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2024年5月の読書メーターまとめ

フクロウ
読んだ本
7
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1711ページ
感想・レビュー
7
ナイス
36ナイス

2024年5月に読んだ本
7

2024年5月のお気に入られ登録
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  • おわか

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

フクロウ
後期資本主義=ネオリベラルな経済システムは(消費者)「個人の尊重」を真正教義とする話や、さながらフェデリーチ『キャリバンと魔女』を髣髴とさせる、男性による女性支配と資本制の話など、前半部の話はそれなりにわかったが、後半は、特にラカンやフロイトがさっぱりわからなかった。難しい…
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
7

フクロウ
西村裕一が引用し、忘れてしまったが著名社会学者があれはすごいと持ち上げており、そして京都アニメーション放火殺人事件があったため気になっていた積本をようやく読んだ。反転させれば加藤智大から『ゲ謎』の「見ないこと」ひいては「透明」(少年A)なわたしたち(『輪るピングドラム』)の問題系に繋がるよな、と。しかし、説得的な論証になってるのかはちょっとよくわからなかった。まぁ自我論と社会論をやろうとするなら必然的にこういう形になるのかもしれんが。
が「ナイス!」と言っています。
フクロウ
後期資本主義=ネオリベラルな経済システムは(消費者)「個人の尊重」を真正教義とする話や、さながらフェデリーチ『キャリバンと魔女』を髣髴とさせる、男性による女性支配と資本制の話など、前半部の話はそれなりにわかったが、後半は、特にラカンやフロイトがさっぱりわからなかった。難しい…
が「ナイス!」と言っています。
フクロウ
近時のコロナ禍、空き家対策、生活保護、津波など、時事的問題を絡めつつ、行政法の骨格部分を示す。とてもわかりやすいと思う。行政法全体を一望するにはよい。
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フクロウ
法を基礎づけるメンタリティを文学史料の分析から解明することを目的に、平安前期をターゲットに、藤原氏を代表とする血統貴族と対抗関係にあった、菅原道真を代表とする文人貴族のメンタリティを分析する。道真の政治構想は、詩を読む能力(による天皇や摂政批判と、その批判による瞬間的平等の実現)と統治実務(法解釈)能力を持つ中央の貴族と、そこと明確に分節された在地社会からなる、言ってしまえば都市・領域二元構想であったが、政治抗争に敗れ太宰府に左遷された。
フクロウ
2024/05/22 03:31

没後、天神信仰の形で、摂関政治に対するオルタナティブとして民衆サイドには膾炙したものの、現実政治は道真の構想とはおよそ異なる、中央・在地の結託の中で展開されていき、在地の一般庶民は搾取され苦しむ社会がしばらく続くことになる。

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フクロウ
良書。年間最良もありうる。戦争放棄条項たる憲法9条の描く社会構想と婚姻家族条項たる憲法24条の描く社会構想をシームレスに接続して日本国憲法の骨格を示す。全ての論稿の出来が良いのだが、中でも笹沼弘志の論稿は出色の出来。憲法24条2項の「個人の尊厳」を、憲法13条の「個人の尊重」やドイツ憲法の議論である「人間の尊厳」とは異なり、「抽象的な個人」ではなく、最も基礎的な社会構成単位である家族内で、家長や男性に支配されてきた近代の女性という「弱い個人の尊厳を特に保護する規定」とする解釈は説得力がある。
フクロウ
2024/05/14 16:04

その際、起草者たるベアテ・シロタの草案を手がかりに、同草案が24条を社会権条項群の冒頭規定として位置付け、25条の生存権、教育を受ける権利、労働基本権を配置して行っていることから、24条を社会権総則規定と理解した上で、同条2項の「個人の尊厳」解釈を導くのは鮮やかな論証である。安楽椅子に腰掛け理論を練るのではなく、実地でホームレス支援に携わってきた笹沼だからこそ書ける迫力がある。

フクロウ
2024/05/14 16:04

現在の花形・憲法21条とかよりも、24条の方がよっぽど重要なのではないか。笹沼が指摘するように、従来、24条は憲法の基本書で良くて刺身のツマ程度の扱いであったが、近時、非嫡出子相続分、夫婦同氏、同性婚、トランスジェンダーと、社会の変遷に適合しない家族法が単に民法上だけでなく憲法上も問題視されており、それだけ弥縫策ではない抜本的な社会のグランドデザインの変更・提示が求められているということなのだろう。

が「ナイス!」と言っています。
フクロウ
「走れメロス」を読みたくて買った。さすがは刑事保釈と死刑廃止論を基礎づける伝承。格調高い。他の作品のうち、「キリギリス」と「東京八景」はまぁまぁだったが、あとは駄作では。
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フクロウ
個人の自由というものもいきなり天から降ってくるわけではなく、それを支える秩序が必要である、という話自体は、たとえば小林正弥や、岡田与好、樋口陽一らも指摘していたところであり、(井上達夫の指摘が彼らより先か、後かはわからないが)。/反転可能性は視点の反転も含むから、「自分がユダヤ人なら喜んで絶滅収容所に入る」と言うナチス将校は、(真摯なものだとしても)実は反転できていないという話はなるほどと思った。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/09/06(2476日経過)
記録初日
2017/09/06(2476日経過)
読んだ本
701冊(1日平均0.28冊)
読んだページ
204502ページ(1日平均82ページ)
感想・レビュー
323件(投稿率46.1%)
本棚
2棚
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