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光陰の刃

感想・レビュー
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三田郎
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井上(と菱沼)と團、両方と関係を持つある二人の人物を描くことで、血盟団事件の役者が浮き上がってくる。殺す方と殺される方と。
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champclair´69
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三井合名会社理事長の団琢磨と、団を暗殺したテロ団体血盟団の首魁井上日昭を主人公とした、ふたりの数奇な結び付きを描いた作品。架空の登場人物や挿話をプロットに入れながら、ポイントポイントでは史実に即している点が、NHKの大河ドラマに似ている。テロにまみれた昭和初期が後の国家荒廃を招く15年戦争に繋がっていく。この時点で破滅へ向かう道は阻止できなかったのであろうかと昔から考え、結論を出し得ないでいる。あの安岡正篤が卑小な自己保全型人間として描かれているのも意外である。
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まっきー
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ネタバレ三池炭鉱の礎を築いて、三井財閥の頂点にまで上り詰めた團琢磨と、日蓮宗の僧侶でありながらテロリストになった井上日召の生涯を描いた作品。團と井上の人生を交互に描き、やがて血盟団事件によって、二人の人生が交錯するまでを巧みな構成で描いている。丁寧な筆致で、二人の心理まで精緻に描かれており、團が暗殺されるに至る緊迫感が生々しく伝わってくる。三池炭鉱や三井財閥の発展、そして五・一五事件、二・二六事件へとつながる血盟団事件など、日本近代の経済史、右翼運動史が学べる。重厚で読み応えのある一冊である。
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鬼山とんぼ
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大牟田育ちの作者は土地柄からヤクザ者の世界に通じておりアクション小説の応援団長だった内藤陳とも親交があった。その流れで官僚を辞め作家になった。この本は代表作の「地の底のヤマ」「ヤマの疾風」に続く郷土ネタの作品。山海駒吉のキャラが宙に浮いて興醒めになった面もあるが、地域発展に貢献した好漢、團琢磨の外伝として楽しく読んだ。また今の時代に滅多に伝えられることのない、明治期の荒々しさや昭和初期の正統派右翼の空気感もまずまず描写されている。地の底と同程度に大部であり、執筆には苦労されたと思う。努力賞をあげましょう。
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ぼっくん
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光と陰、己の生き場所を求めた男と己の死に場所を求めた男。幕末から戦前、世界を股にかけたスケールの大きな二人の男の長編小説。『地の底のヤマ』を彷彿とさせる内容と本の厚さ。読み応えありで大満足の面白さでした。やっと読めました。
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きゃり
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ネタバレ團琢磨。なんて魅力的な人だろう。福岡の武家に生まれ、アメリカ留学を経て三池炭鉱へ。数々の試練を乗り越えて経営を成功させ、三井財閥の総帥となった。そして凶弾に倒れた。その生き方が清々しくて気持ちいい。福利厚生を極めた四ツ山社宅はもはや一つの町。あの時代にあそこまで労働者を守り抜いたことに驚愕した。井上日召。流転の果てに青雲の志を抱いた青年たちをテロに走らせたじじいが憎い。陽と陰。くっきりわかれた二人の人生が昭和7年3月5日に交差する。三池の成功をオヤジはきっと喜んでくれただろう。ああ素晴らしかった。
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うーたんパパ
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★★★
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おおきなかぶ
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まさに、渾身の一作といっても良いのではないだろうか。学生時代、日本史を専攻していましたが、団琢磨さんの事は詳しく知らなかった。作者は、富士隈に自身を照らしながら書いたのだろうか?山海権兵衛が素晴らしく格好良かった。
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ちあ
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地の底のヤマに比べたら短いが、読んでて長く感じた。暗殺された団琢磨と暗殺した井上それぞれの生い立ちから、そこに至るまでの背景を描いてたのは面白かった。ただ、文章が淡々として、スピード感が無く感じた。地の底を先に読んだけど、炭鉱の立ち上げの大変さなどは、分かったかな。登場人物が多いので、最後の方でも、これ誰?みたいなことになった。暗殺された側、暗殺した側どちらにも感情移入は、出来なかった
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komaberry
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明治から昭和にかけ日本は戦争により肥え太ってきた。農村部は疲弊し搾取され貧しさはひどくなる一方だった。そんな時代を経て今の日本があることを忘れてはならないと思った。
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ヨカバイ
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「桜田門外ノ変」以降もテロによる恐怖もあり、反対を含めた多種多様な意見が封殺され、国の進路を誤っことになった。今のところ、テロこそないが政府による言論統制は、悪法三法の強行採決により施行され戦前の日本に回帰しつつある。
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たまさか
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血盟団事件を軸に、殺された側の団琢磨と殺した側の井上日召の人生を描いた作品。それぞれの人生が交互に語られるのだけど、時間軸が両者で少しズレていて、それが良い効果を生み出している。『地の底のヤマ』に比べると文章も上手くなっているし、エンタメ作品としてはかなりの出来。ただ団琢磨にせよ、井上日召にせよ、悪い意味で極めて古いタイプの日本人で、その2人について今小説を書くことの意義については考えてしまう。『地の底のヤマ』にはあった、普通の民衆への視点が弱いのも気になる。次の作品はどうなるかな。
たまさか

例によって、「単行本を買っていたのに読む前に文庫版が出てしまったので慌てて読んだ」一冊です。ガザニガの『人間とは何か』の文庫版が出てしまったのが地味にショック...

