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プロテスタンティズム - 宗教改革から現代政治まで (中公新書 2423)

感想・レビュー
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Tomoichi
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教養としてのキリスト教理解のために購入。副題通り宗教改革から現代政治までコンパクトにまとまっている。ヨーロッパにあるキリスト教系政党は日本人には馴染みがないのでちょっと意味不明なのだが、本書後半を読むと少し理解できる。政教分離が当たり前のように感じている日本人は多いが、それは日本やフランスなど一部の国だけなのかもしれない。
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日の光と暁の藍
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素晴らしい内容だった。プロテスタンティズムを知ろうと思えばキリスト教の歴史から学ばなければ理解も説明も出来ないが、その説明が本当に秀逸だった。マルティン・ルターの贖宥状批判から始まった宗教改革。それが、現代にまでどのような歴史を経て変化、分派してきたのかが理解出来る。プロテスタンティズムと簡単には一括りに出来ないものの特徴を見事に表現していたり、現代の政治思想にまで連なるような保守主義、リベラリズムとの関連を示唆している。現代国際社会やアメリカという国を理解するためにもこの一冊は読む価値があると思われる。
0255文字
メイジトップ
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キリスト教の一派としての概略とその流れがわかる。また、当時の社会的制度の疲労への反動や、神聖ローマ帝国とバチカンの対立などを巻き込んで起こったとしている。ルターの当初の思惑を超えて、宗教的なものだけでなく、政治的な思いが仮託されたシロモノだったのだと分かった。重複している部分が目立ち、一部目が滑ったので、新書という枠組みだが、もっと込み入って詳細な記述の方がよかった。
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電波時計
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2017年3月発行。単なるキリスト教の一派という枠組みを飛び出して、文化や学問、政治や経済にも多大な影響を及ぼしているプロテスタンティズム。この広大なプロテスタンティズムについての、素晴らしい解説書。特に、ルターの改革以後、プロテスタンティズムが2つの潮流(保守主義としてのプロテスタンティズム、リベラリズムとしてのプロテスタンティズム)に分かれていくが、この解説は本当にわかりやすい。アメリカを理解するためにも、プロテスタンティズムの歴史と精神を知る必要がある。
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pintarou
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プロテスタントと言っても一括りにできない。この広がり、多様さはルターにも想像できなかっただろう。「自己批判と自己相対化の原理」との表現がしっくりきた。
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オーネ
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すごく面白かった。ヨーロッパのプロテスタントとアメリカのプロテスタントは、何か違うと思ってたけど、カトリックに近いプロテスタントと新しいプロテスタントがあったってことかー。
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よしゆー
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ネタバレ古プロテスタント@ドイツ北部、スカンジナビア。新プロテスタンティズム@ドイツ北部の少数、アメリカ。アメリカでも新プロテスタンティズムの間で序列化、アングリカンが保守化、クエーカー、洗礼派は迫害受けた。プロテスタンティズムは自主的な信仰行為により成り立ち、様々な分派をうむ。新しい分派と古い分派が互いに頼あいながらも総体として合い争い互いに個を尊重する基底的な基盤は尊重する。このため、アメリカにとって中央集権的な組織、国家は敵対対象となる。アメリカの大統領の演説に出現する神は国家について説明不足。
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シマ
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カトリシズムは教皇という人格、プロテスタンティズムは聖書というテキストを中心とする。人格は象徴となり統一性、テキストは解釈での多様性を特徴としてあり、各々の特徴につながっている。プロテスタントの一派であるピューリタンがかなえられない信仰の実践を求めて、イギリスを離れアメリカへ渡り、建国の勢力の一つとなった。母国で敵意を持たれていた彼らは、国家に対して抵抗権があると考え、自衛の武器を手放さなかったし、国家の一員であるより、より小さな帰属意識のはっきりした中間団体の一員であるという自覚を強く持つようになった。
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Ex libris 毒餃子
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2300冊目。ドイツにおけるルター派プロテスタンティズムの興隆がわかった。日本におけるプロテスタンティズムはアメリカ経由であることはよく考えればそのとおりだが、再認識できてよかった。
Ex libris 毒餃子

