形式:コミック
出版社:集英社
形式:Kindle版
終盤に登場するヒロイン・闇子を止めようと動いているらしいキャラクターにしても、精神に異常をきたしているとは言え、明らかに殺人をしていたり、またその事に何らエクスキューズもなされなかったりと、善悪の基準が不確かな為にどちらが正しいのかがはっきりしない為に見ていてモヤモヤさせられる。心の闇を単純に区分する事など出来ない、と言う事は理解出来るし一つの真理だが、それと作中のヒロインの立ち位置まで不確かなものにするのは混同が過ぎる(続)。
中盤から終盤のゲストヒロインがトラウマをもたらした義父を一切視認、認識出来なくなる、と言うくだりはなかなかにユニークだけど、周囲の人々の記憶まで改竄している訳でもないのだから早晩この救いは破綻するのは明白だし、何だか目先のインパクトしか重視していない様にすら思える。下手にドラマの整合性や丁寧な作画を維持するよりも、人の心の闇そのものである筈のトラウマの持つドロドロの情念、不条理と理不尽で醸成された様な形に出来ないモノを徹底して描かねば師匠の「トラウマイスタ」には遠く及ばないと思う(了)。
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