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「承認」の哲学――他者に認められるとはどういうことか――

感想・レビュー
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踊る猫
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実に刺激的な問題設定で中身を成す議論もわかりやすい。物静かなトーンに著者の誠実さがうかがえる。だが、書かれていることがらを追おうとしてもどこか隔靴掻痒に感じる。ひとえにこれはぼく自身がこの本で中心的に引かれているホネットやアドルノを知らないからというのもあるのだろう。だが、著者の議論がまだまだここから伸びを見せるのではないかという「予感」にとどまっている印象は否めない。心理学的につなげていくのか、社会学や政治哲学に接続していくのか。その意味ではなかなか「惜しい」1冊のようにも。いつか再チャレンジするかな?
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淡野 直人
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ネタバレ○要約:無視/軽視=物象化↔️承認Anerkennung=肯定的価値評価。承認の三類型=愛、人権尊重、業績評価。 ○感想:フランクフルト学派第三世代の1人、アクセル・ホネットの承認論を中心に、人間が社会的存在であるということの意味を巡る思索。ただ、ヘーゲル「法の哲学」の議論から着想を得ていると思われるホネットの「承認の三類型」そのものは興味深いが、著者の考察はとても使いこなせているとは言い難い印象を受けた。
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べべべ
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この先生の授業まじで面白かった。本は授業とセットで、こういう考えの人が、この本書いたのか〜なんて思いながら読むと超面白いんだけど、本単体なら普通に面白い!という感じ
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テツ
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ぼくはあまり他人に興味がないけれど承認欲求に縛られ苦しんでいる方々はその呪縛から逃れるために読むとよいかもしれない。人は大なり小なり違いはあれども他者との関係性の中からしか自分を見出すことはできない。それは確かにそうなのだけれど不特定多数からの承認を得なければ満足できずに不安だというのならそれはもはや精神疾患と呼ぶのだろう。認められたいのなら認めること。リアルな自分とリアルな相手との間に相互に緩やかに承認し合う空気を創ること。きっとそれは恋人でも友人でも家族でも変わらない大切なこと。忘れずにいたいですね。
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はな
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承認には愛・人権尊重・業績評価の3つの型がある。愛は、ある特定の相手に向けられるものである一方で、人権尊重は、普遍的なものである。/差別との闘いにおいては、個別-特殊-普遍という三項関係で、特殊への封じ込めを両極方向に(個別と普遍に)解き放っていくことが近代的原理である。/寛容は、究極のところで他者の存在を認めていない。寛容は一種の妥協の産物である/他者を目的として尊重するとは、「手段化しないこと」と否定的に表現することしか出来ないのでは。/コミニケーションは承認を巡る闘争であり、友情もまた1つの形である
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pino
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「人の役に立ちたい」という気持ちに、「自分が認められるために」という思いが混ざっていないか常に自問している。カントの定言命法「他者の存在を私にとっての手段・道具と見なさない」への倫理的な葛藤なのだろう。一方で本著は、承認欲求を社会的存在である人間が本性的に持つものとはっきり肯定している。承認欲求の根っこは何か。それは自尊感情であろう。自分が行為して善しと思うもの、美しいと感じ、普遍性にも通ずること。それを支えるのが他者の承認なのではないだろうか。いやいや、まだまだ未消化で、奥が深いぞ、承認論。
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sk
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ホネットの議論をベースに、愛・人権尊重・業績評価など社会に対する基本的態度である承認について論じている。良書。
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ゆう。
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ホネット「承認論」の解説本に近いかもしれません。人は他者との関係性にあり、認められたいという欲求を満たされることによって自己を肯定することにつながります。承認論の積極的に学ぶ点はそういう点だと思います。ただ承認は闘争を通じて得られるというところは、その闘争の意味を深く考えなければならないと思いました。そしてその闘争が社会進歩とどういう関係があるのかということも。承認論は魅力的ではありますが、観念論的な面が強いようにも感じます。難しいですね。もっと学ばなければ。
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Yusuke Horimoto
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現代人は人から認められたい欲求に取り憑かれている。そういった話を何処かで聞いた覚えがあります。 承認を求めることは、本来の自分のあるべき姿を抑え込むことに他ならず、良くないことであるという前提があっての言葉だと思うのですが、その前提に対して問題提起を行なっています。 わたし自身、承認を求めることは良くないことでしかないと思っていたのですが、確かにこの本が言っているように承認によって人が成長する一面も無視できず、一概に悪だと決めつけてしまうのは急進的な考えだと気づかされました。感謝です。
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takapi0227
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もう少し現代の所謂「承認欲求」論と対峙してほしかったな。「私の欲望とは、他者の欲望であるとまでは言わずとも、他者の欲望との同一性と差異性の認識を通してこそ自覚されてゆくものではないか。」本書ヨリ
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check mate
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アクセル・ホネットの紹介。社会性又はコミュニケーションが<承認をめぐる闘争>であるとの規定はともかく、その敗者への「過不足ないケア」(207頁)の具体像が結べないのが不満。この闘争の敗者にはどんな<ケア>が与えられ得るというのだろうか。
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夕力
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承認されたい欲求は誰にでもある。幼少期に経験していないとその欲求は強さとして表れる。本書では承認を知る上で引き合いに出される寛容にも触れている。認められたいから認めると言うSNSにありがちな傾向も寛容の間違った考えだろう。寛容は人に向けるのではなく自分に向ける事で、承認欲求に拘ることの無意味さに気づかせてくれるだろう。良い本に巡り合えた。
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