内容がよかっただけになんで捏造問題を起こしたのかが全く不明である。

10/22 09:50
0255文字
oDaDa
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いわくつきの著者だが、正直「かなり」面白く読めてしまった。
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馬咲
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ルターの本来の目的(カトリック内における純粋な信仰のリフォーム)を離れて、時の政治経済体制を巻き込んだ社会改革運動にまで拡大発展したプロテスタンティズムの変遷について簡潔な見通しを与えてくれる一冊。原理的に自己分裂と自己相対化を避けられないその理念は、アメリカにおいて「現世での各々の努力に基づく成功体験こそが真理であり神の恩恵の証である」とする思想となって小さな政府・自己責任・自由競争社会志向などのバックボーンになってきたが、今日では細分化しすぎてひび割れのような疲労骨折を起こしているようにも思える。
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てり
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とても読みやすく好印象。”古プロテスタンティズム”と”新プロテスタンティズム”の違い。その保守性とリベラル性など。ずっとアメリカの歴史本を読んできて、長老派や会衆派などアメリカでよく見る宗派とルター派との関連がいまいち掴めていなかったが、この本で明確に説明されていて納得。それだけで満足。
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アッティカ
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プロテスタントの歴史を分かりやすく整理されている。現代社会に繋がるプロテスタントの傾向や存在意義に、なる程と膝を打つことも何度か。現代を知る素養として、大変に価値がある一冊だと思たいます。
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にゃんにゃんこ
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面白さ70 非常に読みやすく、納得できる内容だった。
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SFTT
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今まであいまいにしかイメージできていなかったプロテスタントがよく理解できたように思う。これまで本書で言うところの「リベラリズムとしてのプロテスタンティズム」をプロテスタントとして捉えていたが、ルター派による「保守主義としてのプロテスタンティズム」との違いや、その「保守プロテスタント」がドイツの形成に大きく寄与していることなど非常に勉強になった。
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とらちゃん
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「教会のリフォーム」を志向し、聖書の解釈を最重要視するルターの勇気ある問い。聖書の解釈を重視する故にその解釈で分裂するルターの改革以後のプロテスタント。その後の歴史的影響力の総称ともいうべきプロテスタンティズムが、平和共存への可能性を希求しながら、国家や政治と結びつく保守主義としてのものと、そこに依存しないリベラリズムとしてのものの二つの潮流に分かれていくとの指摘は、蒙を啓かれた。前者としてドイツ、後者としてアメリカの例が示されているが、社会の構造設計にまで影響が及んでいるのが見て取れるのが大変興味深い。
trazom

私も、この本に感銘を受けて激賞した一人ですが、その後、深井先生の著作・論文捏造事件が発覚し、大学を懲戒解雇になり、本書への「読売・吉野作造賞」の授賞が取り消されるという衝撃的なニュースにつながりました。読売新聞の検証では、「本書における捏造、盗用などの不正行為は認められませんでした」ということなので、この本の価値が減ずることはないと思いますが、学会の権威であり、また、牧師でもある深井先生の事件は、未だに心に引っ掛かり続けています。

05/09 15:38
とらちゃん

trazom様、ご教示くださりありがとうございます。深井先生の一件は全く存じあげませんでした。折角の碩学が、真理の探究を逸脱して名誉欲がらみ等で安易な隘路に踏み込んでしまわれた等ということは信じたくはなく、何とも切ない限りです。本書自体は私自身のこれまでの理解、すなわちルター以降宗教改革が始まりキリスト教がカトリックとプロテスタントに二分したという短絡的な認識を改めることもでき、大変参考になりました。ありがとうございました。

