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別荘 (ロス・クラシコス) (ロス・クラシコス 1)

感想・レビュー
99

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スターライト
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チリの作家ホセ・ドノソの代表作。1973年の母国チリのクーデターを契機に約5年の歳月を費やして完成させた大作。物語は、莫大な財産を持つベントゥーラ一族の大人たちが別荘を離れ、ハイキングに出発することから始まる。残された33人の子どもたちは、隠された金を持って領地を囲っている鉄製の柵を抜いていき脱走を図ったりするが、一方でグループの主導権を握ろうと争う。幽閉されたアドリアノ、原住民との関係、食糧不足の中での食人の発生など陰惨を極める。カットバック形式を用い、特権階級の皮肉など政治的色彩漂う巨編。
0255文字
毒モナカジャンボ
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うーん。
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maja
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ベントゥーラ一族の遠い祖先が戦争と虐殺を経て得た地に建つマルランダの別荘。ある夏、ひそかな企みで焚きつけられたハイキングに一族の親たちは大勢の子供たちを残し100人もの召使を従えて出払っていった。数々のエピソードは狂気に満ち溢れ、一族のグロテスクなさまをみせながら時間軸は奇妙にゆがんで語り手の手のなかに落ち込んでく。挟まれる語り手の切りこみ口にあえいで浮上しては再び物語に潜り込む。国の歩みと政情の何かと計り知れぬ含みの手触りがたまらない。
みみみ

おおお、ホセ・ドノソではないですか!やっぱりこれもぶっ飛んだ感じなのでしょうか。

03/28 20:03
maja

そうなんですよ~!なかなかすごい読み応えでどこかに打ちあげられて帰って来れない気分になりますね!

03/29 16:32
0255文字
アプネア
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金箔の製造で巨万の富を得た一族が、辺境の地に広大な別荘を構え、毎夏を過ごす。ある日、大人たちは全員ピクニックに出かけ、別荘には33人の子供たちが、取り残されたのだが・・・。鮮やかな色彩や、美しい造型が、この地での異常さの深みや凄さを結実している。常識が通用しない世界に気づけば、取り込まれていた。これはあらゆる意味で上質な作品です。いろんな寓意や象徴が込められていて、チリの政変がモチーフなんだけど、少数のスペイン人が、インカ帝国を制圧した暴力の歴史が、何度も繰り返されているのだな〜と・・・。
0255文字
しょう
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ネタバレ金箔で財を成し莫大な利益を得ているベントゥーラー一族が夏の間に訪れた別荘でのお話。基本的には大人と子供との物語で別れており、特に十数人にも及ぶベントゥーラー一族の子供達は大人がいないとあって、まるでくびきを逃れるかのように秩序は無視され、所狭しと暴れまわりどんどん混迷を深めていく。別荘の外には危険があるにもかかわらずである。ひやひやしながらも何故か目を離すことの出来ない展開で引き込まれた。
0255文字
sugsyu
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南米の「ゴーメンガースト」!黄金採掘で財を成した植民地貴族の別荘に残された33人の子どもたち、別荘を取り囲むは18,633本の槍と繁殖力旺盛な野草グラミネアの荒地、そして常に人々を脅かす食人族の伝説、地下の洞窟、塔に幽閉された狂気の父…子どもたちの遊戯と陰謀が、植民地の罪業に塗れた歴史と合流してカオスを呼ぶ。野草(それもまた植民地経営の一貫で持ち込まれた外来種なのだ)の綿毛ですべてが覆い尽くされるカタストロフは、圧巻の結末。
0255文字
KATSUOBUSHIMUSHI
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素朴に読んでも子供たちの陰謀が交錯する様子や後半の劇的な展開は非常に面白いし、政治権力の対立や資本主義における搾取、特権階級の無能さなどなど作者の政治に対する考え方もにじみだしているような文章で本当にすごい。 圧倒的な語りの上手さで傑作だということを納得させられました。
0255文字
odrb
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ネタバレ美少女ソシャゲ萌えアニメ ✕ 進撃の巨人 https://hiddenstairs.hatenablog.com/entry/2021/06/06/112535
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刳森伸一
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金箔の採掘で莫大な利益を得るベントゥーラ一族のある夏の別荘での生活を描く長篇小説。ベントゥーラ一族の大人(兄弟姉妹)が7人、その配偶者が7人、そして、その子供たちが33人と、それだけでも多いのに、その他にも多くの人が登場するので大変だが、ベントゥーラ一族の人物表が掲載されているので、それを見ながら読むと、意外なほど分かりやすい。作者が前面に出てくるスタイルは人を選ぶが個人的には嫌いではないし、第1部と第2部の境で時間が捻じれるところも素晴らしい。(続く)
刳森伸一

