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あやかしの鼓: 夢野久作怪奇幻想傑作選 (角川ホラー文庫 54-1)

感想・レビュー
44

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えふのらん
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あやかしの鼓がすごい。夢野久作というとドグラマグラのチャカポコを思い出すが、この作品にはあの独特な擬音のエッセンスが詰まっている。特に「ポンポンという明るい音とはまるで違った、陰気な、余韻のない……ポ……ポ…ポ……」という一説が印象的で、彼の音に対する感性が表われている。「ポポポ……プポ……ポポポ」という擬音もよい。楽器や音色といった五感に関わる表現が巧みでドグラマグラに通じるものがあった。
えふのらん

他にも死後の恋と瓶詰地獄という王道も収録されている。が、注目すべきは海洋小説ともいうべき支那米の袋と難船小僧と事件や夢を綴った怪夢といなかの、じけんだろう。夢野久作といば虚言や夢幻など捉えがたい作品で有名だが、ジャンル小説を意識した作品もあった。もちろん、展開はセオリー通りではないし捻りが過ぎるのだが。夢野久作の作風の広さを知ることのできる一冊。

03/25 23:40
0255文字
柚子
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ネタバレ11の短編が収録されている。死後の恋や瓶詰地獄などすでに読んだことある作品もあった。印象的なのは、「支那米の袋」、「いなか、の、じけん」、そして表題である「あやかしの鼓」。傑作選と銘打っているだけあって良い作品ばかり。ただし、妻と子が亡くなる「木魂」は盛り上がりに欠ける…。曖昧な終わり方やペダンティックなところにエドガーアランポー作品を想起する。
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不見木 叫
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「死後の恋」、「支那米の袋」、「あやかしの鼓」が私的ベストです。
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ベルディ
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夢野久作処女作の短編という事で1番楽しみにしていましたが、期待を裏切りません。特に100年越しの『あやかしの鼓』演奏描写。愛する人に裏切られた時の憎悪。生きながらにして死んでいた男が鼓に込めた情念。鼓が奏でた音の怨みの響き。小説という媒体ではやむを得ず音を文字に変換する必要があるが、ここまで鼓が奏でる音の呪いに説得力を持たせるのは流石です。著者はデビュー作から怪奇幻想小説家として異彩を放ち、注目されていたことが想像に容易い。 あと初読時は普通だと感じた『白菊』の持つ妖しい魅力に気づき、再評価路線。
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ジャッカル佐崎
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巻頭の2編「死後の恋」「瓶詰地獄」は耽美で猟奇な傑作。個人的には少々読んでいると疲れる文体の夢野久作だが、本書は比較的わかりやすく、かつ面白い作品が集められていると思う。初心者も『ドグラ・マグラ』などに手を出して絶望するよりは、こういう短編集からまず読んでみれば夢野耐性が付くのでは。 「木魂(すだま)」は愛する妻と息子を失い、山奥で呆けたように暮らす男の耳に届くメッセージの謎を描く話。夢野作品の中ではやや知名度が低い印象だが、非常に切なく美しい話で、もうちょっと知られてもよい気がする。
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頭痛い子
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絶版本になっているのが惜しい、非常に優れた短編集だった。夢野久作好きにはたまらない。夢野久作すごいなって思うのが、その構成力だけでなく、冒頭から作品にグイグイ引き込んでくる強さ。それでいて飽きさせない。悪魔祈祷書冒頭に「いらっしゃいまし。お珍しい雨で御座いますナアどうも……こうダシヌケに…」など、話しかけられたまま物語が、一人称視点から進んでいくんだけど、それが現代にはなくて引き込まれる。ほかに瓶詰地獄、支那米の袋、難船小僧とか、めちゃくちゃ面白かった…。ひさしぶりに良い本だなぁと思えた一冊。
頭痛い子

あと。全編通していえるのは、夢野久作は「…」三点リーダーが好きだね。私も好きだから親近感がわく。もっと生きてもらって、その頭のなかにある作品を読みたかった。

03/29 00:32
頭痛い子

あと、この作品集で好きなもの多いけど、一番好きなのは暗いとこからの描写が一転して赤いシャンデリア出てくる「白菊」が一番好き。多重人殺しで網走監獄入っていたゴロツキが、ベッドに寝ている女のコ(本当は人形)を見て、殺さないとこの描写…しびれる。

