貧困街の生活における人間の愚かさや滑稽さを魅力的に描く短編集。 かなり読みやすい文章でスラスラ読めて心地良い。悲惨な出来事や不条理な出来事が起きるけど重すぎないのもいい。教訓じみたところもなく、感動の押し売りもなく、読者に考える余地もある、その達観したスタンスは街の住人のたんばさん的でかっこいい。 特に貧困層の生活のリアルを切り取るように描写して決して物語の力で甘やかさない。ただ、絶望だけではないという救いもぎりぎりである、という筆者のバランス感覚に恐れ入るし、その塩梅が自分の好みにも合う。

貧困街の生活における人間の愚かさや滑稽さを魅力的に描く短編集。 かなり読みやすい文章でスラスラ読めて心地良い。悲惨な出来事や不条理な出来事が起きるけど重すぎないのもいい。教訓じみたところもなく、感動の押し売りもなく、読者に考える余地もある、その達観したスタンスは街の住人のたんばさん的でかっこいい。 特に貧困層の生活のリアルを切り取るように描写して決して物語の力で甘やかさない。ただ、絶望だけではないという救いもぎりぎりである、という筆者のバランス感覚に恐れ入るし、その塩梅が自分の好みにも合う。