銀爪という猟師は日々山で野生動物と対峙して暮らしている。生きるために猟をし、彼なりの理念に則った生き方をしているが、里の人間の暮らしや経済活動には馴染めない。野生動物の理はよく理解しているが、自分は野生動物にはなれない。家庭生活も彼には違和感があるが自分は確かに人間だ。そんなどっちつかずの言語化されない「はんぱもん」のもどかしさが後半にかけてどんどん強くなっていく。最後まで読んだ時、これで良かったのだと思った。こんなラストを思いつく河崎さんはすごい作家だと思う。

銀爪という猟師は日々山で野生動物と対峙して暮らしている。生きるために猟をし、彼なりの理念に則った生き方をしているが、里の人間の暮らしや経済活動には馴染めない。野生動物の理はよく理解しているが、自分は野生動物にはなれない。家庭生活も彼には違和感があるが自分は確かに人間だ。そんなどっちつかずの言語化されない「はんぱもん」のもどかしさが後半にかけてどんどん強くなっていく。最後まで読んだ時、これで良かったのだと思った。こんなラストを思いつく河崎さんはすごい作家だと思う。