05/27 19:02
0255文字
ヴェルナーの日記
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作家・夢野久作氏の作品による傑作選集。夢野氏の作品の特徴は、一人の人物が延々と話し言葉で事件の顛末を明かしていく独白体形式によるものと、書簡をそのまま地の文として羅列し作品とする書簡体形式によるものが有り、前者は『悪魔祈祷書』『支那米の袋』などで、後者は『瓶詰の地獄』『少女地獄』『押絵の奇蹟』などがある。本書には、『悪魔祈祷書』『支那米の袋』『瓶詰の地獄』が集録されていて、夢野作品の特徴を満喫できる。夢野氏の物語は、江戸川乱歩のように時代を超え、現在でも十分に通用する魅力をふんだんに持っている。
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格
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「夢野久作」としてのデビュー作でもある表題作の他10篇を収録。いずれも幻想的で、猟奇的で、そこはかとなくエロティック。短編作家としての夢野久作に焦点を当てた編集なので読みやすい作品が集められているように思う。本書で初めて読んだものだと『悪魔祈祷書』は面白い。一見普通の聖書の体裁をとっていながら、その実は悪魔を讃える奇書を巡る物語。『いなか、の、じけん』もとある田舎を舞台にしたショートショートといった趣で、穏当ではないのだけれどもクスリとさせられてしまった。
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熊尾はなつ
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ネタバレ「死後の恋」好き!アナスタシヤ内親王殿下…リヤトニコフちゃん…あとなかなかにグロくてビックリした。私江戸川乱歩がそういう作風かと思ってたけどこの間読んだらそうでもなくて、そしたら夢野久作が…久作お前だったのか…「難船小僧」ひえ〜やっぱ難船小僧祟るんだ…小僧が美少年なのがまたなんか…「木魂」太郎……彼ーーッ!!!あーあ…これ結構ドグラマグラ… 短編読みやすい文で怖くてちょっと惨くて面白かった。解説でペンネームの由来初耳で…へ〜夢野久作って地域の言葉なんだ…。数年前ドグラマグラ挫折したけどまた挑戦したい〜!
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sayzk
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再読。前回読んだ時も今回も、好きなのは「悪魔祈祷書」。前回から全く忘れ去っていたのに今回面白かったのは「いなか、の、じけん」。 結末がスッキリいくとは限らない。悲愴であったり酷くあったり。
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みっぴー
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癖のある一人称に加え、頻繁にカタカナで表記される表現に手こずりました…。半ば意地で読み終えたのですが、ドグラ・マグラの準備運動くらいにはなったのかなぁ。。。一作目の『死後の恋』が一番好きでした。残酷なほど儚く美しい恋物語。ロシアの大地に散る血塗られた宝石の正体とは。。。『支那米の袋』ーー現代でも割りと普通に行われてそうで、ゾッとしました。『瓶詰地獄』ーー解説サイトへ直行!『悪魔祈祷書』ーーじわじわくるやつ。妙に実話っぽくて、「やー、ないない」とは言い切れない。全作、濃度濃すぎです。
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駒子
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既読の「死語の恋」「瓶詰地獄」「支那米の袋」「あやかしの鼓」以外を拾い読み。目当てにこの本を購入したくらい期待値が高かった「いなか、の、じけん」が良かった。田舎独特の無秩序、人の腹黒さ、不気味さにゾクゾクする。「怪夢」は理屈では計れない怪しさが『ドグラ・マグラ』を思い出させる。怪奇と幻想の両方がうまく混ざりあったこの感じ、くせになりそう。
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優希
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独特の味わいがありました。夢と現が不思議に妖しく交錯する世界は華麗です。ちょっと危険な香りがするのもまた魅力ですね。グロテスクさを感じさせつつも、美しさのある雰囲気が癖になりそうでした。
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朋@
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既読の作品もあったのですが、未読の作品も多く見つけられ嬉しい限り。今回収録作の中で最も印象深かったのは「白菊」。脱獄囚が辿り着いた一軒の西洋屋敷の中に広がる素晴らしく耽美で悪魔的な光景に悪酔いし、現実に戻った瞬間吐きそうになる居心地の悪い酩酊感は夢野作品ならではの魅力ですね。既読作品についても「死後の恋」「瓶詰地獄」など、圧倒的で排他的な世界観は何度読んでも全く薄れません。様々なカラーを持つ夢野久作、時間をかけてじっくりと堪能させて頂きました。
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只野もか
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何度目かの読了。独特の味わいを持つ久作の文体、ドグラ・マグラを最初に読んでしまったので本作はすんなりと、むしろ読みやすく感じるし、現代に生きる自分が時代性の香りを楽しむことができるのもまたその文体のためであろうか。耽美と退廃、禁忌のエッセンスがあちらこちらに散りばめられたような、夢野久作の色々な感性、知性に触れることのできる短編集のように思う。未読の短編もまだまだありそうなので探してみたくなる。
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akisa
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独特のカタカナ遣いと当て字的な漢字遣い、奇妙にも思える「アハアハアハ」などの笑い声の表現が、妖しく異質な感じを煽る。『死後の恋』や『支那米の袋』など、壮絶な体験がひとり語りのしゃべり言葉そのままに語られるのにはなかなか参った。表題作『あやかしの鼓』は、恋情が要所にあるのにロマンチックさゼロ。鶴原家の真実が結局わからない。『難船小僧』の船中機器の精緻さなど、設定や舞台、それぞれの詳細な描写から、作者が様々な世界に通じていたことがわかる。結末をどう解釈してよいのか悩むものばかりで、一気に読むと気を病みそう
