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2024年3月の読書メーターまとめ

はるたろうQQ
読んだ本
4
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1498ページ
感想・レビュー
4
ナイス
5ナイス

2024年3月に読んだ本
4

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

はるたろうQQ
本書は、明治初期から中期にかけて仏教が異端的な「他者」から悲劇的な殉教者へ、そしてついには真の日本文化、アジア文化の砦となった変遷を描く極めて緻密な書。仏教は親幕府的で異邦的な性質を帯び、社会的にも経済的にも無益との理由から攻撃を受けたが、国家政策に抵抗運動を引き起こす組織力を見せつつ、古くから天皇家による加護を受けてきた歴史を再創造すると共に、教団組織や仏教の近代化(再定義)に邁進し、最終的には政教分離を獲得していく。この過程で産み出された汎アジア的な考え方が帝国主義的な領土拡大に加担する素ともなった。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
4

はるたろうQQ
本書は、明治初期から中期にかけて仏教が異端的な「他者」から悲劇的な殉教者へ、そしてついには真の日本文化、アジア文化の砦となった変遷を描く極めて緻密な書。仏教は親幕府的で異邦的な性質を帯び、社会的にも経済的にも無益との理由から攻撃を受けたが、国家政策に抵抗運動を引き起こす組織力を見せつつ、古くから天皇家による加護を受けてきた歴史を再創造すると共に、教団組織や仏教の近代化(再定義)に邁進し、最終的には政教分離を獲得していく。この過程で産み出された汎アジア的な考え方が帝国主義的な領土拡大に加担する素ともなった。
が「ナイス!」と言っています。
はるたろうQQ
神仏分離によって神道と仏教は二つに分けられたが、大日本帝国の確立に伴い、神社は国家の家父長たる天皇家の祖先祭祀に臣民も参加する場となり、仏教は臣民の祖先崇拝を担当することで、各々家父長的国家体制に組み込まれて役割分担した神仏補完体制となったとする。興味深かったのは、幸徳秋水の「基督抹殺論」は実は天皇(制)抹殺論であり、キリスト教を隠喩として天皇制批判にその真のターゲットがあったとする末木文美士の総論と、平山昇による明治天皇死去を契機として皇室+神社が心情的に絶対化されていく過程を描いた最後の論文だった。
が「ナイス!」と言っています。
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明治維新前後の浄土宗の活動、特に北海道への開教活動について勉強したいので、その一環として手に取る。直接的に書かれたものは無かったが、「新宗教の誕生と教派神道」は寺社と講の関係の変遷について、「胎動する近代仏教」は政府の宗教政策と教団の近代化について参考になった。明治維新期の仏教はやはり長州との繋がりから浄土真宗がメインになってしまう。なお、第1刷を読んだが、残念ながら193頁と242頁に年号の誤りがある。それぞれ1938(天保9)年、1973年としているが、時期的に明らかに1838年、1873年であろう。
が「ナイス!」と言っています。
はるたろうQQ
浩澣な書だが、面白く読んだ。議会制民主主義の失敗について「議会は、社会全体の社会的、国民的、経済的な激しい緊張を解決する場というよりは、むしろその緊張を拡大するレンズのようだった。」とあり、現在にも通ずる。英国の政治家は議会制の輸出に懐疑的だったらしいが、今や本国でも同じ事態が起こっており、難しい制度だと分かる。議会が機能しないので、執行権が強化され、ナチスへの道は既に開かれていたとする。ナチスの優生学的思考についても、ヨーロッパで広くひろがっていた思想を極端化したもので、それは今日も継続しているとする。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/10/10(2393日経過)
記録初日
2017/10/22(2381日経過)
読んだ本
179冊(1日平均0.08冊)
読んだページ
50872ページ(1日平均21ページ)
感想・レビュー
179件(投稿率100.0%)
本棚
4棚
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