だ。

が「ナイス!」と言っています。
ノト
遥か昔に読んだ朧げな記憶は、檸檬が本当に爆発するシュールなストーリーに変換されていた。そんなことはない、心身を病んだ青年が過剰なまでに美しい物に反応する繊細な物語だった。イラストも美しかった(人物はやや軽い)。裸電球に照らされる果物屋の光景は、自分も京都の裏小路に紛れ込んだ気にさせられた。主人公の青年は、檸檬と戯れて気がすんだら心療内科へ行った方がいい。
が「ナイス!」と言っています。
ノト
禍々しいタイトルは何の隠喩かと思いきや、そのまま。想起される通りの事が起こり、何を読まされてるのかと思う描写の章が続き、放棄しそうにすらなった。物足りない近作同様、今回も外した実験作か?と首を傾げながらも読み進めた先に…!どす黒い読後感は、待ってました!これぞイヤミスの女王の真骨頂!と狂喜乱舞だった。単行本の口絵は、読む者各人の「目が見る色」を妨げないギリギリの演出なのはよくわかりつつ、ビジュアル化の色彩が見たいと思ってしまう自分に、また不快感を催す嫌らしさ。お茶の間に出せないヤツなのでR指定映画で…。
が「ナイス!」と言っています。
ノト
これはまた新たな推し作家と出会ってしまった。6つの短編は全て家族の物語。それも一筋縄ではいかない家族の物語。短編集のタイトル「スモールワールズ」の通り、今この瞬間、日本の何処かにあってもおかしくない物語達だ。甘くない、辛いだけでもない、幸せなだけでも不幸せなだけでもない、選べない感情を受け入れざるを得ずにそれでも生きてゆく小さなユニット達。そして6篇目のラストは仄かな光を放ちながら1篇目へとメビウスの輪を繋ぎ、うっかりまた始めから再読しそうになった。いい作家に出会った。
が「ナイス!」と言っています。
ノト
乙女だったのは数十年前、耽美なイラストは不要だが、活字が大きく軽くて読み易い装丁で読みそびれていた名作短編を読めるミドルの本棚として利用。「恋愛論」といいつつ、恋愛にとどまらない、むしろ恋愛の様態など二の次の、含蓄深い文化論・人生論だった。前半の「雰囲気的になり過ぎる」日本語論、「恋に普遍などない」との主張、「めいめいが、めいめいの人生を、せい一ぱいに生きること、それをもって自らだけの真実を悲しく誇り、いたわらねばならないだけだ」そして「孤独は、人のふるさとだ」。安易な共感を拒絶する強さを持つ言葉だ。
が「ナイス!」と言っています。
ノト
津村作品はいつもミニマムだ。短編は特に。一見問題なく暮らしているかのような主人公が今抱えている他人には「そんな事」と一笑に付されるようなミニマムな鬱屈を、細か〜〜いあれこれが癒す過程を愛をもって描く掌編集だった。小説の存在意義が時空を超えて他者の人生を味わえる事だとすると、津村さんの描く他者はすぐそこのマンションに住む誰か。だから共感できるし、自らも癒される。神は細部に宿る。
ノト
2024/11/03 17:17

そんな中、「フェリシティの面接」という作品だけはちょっと異質だった。なにか海外の短編のような味わいで、津村さんには珍しく意図するところが伝わりにくい。もしかすると、ご自分とは真逆なフェリシティは、「こういう人に私はなりたい」人物像なのかも。その立ち居振る舞いは、あれこれの日々のディテールに悩まされ振り回される私達には、まるでスーパーヒーローにも見える。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2010/09/13(5211日経過)
記録初日
2009/09/21(5568日経過)
読んだ本
297冊(1日平均0.05冊)
読んだページ
98169ページ(1日平均17ページ)
感想・レビュー
153件(投稿率51.5%)
本棚
6棚
性別
年齢
60歳
血液型
B型
職業
専門職
現住所
東京都
自己紹介

育児も仕事も最終コーナーに差し掛かり、読みたいと思った本にランダムに手を出す日々となりました。何でも読みますが、特別な大切は浅田次郎・サリンジャー・フィッツジェラルド、近年のお気に入りは伊坂幸太郎、津村記久子、町田そのこです。読書メーター諸子のナビで新しいお気に入りと出会うのを楽しみにし、ボチボチと感想をアウトプットしてゆきます。社会保険労務士です。

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