作者の生国チリの政治状況や歴史を反映した寓話的な物語として読むのがおそらく正道だが、そんな対応を無視しても、権力闘争の物語として十分面白い。

10/26 18:16
0255文字
;
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人がたくさん出てくるのに読みやすいと嬉しくなる
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イコ
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ある国の経済を牛耳るベントゥーラ一族の別荘を中心とした物語、ベントゥーラ一族(大人7配偶者7いとこたち33)の名前性別年齢は書かれているが、登場人物は他にもいるので把握するのが大変、キャラの特徴を書き込みながら読みました。物語は複雑ではないけど、人が多いのもあるが人間関係が複雑。一例だと、親族の子の代理親になって、妻が夫にその子供と関係もたせようとしたりとかね。また作者が時々出てくるのが強気で良い、好ましくない手法で文学を作り上げようとして成功している。主人公格のウェンセスラオ9歳が好きだった。
0255文字
R C
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ネタバレ金箔で利益を得るベントゥーラ一族が夏の3ヶ月を過ごす別荘で繰り広げられる話。親たちがピクニックに出かけた12時間に12ヶ月が経ち、残された33人の子どもたちと関係者によってありとあらゆる謀略、逃亡、地位の逆転が生じる。ブルジョア家庭の横暴や無智、こども、使用人、狂人の台頭が現実の権力を暗示しているようでもあり、作者が登場して解説を加えるなど、自在というかやりたい放題。最後はグラミネア(植物)の綿毛に全てが覆い尽くされていく…。品はよろしくないものの、情報量の多さとまとめ上げ方が頼もしい作品でした。
0255文字
えりか
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極めて狂気的で、申し分なく美しい。
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chocoうさぎ
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ドノソ再び!「夜のみだらな鳥」が面白かったので読んでみた。とにかく登場人物が多過ぎて、誰が誰だか認識する迄が大変。別荘に残される子供達(被支配層)が描かれる第一章、ピクニックに出かけた親達(支配層)が描かれる第ニ章から成る。チリの政治状況を理解していれば、更に面白いだろう。親のいない間に別荘では革命が起こり、一族に搾取支配されていた原住民と合流して蜂起。何処から何処までが別荘のあるグラミネアの荒野で実際に起きているのか、子供達の行う劇なのか、誰かの想像なのか、夢現。グロテスクで美しく、面白い。
0255文字
watershed
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「公爵夫人は五時に出発した」という子供たちのおしばい遊びが繰り返され、次第に混迷が深まっていく。鉄槍を植えた屋敷の柵を抜いていくところや、金箔を塗りたくる子供たちのシーン等、映像的に優れたところが多い。また、大人達が屋敷を離れていたのが一日なのか一年なのか混乱したまま話がどんどん進んで行くところも面白い。
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nightowl
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金を原住民から受け取りまた売り渡す取引によって財を成すベントゥーラ一族。夏の間は別荘で過ごしているが、大人や執事がハイキングに出かけたことにより子供達だけの空間となる。外には人喰い人種がいるからと厳しく躾けられてきたものの、箍が外れた彼らは...狂乱の群像劇。ただし、それ程惨たらしさはなく淡々とした視点で書かれている。作者の手探り感が強い。メタ視点も困った末に出した印象。「夜のみだらな鳥」の前にどんな作風なのか知りたくて手に取ったけれど、登場人物の書き分けの上手さや癖の強さは好みなのでもう何冊か読みたい。
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ざじ
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面白かった!質量があって登場人物も多いので冒頭尻込みするけど、嵌り込んでしまえばあっという間だった。物語や登場人物ともども騙りに翻弄されるのが楽しい。
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tindrum
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またもやチリのクーデターに関するコンテンツを購入してしまった。コスタ・ガブラス監督の「ミッシング」五木寛之原作、山下耕作監督の「戒厳令の夜」ホドロフスキー監督の「リアリティのダンス」イザベル・アジェンデの「精霊たちの夜」とそれに基づくピレ・アウグストの「愛と精霊の家」ガルシア・マルケスの「戒厳令下チリ潜入記」エルビオ・ソトー監督の「サンチャゴに雨が降る」。それはチリの左派政権の成立とそれに対するクーデターによる挫折は、僕らの世代の、また20世紀のエポックとしても重要な
tindrum

