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小林秀雄 江藤淳 全対話 (中公文庫 こ 14-2)

感想・レビュー
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a
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歴史、言葉の捉え方が良かった。
0255文字
式
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◯正直何を言ってるのかさっぱり掴めない。というかあまり大したことを語っていないんだと思う。読む価値があるのは「歴史について」だけ。まあ身構えずに軽い世間話程度読むのが適切なのだろう。◯三島事件に対する小林と江藤の対照的な評価は、どうも乃木の殉死への反応と似てるなって感じる。涙した内田魯庵と冷淡な志賀直哉にそっくりの構造である。それで魯庵日記をちょっと紐解いて見ると、随分と小林の言と似ていて驚いた。正直な第一印象を大切にするという宣言とともに、心理的、病理的に英雄偉人を説明することへの疑問が呈せられている。
式

◯美は材質やささやかな体験から見る、制作の順で見るのが自然/茶の湯は消極的な暇つぶしの具ではなかった/言語過剰という現代審美病/土地を慎重に見る荷風の態度/触るように見る◯生活された孤独がない◯ランボーや菊池寛/契沖が黙ったのは天台僧だから/エリオットは詩劇が面白い◯私生活の根が無い報道/人間の学としての社会学、歴史感覚の涵養/歴史は経験や解釈=言葉に現れる/職人の素材としての虚子の文章/日本人としての意識・反省力―古事記、訓読/モースがダーウィン、フェノロサがスペンサーを輸入

08/28 16:13
式

◯江戸の学者の学問への喜び/漢意を執拗に排斥するのは、理屈だけで満足する心の傾向を突破して、学問に還るため/真淵への激越な反論の後も続く師弟関係、低いところから始めよ/肉声=言葉の確信/ベルクソンの常識人の見方はイマージュ論→宣長のカタチ/阿礼や女房の声で聞くという境地◯読者への語りかけという変化◯文字を頼りにし過ぎないこと→ソシュール的/小林の内的集中→マラルメの少しづつ推量する喜び→ソシュールの言語=名辞集の拒否

08/28 16:13
0255文字
go
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江藤淳はそんなに知らなかったけど、この本読んで他も読もうと思った。この本も当然面白かったが、すでにあまり覚えてないのは本当に理解できてはいないという事だろう。歴史とは言葉であると言われてもいまいち実感がない。
0255文字
フリウリ
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小林秀雄はインテリ批判に、江藤淳はイデオロギー批判にあいも変わらず傾くものの、対談を重ねるなかで江藤が小林に次第に迎合?していくようにみえるのは、江藤が小林を尊敬していたからだろうと推測。宣長の話は本の宣伝だし、三島の話も今さら感が強く、批評家は時代とともに生きるという宿命を感じます。スペンサーの哲学が日本の高度経済成長を支えたとか、しばしば眉唾ものの発言をする江藤ですが、スペンサーの影響を受けなかったのは「諭吉だけ」とか突然言い出す学閥根性が、微笑ましいと思いました。5
フリウリ

(メモ)小林秀雄が骨董について述べる「手触り」とか、「土から出来上がりの方向へ見る」とかいうことは、事物への接し方としてよく理解できる(ハイデガーに通じる)。しかし、「それを理解できないのが「インテリ」だ」とつなげられると、途端に発言は下品になる。江藤淳も自ずと、高齢化した小林の品性下落に加担する。ああ二人の男根主義者、などと考えるわたしは下品で、いやになつてしまふのであつた。

02/18 10:41
0255文字
らい
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別々には知っていたが、この二人結構深いつながりがあったんだ、と思って本屋でついつい買ってしまった対談本。小林秀雄は何冊か読んだけど、思えば略歴など細かいことは何も知らず、戦後10余年、筆を折っていた時期があったことにまず驚き。日本とは何か、言葉とは何かについての深い洞察の数々。日本人が日本の文字を使うということの悲願を達成したのが紫式部と聞いて、全くそんな視点を持っていなかったので、古典が一気に線となって繋がってくる感覚を得たのはあまりに大きな収穫だったと思う。江戸後期以降、常に日本人は西洋との折り合いに
らい

悩んできた。音楽も料理も絵画もその他すべてそう。本書でその一つの象徴として三島由紀夫を語るときの、小林秀雄の哀しさ、真剣さが、江藤淳とぶつかった時のあの緊張感は痺れたなあ。

