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本格ミステリの構造解析――奇想と叙述と推理の迷宮

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だるま
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純粋に本格ミステリだけを解析した評論書。冒頭が「奇想」の章で、カーから始まり高木彬光に移る。この流れだけで著者を信頼したくなる。構造そのものの解析なので、ネタをバラす必然性があり、犯人もトリックも明らかにしている(事前に注意書きがある)。だから入門書では無く、ミステリをかなり読んでいる人向けの本だろう。あまり評論で取り上げられない芦辺拓、大山誠一郎、深木章子らに多くのページを割いているのが嬉しかった。クイーンの『ローマ帽子の秘密』の分析が見事。私は読み込み不足だったと気づかされた。近年の評論書ではベスト。
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ともりぶ
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本格はそんなに読んでないので拾い読み。確かに読者側も無意識にトリックデータベース作って過去作を検索しながらあれこれ推理しながら読んでるな。
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ハスゴン
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とても分厚く持ち歩きには不便ですが、年末年始が近づくのでたっぷりと本格ミステリを味わうのにはもってこいです。 いつもながら読みやすい文章ですね。
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曲月斎
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エラリー・クイーン研究の第1人者によるミステリの構造解析である。ミステリは作家と読者の“共犯関係”で成立する分野。相手のことを念頭に置いての小説であり、トリックや倒叙形式など、委曲を尽くしての知恵比べである。筆者は「トリックデータベース」という概念を挙げる。これは先行する事例があるとか、そういう知識がない相手には書きにくいとか。確かにミステリという分野は、好悪がそういうところに起因するのは事実。創元推理文庫でエラリー・クイーンを読み漁ったり、EQマガジンってあったなぁ、とか。「翻訳権独占」ってあったなぁ。
曲月斎

個人的には「変格探偵小説入門――奇想の遺産」 (谷口基、岩波現代全書) みたいな結構を期待してたんですけどね……。

11/01 01:32
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パトラッシュ
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序章にある通り本格ミステリとは「奇想と推理を叙述することに徹した小説」だ。他の文学にはない約束事だけに、この三点がうまく融合しなければ高評価は得られない。なのに愛読者ほど密室やアリバイ、偽装や叙述などトリックを偏愛し、そのデータベースを構築してきたため過去の評論では問題の三点を分けて批評するのが一般的だった。著者は古典から近作までの諸作品を多数分析し、優れた本格ミステリの成立には読者が「総合的な構造批評眼」を持つ必要性を提唱する。ポー以来のすぐれた本格物を生み出したのは、読者の厳しい眼差しの成長であると。
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kanamori
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☆☆☆
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