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ちびあんすも
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当時の体制に対する反抗、個人の尊厳が無視される不条理さ。「生ける家具」たちの反乱は、ソ連時代の抑圧された、名前を持つ個人の叫びを思わせる。名も無き「役割」や「道具」ではなく、我々には親から贈られた名前がある。生きる権利がある。人間として。「ヴェルダラの家族」や「吸血鬼」もまた、単なる恐怖を超えた深い闇を秘めている。視点を少しずらすだけで違う恐怖が見えてくる。
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HANA
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幻想と銘打たれているものの、古典的な怪異譚からディストピア、象徴主義、革命礼賛と多岐に渡っていて、様々な切り口から楽しめる。冒頭には吸血鬼もの二編。「ヴルダラクの家族」は古典的「吸血鬼」は一風変わった作品で、立ち位置の違いが面白い。ディストピアを描いた「名前のない街」は方向性は違えど「南十字星共和国」を思い起こさせる出来。「ザラ王女」は楽園の詩情を湛えた雰囲気が素晴らしいし、「生ける家具」はナンセンスで妙な作品。全編に第一次世界大戦前後のロシア独特の雰囲気が横溢した一冊。端正でそれで奇妙に歪んだような。
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名前のない街: ロシア幻想短編集Ⅱ評価100感想・レビュー2