形式:単行本
出版社:WAVE出版
登場人物◆子どもたち◆①ボー :5歳の愛くるしい男の子。母と死別、叔母夫婦が引き取りたがっている。②プロスパー(プロップ) :ボーの兄、12歳。賢い。ボーの守護者。③スキピオ・マッシモ:どろぼうの神さまを名乗る少年。ヴェネチアを彷徨っていたみなしごたちを廃業した映画館に案内し、盗品で生活させている。④ヴェスペ:みなしご、本好きの女の子。⑤モスカ:みなしご、体が大きい、ボート好き。⑥リッチオ:みなしご、以前は盗みをしていた。小柄。
登場人物◆大人たち◆①エスター・ハルトリープ :ボーを養子にしたがっている叔母。お金持ちだが想像力もユーモアもない。②ヴィクトール ・ゲッツ:探偵、ハルトリープ夫人にボーの捜索を依頼される。③バルバロッサ: 古物商、盗品も扱う。守銭奴。④伯爵(レンツォ):どろぼうの神さまに、謎の品物の窃盗を依頼する謎の老人。⑤モロシナ:伯爵の妹。⑥イダ・スパヴェント:写真家の女性、孤児院出身。謎の品物の所有者。⑦ルチア:イダの邸宅の家政婦。⑧ジャコ:ルチアに夫、ボート扱いの達人。
「そもそも子供はお好きですか?」 「いや、あまり。おちつかないし、うるさいし、きたないですからな。…それに、子どもというのは、何が大事かちっともわかっておらん」 「ふむ…。妙なもんですな。そんな役立たずから、やがてあなたのようにりっぱでものわかりのいい人間ができあがるんですから。ちがいますか?」
また、劇中では「子供と大人」の対比が意識されているが、後半は有耶無耶になってしまう。魔力で大人になったスキピオがなんとなく幸せになっていることや、リッチオやモスカとの和解もないままなんとなくハッピーエンドになったことが特にモヤる。その前に大人スキピオの身分証明はどうするんだ?児童書に鋭く突っ込むのも野暮かもしれないが。楽しかったが子供時代の熱狂を思い出すには至らず。自分もヴィクトールが皮肉ったような「りっぱでものわかりのいい人間」になったのかもしれないと思うと、少し寂しさがこみ上げた。
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