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悸村成一
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「鬼気」(p.386)ひらめく11編、収録。ちょい危険かも知れない。図書館本。41
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神威 鴉魔
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どれも不思議な話
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Y.Yokota
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表題作が作家としてのデビュー作とのことだが、そのスタイルにブレは無いように思う。「死後の恋」をはじめとした事件性のある作品も良いけれど、夢か現か、幻妖の世界に翻弄されたままラストへ向かう「悪魔祈禱書」「白菊」がとても好きだ。
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豆乳みたらし
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この陰鬱な雰囲気を一度好きになったら癖になる。この人の頭のなかはどうなっていたんだろう。
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kappa
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「死後の恋」が一番好きだった。「ドグラ・マグラ」も読んでみたい。解説に「戦前の探偵作家の中では江戸川乱歩とともに古びない作家」と書かれているが、個人的には夢野久作の方が好きだ。
0255文字
らむだ
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狂気の世界に誘われる短編集。
0255文字
Dyans
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表題作は充分「あやかし」感有るが、その他はそれほどでも無い。これが昭和初期の作品とは思えないほど、設定が大正・昭和初期でありながら「今」を感じる。
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りと
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「死後の恋」「瓶詰地獄」「いなか、の、じけん」がお気に入り。一番怖いのは生きてる人間なのかも。
0255文字
けめこ
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昔読んだんだけどうろ覚えで話が思い出せなかったので『あやかしの鼓』と『木魂』を再読。何とも宿命的で不仕合わせなお話ばかりだなぁ。『死後の恋』が一等好きだな。夢野久作作品は短編が読みやすくておすすめです。
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ゆらゆら
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夢野久作作品はどれも独特の狂った空気があって面白い
0255文字
ふらふらすきっぷ
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瓶詰地獄読了
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-
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「死後の恋」、「瓶詰地獄」等の久々に読む傑作群も楽しめたけど「いなか、の、じけん」の中にある「郵便局」の諸所諸々の事情で今では書けなさそうな外道っぷりが今回は一番印象に残った。
0255文字
warimachi
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文体。
0255文字
fried_bogy
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ドグラマグラしか読んだことがなく、カタカナの多用などが苦手であまり好きではなかったのだが、読み進める程に引き込まれていった。大変面白かった。カタカナも気にならなくなった。他の作品も読んでみよう。
0255文字
もも
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やっと読み終わりました。ずっと読み易い本を読んでいたので、時代の違いもあるでしょうがとても読むのに時間がかかりました。ですが設定そして文章がとても綺麗で美しく夢野作品をこれから読みたいと思います。お気に入りは「死後の恋」「瓶詰地獄」がお気に入りです。
0255文字
R
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全体的になまぬるい気配が漂う感じ。全て狂気。
0255文字
みやこしあん
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難解でほとんど読めませんでした。いつかドグラマグラが読みたいけど、読解力のない私には無理かもしれない。
0255文字
abema
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あやかしの鼓と木魂が読みやすく良かったけど死後の恋とか瓶詰地獄はいまいちピンとこなかった。ドグラマグラはまだ早いか。美しい未亡人に書生に鞭。素敵です。
0255文字
白黒豆黄昏ぞんび
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田舎とは恐ろしいところだ。
0255文字
mekemon
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遺伝のお話
0255文字
もりもりたぬき
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★★★★★★ 死後の恋 瓶詰地獄 支那米の袋 あやかしの鼓 いなか、の、じけん
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あやかしの鼓: 夢野久作怪奇幻想傑作選 (角川ホラー文庫 54-1)評価72感想・レビュー44