05/09 21:18
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owlsoul
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ルターの贖宥状批判から始まった宗教改革は、腐敗したカトリックをリフォームすることが目的だった。しかし、権威を手放したくないカトリックはルター派を受け入れず、教会は分裂し始める。やがて、帝国議会は領邦内の信仰を領主に委ねることとし、ルター派は新たな宗派となった。領邦と結びついたドイツなどの古プロテスタントは国家やナショナリズムと親和性が高く、それを批判した新プロテスタントは宗教の民営化を前提とする。教皇ではなく聖書に権威を見出した彼らは、その「言葉の解釈」により分裂を繰り返し、無数の宗派を生み出していった。
0255文字
Ryotaro  Tsunekawa
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ネタバレプロテスタントとカトリック、というそのラベリング自体にもあんまり意味はないのかもしれない。キリスト教とはなんと多彩なのかと驚いた。けれど歴史を紐解かれると、なるほどと納得できる。すべて理由があるのだな。終章のタイトルにある「未完のプロジェクト」「ルターの長い旅」という言葉がプロテスタンティズムを表し、結びにあるトレルチの言葉「神的な生は私たちの現世での経験においては一ではなく多なのです。そしてこの多の中に存在する一を思うことこそが愛の本質なのです」という言葉がその成果なのだと思った。
0255文字
Jackie
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タイトルからは想像もできないくらい読みやすく、スラスラ内容が頭に入ってきた。新旧のプロテスタンティズムの違いについても公立と私立の小学校で例えられているあたりもイメージしやすかった。特にドイツの行動を理解するのに役立ちそう。
0255文字
人生魔王
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キリスト教はカトリックとプロテスタントに分かれる、程度の認識しかなかったので、視野を広げてくれた1冊。宗教改革と言いながらルター本人はオーバーホールではなくリフォームを企図。本人は終生カトリック。バチカン-教皇が独占していたキリスト教に対し、聖書原点を訴求し、政治的背景(反バチカン)、技術革新(印刷)の中、広まった。聖書原点は諸刃の剣、解釈保証(権威)が無く分派。改革派が保守化し革新を弾圧、というのはいつものパターン。ビスマルク、ワイマール体制、ヒットラー、現代、と右往左往した歴史は人間の弱さゆえか?
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あまね
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ネタバレ3L プロテスタンティズムの意義を現代まで考察する新書の良書。強行的にではなくローマの多神教と融合する形でキリスト教は広まった。特に中世では死は現代よりも切実な問題で宗教の果たす役割は非常に大きかった。制度疲労を起したカトリックに対しルターが現れ印刷革命とともに民衆に広がった。プロテスタンティズムを古新に分け相互作用を考察。教会の公立、私立学校の例えグッド。ナチスへのすりより。アメリカの投票日が火曜日の理由。ヴェーバー。社会的成功により教会を変える。下野した元武士による日本のプロテスタンティズムの発展。
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小波
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プロテスタンティズムというものがなんであるか、歴史からわかりやすく解説されており非常に読み応えがあった。改革者としてのプロテスタンティズムとナショナリズムと結合してが故の悲惨な歴史と…そのうえで多様性を重んじる精神と。とても考えさせられた。日本国内でプロテスタント信者は1%以下であり限りなくマイノリティであるのだが、この本を読んで勇気を与えられた気がする。そして多様性を包含するプロテスタンティズムの精神を心に刻みたいと感じた。
0255文字
50uthpar9
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著者の騒動があったことを承知の上での感想。 昔から人というのは変わらないんだなーって思った。他人の思想を自分なりに解釈して自分の理論の権威にしたり、親の仇みたいに攻撃したり。宗教から政治へ、Twitterが流行った今は個人の考えにもその争いは波及してる。 こういう人類の思想って点じゃなくて線で見ると面白いね。平和や民主主義とかも、結局前世代の戦争や独裁がないと存在し得ない。カトリックとプロテスタントのように。
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つわぶき
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プロテスタンティズムの歩んだ歴史の概略をドラマチックに描いており、ワクワクしながら読めた。その中で、宗教改革という一連の出来事が単なる宗教的問題に止まらず、政治的問題と絡み合いながら歴史の歯車を動かした経緯は、特に印象深かった。
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しろうさぎ
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例の「研究における不正行為」が大事になる直前に、kindleセールで買ってしまっていた。このまま永久に積読しておくより…と、宗教改革関連書の続きで読んでみた。広範な見識を得る上では、前に読んだ「宗教改革とその時代」の方が目が行き届いているが「ルター派の変遷及びドイツと合衆国における影響」に絞り込んだ記述は、ドラマティックで説得力があり、今読んでも面白い。ベストセラーであったのも肯ける。自分の見解を研究ではなく、オリキャラも加えて表現した「小説」として発表すれば良かったのにと思う。
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Hiroshi
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プロテスタンティズムとは、宗教改革という一連の出来事によって始まった潮流が生み出したその後のあらゆる歴史的影響力の総称をいう。それを見ていく本。地中海世界で生まれたキリスト教は、多神教の神達が果たしていた役割等を聖人・天使に呼び代えることで吸収し、ヨーロッパに移って行った。ギリシア正教と分裂したカトリックは、キリストから天国への鍵を託された使徒ペテロの後継者としてローマ教皇が唯一天国への道を教えられるのだと説き、この世を支配した。人々が洗礼・懺悔により赦されることに喜んでいると、更に贖宥状が売り出された。
Hiroshi

