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もう一枝あれかし (文春文庫 あ 43-16)

感想・レビュー
7

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KAT
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ネタバレ小舞藩を舞台にした短編5編。男女が織りなす、もの哀しい結末ばかり。 『甚三郎始末記』醜男の正義感。最後に想ったのは初恋の人ではなく… 『女、ふたり』夫婦のすれ違い。信じきれない旦那だけが悪い気が… 『花散らせる風に』若い頃の志半ばで、権力闘争の果てに… 『風を待つ』うん、待たせる男がクズすぎる… 『もう一枝あれかし』そこまで調べがついてるなら、討ち入らなくても良かったような。“何もかも早急に答えを出さずとも、何とかなるのが人の世というものだ”と自ら言っていたのに…
0255文字
pikapikahikaru
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ネタバレ短編集5編。それぞれに胸が塞がれる思いがする。”甚三郎始末記”では容姿の美醜ではない心根が胸に詰まる。兄嫁も良い。”花散らせる風に”吉左エ門、若かりし頃の想いを遂げようとするが、同輩の嫉妬から陥れられる。女の嫉妬より見苦しい。”もう一枝あれかし”では藤江の周りは良い人達ばっかりだったのだが・・・。久しぶりに泣かされた。
0255文字
 ユエ
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ネタバレさくっと読める時代小説を、と思い手に取った。軽い気持ちで読み出した本作は、その実とても重かった。だって登場人物が皆、必ず死んでしまうのだもの。散る者と遺されたもののを語る5編は、そこに男女の愛が絡むから余計に重く、そして辛い。ただ、その愛はドロりと粘つくものではなくて、暖かな手触りを残してくれる類のもの。季節は去りゆくだけだという悲しい悟りのあと、いや違う、巡るのだという希望が一筋。ああ、ここまでたどり着いて良かった。そう思える締め方だった。
0255文字
Zhao
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ネタバレ何気なく借りた作品だったけど、思いの外の秀作。やはりあさのあつこ作品は手堅いな。 一つひとつは短いけど解説にある通り、きちんと「始末記」になっていて読みやすく、でも心に残る作品ばかりである。
0255文字
チビクロ太
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ネタバレ5つの短編からなる時代小説集。小舞藩を舞台にした男と女の始末記がテーマ。表題にもなった「もう一枝あれかし」が良かった。男は散り急ぎたがるが、女は散るのではなく子を産むために命を賭ける。男と女での生き方の違いが切ない。
0255文字
のんちゃん
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ネタバレ帯の、散り急ぐ男たち、遺された妻、という言葉からもわかるように、辛い話の連続で読み進めるのに苦しい思いでした。ですが、話の舞台である小舞藩の四季折々の景色が、話の辛さを中和させ、各短編を美しく潔く終わらせてくれます。各短編のタイトルの挿絵の美しさも印象に残りました。
0255文字
June
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ネタバレ男と女の始末記5編。これだけの強い決意と覚悟は、時代小説でなければ描けないのだろう。「女、ふたり」お互いに好きあって一緒になったのに、聞けなくて誤解したまますれ違い、子を失った深い悲しみをお互いに埋め合うことができず、気付いた時にはもう一緒に過ごす時間は限られていて…。哀しい。「風を待つ」迎えにくるかわからない男をいつまでも待つ女。信じる気持ちが支えになっているのだろう。すれ違う愛が切ない。「もう一枝あれかし」何も言わず散り急ぐ武士の男、のこされる妻の想いを思う。
じいじ

虚しく切なそうな物語のようですが、感想を拝読して早く読んでみたくなりました。

03/28 09:25
June

そうですね。切ないお話ばかりでした。花宴の方が私は好きです。長編の方が読み応えがあるからでしょうか。

03/28 15:01
0255文字
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