「社会主義の夢」の挫折に関するエピソードの一つだけれど、ソ連のスターリニズム下の「収容所列島」中国の文化大革命、カンボジアのポル・ポト虐殺共産主義の「キリング・フィールド」に対して多すぎじゃないだろうか。 確かに作者のホセ・ドノソは、チリの小説家の第一人者ではあるが、前作の「夜のみだらな鳥」と比較しても、写実的すぎやしないだろうか。「夜の・・」はそれこそ「読み砕く」という言葉が適切なほど難解で、泥沼のようにおぼれてしまうことでしか理解しえなかったほど読み応えがあったのだが、これは、寓話としても

11/16 22:45
tindrum

インディアン=大衆、大人=政治家、子供=アジェンデ政権、外国人=アメリカ資本という象徴化があまりにも安易に読み取れてしまう。もちろん一つの物語として、エピソードもキャラクターも充分自立しえているのだが、それにしてもちょこちょこと「登場人物」として出てくる「作者」のいらん注釈が、物語の読み取りの妨げになっている。同じ作家の、明らかに前作より落ちるという作品の質にがっかりした一冊となった。

11/16 22:53
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葛井 基
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膨大な登場人物であるにも関わらず読みやすいことで作者の力量の凄さが分かる。そしてメタフィクション。作者の独り言。この本が初期のゴシック叢書あたりで出てたら私の人生も変わっただろうか。大傑作。ドノソは巨人だ。映像化すら欲する。
0255文字
saeta
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「夜のみだらな鳥」同様、なかなかぶっ飛んだ作品だった。登場人物が多く、追い切れない箇所も多々あったが、全体として読み応えのあるとても完成度の高い作品だったと思う。最後の訳者の方の部分で、ドノソは先だって読んだカルロス・フエンテスとも交流があり仲が良かったとか。両者には近い印象を受けるので、当時は刺激しあってたのかもと想いを馳せます。
0255文字
2n2n
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濃かった。こってり。『親愛なる料理長、(中略)私に言えるのは、我々上層部には、下層部には許されないちょっとした気紛れも許されるということだ。慌てなくていい。いずれファン・ペレスに指示を出して、原住民たちのシェフからレシピなりなんなり入手させることにしよう(中略)ご理解いただきたいのですが、執事様、私の百科事典はほぼ完成し、もはや食人の章を待つばかりとなっておりますので、仰せのような機会が早急訪れるようご配慮いただければ幸いと存じます。編集者に相当せっつかれておりますし(p361)』
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いなお
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傑作
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雲水峡
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描かれていること全てが何かの暗示〜象徴のような気もするし、最後まで謎の遊戯「侯爵夫人は5時に出発した」の枠内で起こっていることのような気もする。間を空けて読んだため最後の方では因果関係がよく分からなくなったりしたが、クーデターの寓話化という読み以前にその尽きることのない血縁地縁骨肉の愛憎夢幻劇のフラグメントに右往左往と持っていかれ、グラミネアの嵐に巻かれ、ずっと微熱を患っていた感覚。全体を俯瞰するため再読したいが長すぎるサーガ。映画にしてほしい。
雲水峡

「夜のみだらな鳥」はどんだけイカれているのか、相当手強そうだなとビビりつつ、読まずにはおられない。

12/14 14:02
0255文字
あらかず
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金で莫大な財を成したベントゥーラ一族の夏の別荘で企てられた子供たち(原住民)の革命。母国チリで起きたピノチェト将軍の指揮する軍事クーデターがアジェンデ政権を崩壊させた一週間後に執筆を開始したということで、ドノソの頭の中は母国の状況で一杯だっただろうが、それをそのまま小説にする訳にもいかない。それをこういう形で小説にするというその想像力がまず素晴らしい。支配し抑圧する親たちと不満を蓄積させ革命という形で爆発させる子供たち。別荘に集まった彼らの家庭の抱える事情が徐々に明らかになる第一部が特に面白かった。
0255文字
₭€₦ ㉿θЇ¢ħɨ฿ᾶr₳
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金で財を成したベントゥーラ一族の屋敷で子供たちが繰り広げる不可解な遊び「侯爵夫人は五時に出発した」、荒野で繁殖しその綿毛で人を窒息に追い込む凶暴な植物グラミネア、別荘の地下に生活する人喰い人種、年代、階級、人種の間に張り巡らされる政治的力関係… 読み応え抜群!
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まさむ♪ね
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ああ、もうすべてが規格外。登場人物、ベントゥーラ一族総勢50名。どいつもこいつもどうかしてるぜ。33人のいとこたちは得体のしれない遊戯「公爵夫人は5時に出発した」に興じ、大人たちは腹に一物ある執事、召使らを伴い喜々としてピクニックに出発する。窒息死を引き起こすほどに大量の綿毛を放出する怪植物が一帯を覆い尽くし、原住民人喰い人種が入り乱れる一家の別荘に取り残される子供たち。空間は血に染まり腐臭にまみれ秩序を失いついには時間をも失ってゆく。プラチナ色に光り輝くグラミネアの綿毛が風に舞い何もかも消し去るように。
AZレメディオス@読メ再開

