形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:明石書店
当初、ナジ政権はソ連と協力してハンガリー事件の「反革命」を弾圧して情勢を安定させていたので、中国共産党の評価は肯定的であった。しかしハンガリーは再び混乱を招き、共産党員が殺されたという情報が届いたため、中国共産党はソ連に軍事介入を要請する。つまり中国共産党からみれば、ハンガリーでは「反革命弾圧」という「統制の側面」が失われ、共産党政権が危うくなることから、動乱を軍隊で封じ込めなければならないと考えた。「自主路線」を遂行できる強い共産党の不在は、中国共産党がソ連軍の介入を支持した最も重要な原因と考えられる。
210頁。オルバーン政権の基盤は、強力な保守的ナショナリズムである。当初フィデスは、自由民主主義的な青年組織として出発したが、ほどなく当初は地方の保守勢力小農業者党業者等と組み、その後はハンガリーの保守的な層に食い込みながら、国境外ハンガリー人への地位法の導入、二重国籍の承認など、国外からのひんしゅくを買いながらも、国民の圧倒的な支持を得ている。地位法といい、二重国籍といい、さらに、難民反対の国民投票といい、世論をうまく操作し圧倒的支持に結びつける手法はまさに有能なポピュリズム政権であるといえよう。
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