03/06 18:28
0255文字
Seirēn
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最初は遠慮がちに話していた小林秀雄が、回を重ねるごとに慣れて酔いも手伝ってか江藤淳にべらんめぇ調混じりで喋るのは紙面でも凄い迫力だが、江藤も負けてもいない。後年に至ってはアメリカ渡航を終えた江藤が小林にものを教えるような一幕も。江藤淳というひとに興味が出て来た。
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yutaro sata
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『事ハ言ナリ』
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hirayama46
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ひとつひとつの対談の分量がまちまちで、「歴史について」はかなり深いところまで掘り下がっていた感がありましたが、他はわりと軽めに終わってしまったところはあります。とはいえ、言っていることが全部理解できているはずもなく、わからないなりに、というところなのですが……。
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さえもん
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言葉を話すとき、同じ言葉(単語)を話していても、その人の心の状態などによって、共感もすれば対立することもある、という当たり前の事実を再認識することとなった。本居宣長と上田秋成との論争を紐解く小林と江藤の会話で、それが浮き彫りになっている。誰かの文章を読むとき、その人がどういう気持ちでどういう考えで書いているのか、という、対話では無意識的に行っていることが大切なことなんだと改めて思った。
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tkm66
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真面目に読んじゃいけません!一杯飲みながら、くらいが良いかと。
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Tetsuharu Hanazaki
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今から50年も前の対談。 コンピューターを使って、経済予測や未来予測をする企業で働く人について 「元気で勤勉だが、ほとんどだれ一人として、豊かな人間に会ってるという感じがしない。」 「何か薄くアルミ箔を延ばして、人間の形に切ったような感じがするんですね。」 と二人は話しています。 ITやデジタルへの対応が必須となる時代。情緒を失わないためには、スマホの電源を切って、こういう良書を読むことが必要なのかもしれないですね。
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小太郎
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歴史に残る対談というので読んでみたけれど、「美について」「孤独を競う才能」「歴史と文学」「歴史について」「本居宣長をめぐって」の5つの対談が昭和36年から52年に行われています。この中では一番話題になったのは三島事件についての話が入ってる46年の「歴史について」。前年に起きた三島事件についてのかなり突っ込んだ内容は読みごたえがあります。それとやはり本居宣長についての話が一番興味を惹かれました。アナーキーな小林秀雄とある意味近代常識人代表のような江藤淳の絡みはとても素敵でした。
0255文字
カラス
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正直いまいちピンとこない本だったけれど、部分的に印象に残るところはあった。この本を買ったのは、小林秀雄の歴史哲学に興味があったからなんだけど、そういった話は少ししか無く残念。とはいっても、その少しの部分がなかなかおもしろかった。特に印象に残ったのは小林秀雄の応仁の乱に対する解釈だ。あれはただの政治的な事件ではなく、これをきっかけに日本全国の大名は入れ替わり、乞食が日本を統一した、と。そして、「日本は日本的にデモクラシーになった。」と表現している。とても印象に残った。
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猫丸
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現代を批判する小林秀雄の語彙がひどい。「数値に還元するな」とか「効率一辺倒では人間が薄っぺらくなる」とか「懐に入り込まねば人間はわからない」とか。居酒屋の客と同等の低レベルなヨタ話がほとんど。「陶器は生地を見ろ。土が大事なんだ」なんて話を聞かされたら「うるせー」としか言えない。江藤淳は小林から日本批評界の首領の地位を禅譲されることを期待して我慢しているだけじゃないのか、とまで勘ぐりたくなるほどだ。こんな調子じゃあんまりだから、小林秀雄の良いトコロを挙げてみよう。まず、守備範囲をむやみに広げないこと。
猫丸

慣れない領域も勉強して一通り語れるようにしようなんて色気はない。当否はともかく自身の感覚を最重視して価値判断を行うこと。江藤とは違い、本性的に遊興の徒であること。これくらいかな。対する江藤。やはり精神に不安定な部分がある。親族とその歴史が宿命的に自己の未来を規定する、と語る部分(p.69)は、いささか異常の感がある、敗戦直後の細かい事実に首を突っ込んでアレコレ調べる動機も不可解だし、温厚な顔をして実は偏執性を秘めたところに江藤の魅力はありますね。

