説明・理論の設計
一層目.説明や問いの入り口。三極(比較/機序・構造/機能・目的)に加え、歴史と分類、書籍には反映されづらいが、予測と方法論・設計も。
二層目.表現方法。〈文章、図、写真、表、二分表、グラフ、数式、シミュレーション〉〈比喩、ストーリー〉〈典型例、具体例、反例、極例〉〈ケーススタディ〉などの技法。
三層目.既知・未知・例外・複雑性にどう向き合うかやモデルの形式などの、運用や構成の層。〈単一モデル、複数モデル、階層モデル、条件切替〉〈自説や定説の切り取り型、基本モデル+展開。基本モデル+α、基本モデル+微調整、役割分担型、相矛盾するモデルの併記〉など。例外との向き合い方、思考の方向性、全体の構成に大きく関わる。
四層目.考慮事項や、説明の設計条件。説明時間、受け手、目的、省略、忠実性、印象など。
設計環境.学問、分野、専門家個人、出版社、レーベル毎の、志向や慣習とそれの影響、その傾向。
観察や仮説として…
1.説明の入り口として〈解剖学は比較、生理学は機序・構造、認知論は機能・目的が多い〉〈ストーリー仕立ての説明で、歴史は、意識されやすい〉〈分類自体が良い問いと感じるかはかなり分かれる〉。方法論・設計や予測は一部分野の研究では出てくるが、一般書では直接は反映されづらい。
2.〈数式を極端に避ける新書レーベルがある。図は文章の補完などに。経済学の一般書はグラフ多い。生態学はシミュレーション多い?具体と抽象の行き来が「良い説明」と言われること〉〈同じ系統樹という図示でも、古いものは形態(比較)を、新しいものは分子生物学や時系列(機序・構造)を重視しているととれる〉
3.ベストセラーの健康系の本は自説や定説の切り取り型。基本モデルと展開は、例えばニーチェの悲劇の誕生。経済学の初学者向けのパートなどは役割分担型(需供曲線、フィリップス曲線、IS-LM)。三層目のテイストが一貫していると「読みやすかった」という印象を与えやすい。また基本モデル+αで統一されていると、体系化されているという印象を与えやすい。
4.機序・構造は初学者向けに向かない傾向。子供向けにはストーリー仕立てにする。「簡単な本」は、基本的には単一モデル。
設計環境についての仮説:〈いわゆる文系の本は、専門性が高めの場合でも、基本モデル+αに見て、自説の限界や他説との比較をほとんどしない場合がある。これは著者自身の説や思いを全て開示できて初めて、その輪郭を精査すればいいという発想があるから?またそれが、いわゆる理系の人に違和感を抱かせる要因の一つ?例外との向き合い方の違い〉
〈機序・構造や網羅の志向は、「内向き」な思考(概念を明確に定義する、適用範囲を限定する、条件を書く、モデルを最後まで一貫して運用する)である。これによって他分野の人が安心して借りられる。〉
これらの分類の背景には
① 構成原理(焦点・前提・活動の定義・比較軸・デフォルト) 対象は、どのような構成・形式・問題設定で組み立てられているか。
② 実力・成立度 対象そのものは、どの程度成立しているか。
③ 受容・理解・評価 人は対象をどのように受け取り、理解し、評価し、共有するのかを見る視点。
④ 社会的流通・定着 社会では、それがどのように扱われるか。 ③で生まれた評価を、 共有・補強・制度化・流通 する仕組みを見る。
の①~④の相互作用や、どのようにして軸の取り換えや浸食が起こるのかを考えたい、というところから。
例えば、脳化指数と生理的早産は
複雑な対象の一側面を切り出したモデル
特定の問いに対する説明
他の要因を省略している
という点では同じ。
しかし、脳化指数だけ知性には様々な要因や指標がある、といった補足がつけられる。「科学的な妥当性」と関係ないところで、どのようにして印象の差は生まれるのか。
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