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2024年11月の読書メーターまとめ

山城登
読んだ本
7
読んだページ
3010ページ
感想・レビュー
7
ナイス
98ナイス

2024年11月に読んだ本
7

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

山城登
ネタバレ真田家累代の「幸」を捨てた信之。背負った幸村。戦国最後の闘いである大坂の陣でそれぞれが「幸村を討て!」と叫ぶ。その意味とは?何故、幸村は家康を討たなかったのか?何故、幸村と名乗ったのか?という事を考えながら読んでいくと興味深い。各章から真田家の強さが浮き彫りになってゆく手法は、石田三成を描いた『八本目の槍』と似通っている。終盤に向けて真田家の絆の強さも感じられるようになる。信之vs家康、正信の場面は極限の最後の戦いであると同時に伏線回収とも言える。歴史的事実を知っていながら感慨深く読める傑作である。
が「ナイス!」と言っています。

2024年11月の感想・レビュー一覧
7

山城登
ネタバレ「すぐそばに恐ろしいものがいるぞ、そいつは今にも飛びかかってくるぞ、そいつを見つけろ、相互に監視し、摘発しあえと唆されるのだ。本当にそいつがいるのかも、いったい何が敵なのかも分からないというのに」一日足らずの狭い空間での出来事を端的に表すとこういう事なのだろう。そしてこれは現在の社会でも起きている事ではないかと思えてしまう。この閉塞感を打ち破る一つのツールとして言語がある。消滅させたいのは言葉の壁だった。言葉を通じて互いに理解が深まるはずである。最後には連帯感のようなものが芽生えた10人のように。
が「ナイス!」と言っています。
山城登
ネタバレ登場人物の多さに短時間で狭い空間での出来事。同じく恩田さんの作品『ドミノ』を思い起こす。この作品が面白いと感じられるのは、各々のキャラクター設定が個性的で鮮明であることだろう。特にヒューマノイドのキャスリンには感情移入してしまっている。SFや謎解きを通して、テロ、巨大台風、通信障害、感染症など現代社会にも迫り来る得体の知れないものに対する人間の根源的な恐怖心や相互不信が描写されている。その意味では、感情のないヒューマノイドと人間の対比も興味深い。このテロが実行された時に何が『消滅』するのか?
が「ナイス!」と言っています。
山城登
ネタバレ「たとえ、表が綺麗に見えたとしても、裏に汚れを隠すならば、何にもならない。おのれを偽らず、向き合うことのほかに、綺麗寂びがあるはずもない」このような千利休や古田織部とは異なる泰平の茶を目指した綺麗寂びの境地を開くに至る小堀遠州の物語である。島原の乱や飢饉、八条宮の別業の作事を通して官僚として怨みに報いるには恩を以てするという茶の心を知恵伊豆たちに諭す。茶人として、官僚として「孤舟ではなかったぞ」と言える遠州の清々しい生き様だった。
が「ナイス!」と言っています。
山城登
ネタバレ真田家累代の「幸」を捨てた信之。背負った幸村。戦国最後の闘いである大坂の陣でそれぞれが「幸村を討て!」と叫ぶ。その意味とは?何故、幸村は家康を討たなかったのか?何故、幸村と名乗ったのか?という事を考えながら読んでいくと興味深い。各章から真田家の強さが浮き彫りになってゆく手法は、石田三成を描いた『八本目の槍』と似通っている。終盤に向けて真田家の絆の強さも感じられるようになる。信之vs家康、正信の場面は極限の最後の戦いであると同時に伏線回収とも言える。歴史的事実を知っていながら感慨深く読める傑作である。
が「ナイス!」と言っています。
山城登
ネタバレ「あれは絵になる」と画狂北斎に言わしめた盲目の馬琴の口述をお路が書き留める姿がある。馬琴は、実の世界で家族を失ったり、さまざまなトラブルに見舞われ、最後には視力を失って八犬伝の完全を諦めかけていた。そんな時にお路に励まされようやく完成された。苦難の中でこの二人の「実の世界の江戸神話」が生み出した『南総里見八犬伝』という「虚の世界の江戸神話」となる。その崇高とも言える事業に北斎を通して虚実冥合した世界を見せてくれる。圧巻のラストシーンであった。
が「ナイス!」と言っています。
山城登
ネタバレ「正しい者が勝ち、悪は罰せられる、善悪ともにその酬いは必ずある、という世界をえがくのが目的でかいているのだ」馬琴は、実の世界で戯作者として虚の世界の八犬伝を描く目的を述べるが、それを虚構の世界と言われると動揺する不安定な心情になる。クソ面白くもない暮らしの中から心躍る八犬士(上巻ではまだ全員揃ってないが)の物語が生み出される過程が興味深い。馬琴と北斎の相反するような性格の二人のやりとりも面白い。正史ではない歴史小説の魅力というものがよく表現されていると感じる。
が「ナイス!」と言っています。
山城登
ネタバレ演劇に疎くても筆者の鮮やかな描写で表現する事の美しさ、楽しさ、苦しさがひしひしと伝わってくる。天才たちが同じ時、同じ空間で競い合う情景は同じく恩田作品の『蜜蜂と遠雷』を思い起こさずにはいられない。響子のいわゆるサラブレッド的な天才に対して飛鳥は圧倒的な才能を持つが野心がまるでない。この二人は苦悩している。自我が確立されてないことに気づき迷い苦しむ。そんな中で二人が演技する二次オーディションの描写は圧巻。天才たちが苦悩しながらも互いに高みを目指す姿は強烈なインパクトが残る。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2017/12/17(2566日経過)
記録初日
2018/01/05(2547日経過)
読んだ本
575冊(1日平均0.23冊)
読んだページ
225331ページ(1日平均88ページ)
感想・レビュー
383件(投稿率66.6%)
本棚
1棚
性別
血液型
B型
現住所
埼玉県
自己紹介

歴史小説を中心に幅広く読んでいきたいと思います。皆さまの感想を本選びの参考にさせていただいてます。

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