03/02 09:04
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kei2
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筋の進行が表に出過ぎ、心が入っていかなかった。
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羆嵐
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4.0團琢磨と團を暗殺した井上日召を、炭鉱労働者の山海、新聞記者の富士隈を絡めて書いた。炭鉱の描写と井上のアウトローぶりが◎後半ややダレる。
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KIKU
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minami18th
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三井財閥の團琢磨とテロリスト井上日召の話。日本の新時代のために、團琢磨は産業振興と労働者福祉を求めた。労働組合についての考え方は面白かった。一方の井上日召は腐敗した政治家や財界人を暗殺すつことで次代に繋げようと考えた。しかし暴力で問題は解決できない。法華経を信じた日召ではあるが、他者の生命を奪う方向に進んでしまった。しかし彼がが戦後20年以上も生きていたこと、琢磨暗殺の実行犯の菱沼が名前を変えて県会議長にまでなったとは驚いた。
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takao
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福岡に住んでいながら団琢磨氏のことをなにも知らなかった。それにしても井上日召氏はショッカーの総統か!なにがしたかったか理解できん。革命、革命と言いながら暗殺が手段ではなく目的になってないか⁈ラストの彼の安らかな永眠も納得できん!
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無添
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三井財閥をつくった男・團琢磨、血盟団の指導者・井上日召。
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khapphom
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何となく読み始めたら引き込まれ、読了。読み応えあり。ノンフィクションなのかフィクションなのかわからんが、すごい調べたんだろうね。
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Sarah(サラ)
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ネタバレ 三池炭鉱の創設に携わった團琢磨。そこで働く山海との関係は、深く心を打つ。日召は、私には、全く理解できない人物に映る。信仰と、行動と、どちらも 中途半端に見えてしまう。山海駒吉が出てきてからが、読みやすかった。人物が多く登場して、理解するのは難しい。
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田中峰和
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明治から昭和を駆け抜けた二人の英雄の物語。三等国だった日本を先進国にするため、身を削り非業の死を遂げた團琢磨と戦前の右傾化を一気に早めた血盟団事件の首謀者井上日召が主役。MITで学んだ鉱山学を活かし三池炭鉱に理想の工業都市建設を目指す團の男のロマンに共感するが、もう一人の主役日召は宗教家崩れのテロリストとしか思えない。二人と懇意になる架空の人物富士隈が長い物語を読みやすくしてくれる。北一輝、安岡正篤、大川周明、頭山満など実在の右翼が暗躍する戦前の日本。ネットと右傾化は親和性があるのか現代の右傾化も怖い。
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wakazukuri
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読み応えがあった。三井財閥を作った男・団琢磨の生き様は共感を覚えるが、血盟団の指導者・井上日召の能力は他で生かすことができなかったのか。日本を動かした企業家と、方や日本を揺るがしたテロリスト。他の人物も興味深かった。最後、山海の息子・駒吉が団を殺すのではないかと冷や冷やしたが、寸前で逆恨みである事が判明しホッとするのも一瞬。テロの方を差し止めようと急ぐが間に合わず、結局団琢磨は暗殺される。
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koba
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三井財団の創始者・團琢磨と血盟団総帥・井上日召との人生譜。ともに日本の行く末を憂い生きてきた二人。2・25事件や5・15事件も、維新以降の政治的土壌を背景に起きた。血盟団結成もその延長線上にあった。そうした歴史的暗部を読者に知らしめる一冊として意義ある一冊。
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kurosuke
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三井財閥の中興の祖の1人團琢磨を暗殺する等、井上日召の血盟団事件がテーマ。タイトルの光のように日本の近代化を進める團と陰のように日蓮宗を極める井上日召。2人を知る人間は両者が似たような人物と評する。仮に置かれた状況が違えば、また2人が力を合わせれば、違う日本がありえたのでは考えさせられる本。團琢磨の生い立ち、また凄さを知る上でも中々の本です。600ページ近くありますが一気読みです。
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ちゃかぱん
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・人間の恐怖は「分からない」ことから生じる。だからそこを突かれると、どんな者でもまいってしまう。相手の否定する想いよりも強い心でこちらが抑えにかかれば、たちまち効いてしまう道理なのだ。 ・正しいことでも時と場合、更には相手にもよつて堂々とやっていいことと、悪いことがある。善悪の区別は時と場合に支配されることがきわめて多いのだ。(本文より)
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山田太郎
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近代史がよくわかんないので、多分十分楽しめなかったのではないかと思いますが、最後まで楽しく読んだけど、はじめの面白さが最後まで持たなかった気がする。一人一殺の人がこの人なのかと思った。昔は、国を売るもの皆殺しとかいうポスターをよく見たなと。
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北浦透