そろそろ『夜のみだらな鳥』読みたいですよね~(*^▽^*)

01/04 11:32
まさむ♪ね

うんうん、はやくだしてー!水声社さん。

01/04 19:25
3件のコメントを全て見る
0255文字
os
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はえー、すっごい本だよぉ〜
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askmt
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解説によると政治情勢を反映している作品らしく、そういう目で見ると色々と示唆される部分もある。それはそれとして上流旧家の休暇の倦怠感とそれをバネとした著しい逸脱っぷりが興味深い。
0255文字
Э0!P!
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ネタバレ本来はまやかしの人食い族を元に成り立つ秩序の中、人食い族などはいないことを知る主人公が公平な秩序の回復を目論む。一旦は旧来の慣習の転覆に成功するものの、新たな秩序を肇立させようとする派閥間の争いが激化し、次第に主人公は勢いを失っていく。最終的には自身の血こそがまさに人食い的であったことを証明し、グラミネアという有無を許さぬ秩序に身を任せることになる...
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学級ぶんこ
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図書館本。こういう本との出会いがあるから読書はやめられないんだ。登場人物表に何度も戻りつつ読むくらい登場人物が多く、年齢設定おかしくね?ってつっこみたくなる部分もあるけれど、リアリティなんかどうでもよろしい。秩序が崩壊し(その秩序自体がまがい物ではあるのだけれど)、暴力、性、差別がはびこる混沌とした状態の中でもがく人々が登場する劇を長時間強制的に観せられて、観客である私もトランス状態に陥ってしまっているというような感じ。長い長い劇が終わりホッとしつつ、この劇を知らなかった私にはもう戻れないなとぼんやりと。
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ぽち
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明日、じゃなくて今日も仕事だというのに徹夜してようやくこの長編小説を終えることができました。やはり最後の何分の一かは一気読みしなければ・・・という脅迫観念は正しかった。時系列は複雑化し物語の濃度が極限まで濃縮されてそして飽和して消え去っていくような最終局面。遅読の私がこの物語を十全に読み解くことは生涯できないかもしれない。描かれるエピソードの全てを示唆的というか象徴的と思ってしまうような読書はもしかしたら初めてかもしれないけど、ドノソもホサカも「書かれていることをそのまま味わえばいいんだ」と言っているな。
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Huz
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やっと読み終わる。つらかったなぁ、やはりドンパチする小説じゃないとダメになったんだろうか。そもそも、通勤に持ち歩くことが間違いだったんだろうか。
0255文字
Kouro-hou
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物静かでシンプルな装丁とタイトルの中身は、チリの富豪一族50名(内33名が子供)の蝿の王的怪奇幻想群像劇なので恐れ入る。蝿の王は大人の介入で終わりますが、こちらは大人も代々ずっぽり浸かっているのでそのまま進行です。バカンスも別荘も地獄だぜー。個々のエピソードはえげつないけど全体は大変きれいにまとめられており、端々破綻しまくってるようでそれさえ内包しながらまとまっていくという美しい力技を見せていただいた気がしています。南米の政情などの知識があったら、もっと理解が深められたかもしれないとも思いました。
0255文字
su-zu
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登場人物は主だった人だけで約50人。表の筋書きだけでも破たんしないようにするのは至難の業なはずなのに、根底に政治や人間の営みの滑稽さ狡さも写し取っていて、凄いというほかない。ただ、スペイン名を50人頭に入れながら読み進むのはかなり困難を極めた。乗るまで大変!
0255文字
河村祐介
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圧巻の一言。権力の野蛮さに対する痛烈な批判。この一族の大人たちの感じ、日本の政治情況となんとなく似ているというか。
0255文字
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