読書メーター KADOKAWA Group

山椒魚が飛んだ日 (現代歌人シリーズ13)

感想・レビュー
7

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
九杯目
新着
ネタバレ漢詩のような趣もあり、またタイポグラフィのような趣もあって、見ていてとても楽しい。インクが滲んで掠れたような文字列のところは、読んでいて胸がぎゅっと苦しくなった。兵庫の人で、今は沖縄に住んでいる…とのこと。兵庫もおしゃれでいいところだし、沖縄のぽかぽか気候が居心地が良かったのだろうなあ。しみじみ、良い本だ。
0255文字
ヴェネツィア
新着
光森裕樹は、これまでに角川短歌賞、現代歌人協会賞を受賞している。タイトルからはエキセントリックな歌を想像するが、実際は実生活に根ざした実感を深みから詠う歌人。妻の分娩時に立ち会った時の連作詠「陣痛の斧に打たるる其の者の夫なら強くおさへつけよ、と」。そして、おそらくは未熟児として生まれた我が子に寄り添う一連の歌群「保育器はしろく灯りて双の手の差し入れ口を窓越しに見つ」。同一主題の変奏、あるいは連想から生まれる類歌群など、強い執着を見せる歌人である。想いの強さが歌の強さに反映されているのだろうか。
0255文字
桃カステラ
新着
指一本ゆびいつぽんとてのひらをひろげてやれば ふふ、何もなし(p.108)0歳のわが子を詠んだ歌。【2016/12/21発行・書肆侃侃房】
0255文字
toron*
新着
『桜前線開架前線』を読んでから気になった歌人だったので…でも第三歌集ということか、けっこう印象が違った…桜前線に載ってた歌はわりと個人の感情が見えにくい、クールな視点や理系な要素が多かった気がする。今回は育児詠、吟詠みたいなものが目立つ。これはこれでいいなと思ったけれど、第一歌集を手に入れて読んでみたい。 「ちひさきもおほきもおなじかたちして濡れおり航空機の幼態成熟(ネオテニー)」 「其のひとの疾き心音はなつかしく雨ふりどきのなはとびの音」 「雨よりもさきに教へるあまがさのあなたが生まれてから苦しいよ」
0255文字
みやや
新着
2016.12.21刊。光森さんの第三歌集。私と生まれが一年違いの同世代。33歳~37歳の作品を収録。本書の途中で石垣島に移住し、子どもが生まれています。個人的には旧仮名に拘る感覚がわからない。「みづからが飛べざる高さを空と呼び夕陽のさきへ鳥もゆくのか」、「成分は木星にちかいときみが云ふ気球を丘の風に見てゐつ」、「南風の湿度に本は波打ちぬ文字は芽吹くか繁りて咲くか」、「指一本ゆびいつぽんとてのひらをひろげてやれば ふふ、何もなし」。
0255文字
MILK
新着
朝日新聞の書評がきっかけで「鈴を産むひばり」を読み、こちらの作品も読みました。日頃詩や短歌や俳句は全く嗜まないのですが、この方の作品は何だかしっくりくるのです…赤ん坊の握った手の指を一本ずつ開いていって、ふふ何もない。という句とか、とても好きです。
0255文字
yumicomachi
新着
随所に企みもあるがあざとさはない。父親として子の誕生を待ち名前を考えたりする「其のひとを」という一連が特に心に残った。
0255文字
全7件中 1-7 件を表示

この本を登録した読書家

loading...
山椒魚が飛んだ日 (現代歌人シリーズ13)評価58感想・レビュー7