06/10 01:01
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良さん
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三〇歳の年齢差があると、年功序列の日本では互いに言いにくい状況になるだろうが、そんなことを感じさせない文字通りの人間と人間の対決だと感じた。 【心に残った言葉】「考える」という言葉の意味を、宣長は『玉勝間』の中で説明しているのですが、それによると「考ふ」という言葉「むかふ」という意味なのだ。「む」は「身」です。「かふ」は「交ふ」です。相手と親身にまじわるということが、物を考えるという意味なのです。(151頁)
0255文字
ぼび
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3/5
0255文字
たじゃぬ
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別世界に引き込まれるように読書に没頭した。ふたりエッセンスが凝縮した本。西洋東洋の対比と同じ感覚で、漢文和文の対比を観る。
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ミスター
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終始、なにを言っているのかわからない対談集だった。
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Tai
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賢人の会話を垣間見るのだけれど、難解なテスト問題を読まず先に解答を見てしまったような感覚。問題を理解していないので、哲学、思想の深淵に触れていると思うのだが掴みきれない。課題図書が一杯増えた! 小林秀雄と江藤淳が三島由紀夫について激論を交わし、二人の三島についての寄稿もあり、引き込まれる。話し言葉と書き言葉は違う。本書ソクラテスの引用より「この言葉は、自分自身も、植えてくれた人も助けるだけの力を持っている。空しく枯れて了ふ事なく、その種子からは、又別の言葉が、別の心のうちに生れ、不滅の命を持ちつづける」
0255文字
うえ
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江藤「たとえば「歴史」という言葉などは、今、特別な言葉になっているように思います。マルクス主義がそうしてしまったのでしょうか。社会という言葉についても同様でしょう。ある時代が人間をつくるというのはおかしないい方」小林「昔の人は、歴史家たる根本条件を博覧強記と考えた。先ず歴史を考える方法を得ようとは考えなかった。これは結局正常な道なのです。先ず博覧強記という馬鹿正直な道を行かなければ、歴史という人智にとって実に気味の悪い、どう再構成していいかわからぬ実体が痛感できないでしょう。この苦しみを略したがるのだね」
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在野魂
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2人の大家による対談集。思想的な本は初めてだけど、対談形式なので、部分部分はわからない所はあるが、基本的に読みやすい。自分は無知だから陳腐な表現しかできないけど、現代にも示唆を充分に与えるとても面白い本。対談の際は、すでに子弟関係のように小林を尊敬していた江藤。その彼が昔小林を徹底批判した『小林秀雄』という本があるとの事で、そちらも同時に読んでみたいと思った。
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しゅー
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★★ 二人の高名は知りつつも、著作に触れる機会はなかった。読み始めは、「知識人」と言う自己規定や女性を「女」と言い捨てるメンタリティに、時代の違いばかり感じて違和感を拭えなかった。しかし四番目の対談「歴史について」は、ここだけでも読む価値がある。日本語の成り立ちからして我々は反省的、批評的にならざるを得ないと言うあたりから始まる日本人論は面白い。また、ジャーナリズムと私生活の話や、未来にばかり目を向けて自分が時間の埓外にいると錯覚している人々か多いと言う話は、今の世相にも通じるものがあって、興味深かった。
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shouyi.
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200ページ余りの小品だけど内容は濃い。年齢差はかなりあるけれど、また江藤淳が小林秀雄という人に対して深く尊敬の念をもつことは感じられるけれど同じ立場で論じあう姿にひりひりとした感動をもった。この2人の著作を少しずつ読みたい。
0255文字
JPW@JPN
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Good!!!!
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Tenouji
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ん~、面白かった。というより、小林秀雄氏の印象が違った。なんというか、人間の心の奥底にある傷:暗闇を見ていた人なんだ…言葉が生まれる瞬間や喜びもそこにあり、書き言葉に傾倒しすぎると、そういうことに出会えなくなると。この後、読んだ開高健氏の『ベトナム戦記』と通じるところがあり、良い読書体験になった。言葉と出会う瞬間【ベトナム戦記 /小林秀雄 江藤淳 全対話 - 天王寺書房 https://tenouji.hatenablog.com/entry/2019/12/28/101613
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双海(ふたみ)
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いわゆる三島事件の件りで対談は最高潮に達する。江藤「三島事件は三島さんに早い老いがきた、というようなものなんじゃないですか」 小林「いや、それは違うでしょう」 江藤「じゃあれはなんですか。老年といってあたらなければ一種の病気でしょう」 小林「あなた、病気というけどな、日本の歴史を病気というか」・・・校正で手直しをする前はおそらくもっと言葉が激しかったのではないかと思う。
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神田川昌平
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迫力のある対談でした。「言葉」の重みを教えてもらいました。いずれ「本居宣長」読みたい。
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masanari
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こんな本あったんだとすぐ買って読んだ。この対話は基本的に江藤が聞き役で小林の意見を引き出しているため『人間の建設』ほどわちゃわちゃしてなく読みやすい。そんな中で面白かったのは現代社会に対する不満が爆発した江藤が暴走する箇所と三島事件の見解不一致から起こる唯一の小林と江藤の意見が対立する箇所。三島事件は日本的な出来事であるとして吉田松陰と同等の価値を認める小林と単なる病的なインテリが引き起こした事件だと考える江藤。わずか数ページの議論だが読者に好評だったのだろう、後半に2人の三島事件に対するエッセイが載る。
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小林秀雄 江藤淳 全対話 (中公文庫 こ 14-2)評価69感想・レビュー28