それに異を唱えたのがルターだ。神は悔い改めたから赦すのではないか。1517年の95ヶ条の提題から始まる。ドイツは諸侯の連合体で、選帝侯による選挙で選ばれた者はローマ王となる神聖ローマ帝国である。実際には教皇に搾取されていた。それを面白く思わない諸侯はルターを助け神学論が政治問題化した。ルターは教皇の主張を修正することを望んだが、ルターは破門され、カトリックから抗議する者プロテスタントと呼ばれた。福音主義が正しい呼び方だ。アウスブルグ信仰告白をし、アウスブルグ宗教平和で領主が宗教の決定権を持つことになった。

10/02 18:29
Hiroshi

カトリック・プロテスタントのルター派及びカルヴァン派は領主の宗教決定権に従う。それ故ルター派・カルヴァン派は古プロテスタンティズムと呼ばれる。それに対しルターが唱えた「聖書のみ」「全信徒の祭司性」「信仰のみ」から聖書を自由に解釈し、ルターらの改革に対し「改革の改革」を求める者が出てきた。個人の信教の自由を主張する洗礼派パブテストらだ。これらを新プロテスタンティズムという。古はドイツに多く、王制に馴染み保守的だ。新は主にピューリタンらだ。新大陸で国家に依存しない教会を作った。自由競争を重視する社会となった。

10/02 18:29
0255文字
かずい
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キリスト教が欧州に渡り西洋型宗教として普及し、後その分派として世界に波及していくことを解説している。特に欧州では教会が権威と権力を持ち宗教が国家体制や思想、国民の生活に大きく影響している。それがプロテスタントに分派しパブテストとして大陸から、英国アメリカに渡り変容していく様はおもしろい。保守とリベラルの思想の中枢を形成してアメリカはリベラルの国だという印象を持つ。この著者は他書でねつ造と盗用が指摘されて立場を失ったそうだ。おもしろい本だったが残念だ。
0255文字
アルビーノン
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当時の人々にとって重大な死の問題について、教会が天国への通路を支配することにより、キリスト教的ヨーロッパが完成。民衆は、儀式も聖書もラテン語だったため内容は分からず、ただ正しいと言われることを受け入れるのが信仰であり、そこで出てきたのが贖宥状。他方、神聖ローマ帝国は、王がローマ教皇によって戴冠されることからも分かるように、ローマ教皇の権威に依存。それゆえバチカンに搾取されるので、反感を抱いていた。そうした状況のなかで、贖宥状についてのルターの問題提起がなされた。
アルビーノン

古プロテスタンティズムは、ルターやカルヴァンらのそれであり、アウクスブルクの宗教和議で法的地位を認められることで、政治勢力と結び付くことに。個人に「信じる自由」はなく、教会への所属は強制であって、1つの政治支配領域に1つの宗教、宗教を決めるのは領主という点では、カトリックと同じ。それは、ルターの「改革」があくまで「Reformation」であることからも分かる。ゆえに保守化し、国家と一体となって、領主と協力して領内の宗教を統一し、秩序や道徳を提供するシステムとしての教会に。

05/26 19:25
アルビーノン

他方、新プロテスタンティズムは、ルターらの改革の不徹底を批判し、個々人の主体的に信じる自由を要求。教会を、自覚的な信者による自発的結社として理解するとともに、幼児期の洗礼は、そこに意志がなく、強制によるものだから無効だとする。バプテスト、洗礼主義。国家との関係を回避し、教会は中間団体に。この新プロテスタンティズムの人々が、人権やデモクラシーの担い手となり、近代世界の成立に寄与。

05/26 19:26
3件のコメントを全て見る
0255文字
kapo54
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プロ倫のお供に読むために購入。洗礼派については知らないことが多くて勉強になった。
kapo54