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 書店でこの本を見かけた時、熱意を感じて衝動買い。三井財閥をつくり上げた團琢磨(光)。テロリストとして生きる井上日召(陰)。  時代を切り拓くために、團琢磨は、≪鉄≫の力をはじめ、産業の復興や労働者の福祉を求めた。特に、労働組合の考え方の部分は、自分の中でも大いに納得できる考えだ。一方で井上日召は、腐敗した政治家や財界人を標的にすることを選び、次世代に繋げようと考えた。道徳的な価値は論じるまでもないが、一つ言えるのはどちらも時代の流れに必死に抗おうとしたことは言えるだろう。
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Kyouji Karino
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三井財閥をつくった男・團琢磨と、血盟団の指導者・井上日召を中心に、明治から大東亜戦争に向かっていく日本を描いた歴史小説。史実とフィクションを織り交ぜた大河ドラマだね。550ページを超える上製本を通勤で読むのは、『吉里吉里人』以来かな~長かった。
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ゆみねこ
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長かった。。ようやく読了。井上日召という戦前のテロリストと、三井財閥を作った團琢磨。日本を良くするという目的は一緒なのに交わることのなかった二人の人生。やはりテロは駄目、暴力では問題の解決は出来ない。法華経に傾倒した日召であるけれども、教えが悪いのではなく、彼自身の解釈が人を殺すということに向かっていったと思う。こんな人物が戦後20年以上も生きていたことに驚いた。
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TATA
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ネタバレ読み終わって、ふぅーと息をついた。読み応えあります。高校の日本史の授業で習った血盟団事件にまつわる團琢磨と井上日召の交錯した人生について綴った大作。ただ、歴史をなぞるだけではなく、おそらくは創作の人物である山海、富士隈により話に彩りが与えられている点に好感。三池炭坑の排水に悪戦苦闘しているところの描写が特に秀逸でした。この時代が苦手でなければ一度手に取るのをオススメします。
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マムみかん(*ほぼ一言感想*)
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「一人一殺」「一殺多生」で知られる、昭和初期の暗殺テロリズム〈血盟団事件〉。 『満州国演義』(船戸与一)等この時代を扱った作品では必ず描写されているし、史実としては知っていました。 でも、殺す側・井上日召と殺される側・團琢磨…それぞれの人生に光を当て、その先にある運命の交錯点へ読者を導く手法は面白く、スリリングに楽しめました。 どちらも魅力的な人物になっているので、動かすことのできない結末がより一層哀しいですね。 時代が違えば…と、詮無いことを考えちゃいます☆
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etoman
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三池炭坑、三井財閥をつくりあげた団琢磨と、戦前のテロリスト血盟団の井上日召の物語。団琢磨は三池時代は比較的細かく書いているが、その後、三井財閥を作り上げて行く過程は話しの流れとしては必要ないと著者が判断したのか、書ききれなかったのかは分からないが、期待していた所だったのでもう少し読みたかった。どちらかというと井上がテロリストとして組織化していく過程が書き込まれているが、何でテロをやらかければならなかったのか、本人の意思がどこまで本気だったのかが良く分からない。井上は戦後も生き残っていたのは知らんかった。
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一彩
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「真理はひとつだが,現れ方が違う」 現れ方
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すずきさん
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近代日本の礎を築いた団琢磨の生涯を描いた重厚な物語。琢磨と対比して描かれた日召。この2人が力を合わせていたら日本はどう変わっていたのか見たかった。
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はかせ
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大牟田という桃源郷を作り上げようとした團琢磨の生涯と血盟団井上日召の顛末。筆者の故郷だえに風俗は描写が冴える。しかし、團の三池炭鉱開発譚がもっとも筆が乗っているような。明治期の産業界がうかがえて興味深い作。
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oct2
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分厚い長編なのだけど、それほど長く感じられなかった。不満なところはある。井上日召がなぜあんなに簡単に法華経に入ってゆくのか、あんなに簡単に暗殺を企てるのか。団琢磨は本当にあんなに非の打ち所の無い、いい人だったのか。物語を面白くするためには脚色が必要だろうが…う〜んであります。
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のぶ
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幕末から昭和の初期にわたる、時代のある人物の史実に基づいた物語。ある人物は三井財閥を築いた團琢磨と血盟団の旗手井上日召。大牟田の三井三池炭鉱を舞台の中心として近代日本の発展と暗部を描いた作品。三井財閥の名前や石炭産業の歴史はある程度知っていたが、血盟団事件等初めて知る部分も多く、一つのノンフィクションノベルとしても興味深く読める本だった。とても男臭い話だ。登場人物に女性はほとんど出てこない。この著者は「地の底のヤマ」で石炭産業の世界を読んだ際楽しんたが、今回も期待を裏切らなかった。
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雪野
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★4 550頁の大作 読了まで時間かかった。二人の主人公の幼少より成年となるまでは、波乱万丈で一気よみ状態 日召が法華経の悟りを開きながらも、暗殺(テロ)へと動いてしまうあたりの心情がいまいち割りにくい。 二人の年齢差は30、交互に登場するため、タイムミスリードしてしまったあたりは痛かった。
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