研究不正をした人の本だったのか!気付かずに読んでしまっていた。

09/04 22:06
0255文字
火曜日
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「犯してない罪」を「未然に」告解できるカソリックの教義に触れた箇所が印象的。(神がもしいるなら)神は始まりであり終わりなのだから、全てがあり得るのだから、物事の実在も虚構も人の基準でしかないだろう。神がもしいるなら、引用を捏造したという本から引用を捏造して何かを作るかもしれない。著者は学者人生をかけて、神(みたいなもん)と対峙してるのかもしれない。 それはともかく、「隣人を愛するとは隣人を食べないことである」とか「天国行きの通路にバイパスがあれば、教会の権威は相対化される」とか言葉遣いが平易で格調高い。
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色々甚平
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プロテスタント史をざっくり読むことができる。海外の本や映画を楽しむためにも読んだ方が知っておくと良い。宗教自体が人の生活や道徳、規律などに根付いているのがよくわかる。それに加えて概ね何かを提唱した人したと、それに影響された人の考えは違うものになっていくのがはっきりわかる。今回ではルター≠ルター派。カルヴァン主義など細かく知りたいならもっと他の本読まないといけないが、知らないことも多いので、ひとまずこれを読んでおくのも手。
0255文字
ジュン
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深井先生が研究不正で職を辞したニュースが駆け巡っている。https://r.nikkei.com/article/DGXMZO44642110Q9A510C1CR8000?s=3 彼の著作や訳書、授業にはずいぶん親しみ、無批判に楽しんでいたからショックだ。見る人が見れば注や先行研究がなってないということは瞭然なのだろう。読書とは「わかるわかるよー」と共感するのではなく、問いを立てることなのだという教訓が苦い一冊となってしまった。
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spanasu
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素晴らしい本だった。キリスト教がヨーロッパ化したことで生まれた贖罪の考えに挑戦したルターの活動は、中世以来の体制の限界により、彼の意図に反し政治化する。宗教和議後、体制側の宗教となったルター派やカルヴァン派に対し、民間の宗教を求め洗礼主義などが登場する。前者は保守主義として、ドイツ統一やヒトラーに助力した一方で、他者との共存を図るという伝統も有する。後者は、リベラリズムとして宗教の国家からの解放を求め、アメリカにおいて、自由に宗派を選ぶ社会を作り、現代アメリカ特有の価値観を生み出した。
spanasu

著者は論文の捏造等をしていたことが発覚。かなり面白い新書だっただけに残念。

05/10 22:41
0255文字
ATS
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★★☆プロテスタンティズムの歴史について大まかに概要を知ることができた。宗教の教義的な問題というより人間の欲望が生み出した闘争なんだなという感じ(ルターはもともと教義的なことについて話し合いたかったみたいだけど)。ルターが95ヶ条の提題をだして、それが瞬く間に広がったのに対してこんなことは予想してなかったみたいなことを書いているのが、昨今の炎上騒動に対する返しみたいで興味深かった。後半は急に難しくなった印象、あまり読み進められなかった。
0255文字
くらぴい
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プロテスタントは、国家の庇護による伝統派と、NPO的な改革派とに大別され、現在もドイツやアメリカを中心に活動されてます。宗教改革は、リフォームのようであり、ルターの活動が認められるのには時間がかかりました。
0255文字
结城りん
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「ピューリタン」や「長老派」、「バプテスト派」などといった受験生時代には特に気にも止めなかった大きなプロテスタントの中の枠組み、そして彼らの生き方が現在に与え続けている影響についてようやく整理がついた。
0255文字
ミカド
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天国に行けるか、地獄に行くか、それを決めることができるのはキリスト教の権威であるローマ教皇である。ローマ教会が売り出した贖宥状に金を出して買い、天国行きの切符を手に入れる。そのような悪習に異論を唱えたルター。原点に立ち返り聖書のみが唯一の権威であり、誰もが聖書を読み、解釈、信仰できるとしたのだ。本書は中盤以降ルターに始まるプロテスタントにも様々な勢力が出て、古プロテスタンティズム、新プロテスタンティズムをそれぞれ保守主義、リベラルとみなし説明を加えている。現代政治を理解するための重要な見方であり興味深い。
0255文字
海座曽瀬
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かつて資本主義打倒を唱えゲバ棒を振り回していた青年達は、何だかんだ大企業に入って「あのとき自分は若かった」と回顧する、なんて話を聞いたことがある。はじめ改革派であっても、安定した地位を得ると、保守化してかつて批判していた者達と同じ様になるのだ。これは人間の常なのだろう。プロテスタンティズムの歴史とはまさにそういうものであった。改革派は保守化し、それに対して次の改革が生まれ、またそれが保守化する。そうした中で生まれたのがドイツやアメリカだった。プロテスタンティズムは現代世界の裏に息づいている思想だと思った。
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qwer0987
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プロテスタントの歴史と、その影響を概説しており、勉強になった。バチカンの影響力から逃れたい神聖ローマ帝国の思惑や、制度疲労を起こした諸問題への不満から宗教的な問いかけが政治化されていく流れは面白い。また新プロテスタンティズムによる、宗教市場の自由化の姿勢が社会システムの改革にもつながるというのは興味深かった。その他プロイセンによって宗教改革が政治的に再発見された点や、国の保護を批判して生まれた新プロテスタンティズムの国アメリカで神の名を借りたナショナリズムが生まれる、など知らない話ばかりで楽しかった
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プロテスタンティズム - 宗教改革から現代政治まで (中公新書 2423)評価76感想・レビュー154