形式:文庫
出版社:河出書房新社
形式:Kindle版
さて、中巻に進む前にひとまとめしてみる。訳者平川祐弘さんはダンテの「神曲」とこのデカメロンの関連を論じたが、やっとその真意が分かるようになる。「神曲」で最も有名な話で地獄編第五歌のパオロとフランチェスカの悲恋である。二人は一緒にランスロットの物語を読んで恋に落ちた。あの憧れの微笑みにあのすばらしい恋人が接吻する。あのくだりを読みました時に、この人はうちふるえつつ私の口に接吻しました。この本を書いた人がガレリオットです。このガレリオットが円卓騎士の物語の中で、ランスロットと王妃グィニヴィアの仲を取り持った。
第二日第六話。ベーリトラ夫人はシチリア島の国守アルリゲットの妻。夫はシチリア島の国守の地位を失い、運命の逆風に翻弄され、夫人の息子二人は海賊に拉致される。夫人は無人島にたどり着き、二匹の小鹿と暮らす。息子の一人は土地の主君クルラードに小姓として仕えたが、君主の娘と通じ投獄さる。さて運命の逆風の展開はどうか。運命の有意転変は深刻で厄介なきわみ。このような運命の激変に話を聞くと目が覚める。そんな話を聞いても後悔することはない。運命に恵まれた人の話も、運命につれなくされた人の話も、それぞれに諭しや慰めがある。
書かれた頃、日本は室町
一番面白いと思ったのは3日目第9話のネイーフェレの話。医術の心得があるジレットが、国王の病気を癒した褒美に初恋の幼馴染ベルトランを所望したけど嫌われて……というのが、中世にも強い女性主人公っていたんだというのでちょっと驚きだった。
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さて、中巻に進む前にひとまとめしてみる。訳者平川祐弘さんはダンテの「神曲」とこのデカメロンの関連を論じたが、やっとその真意が分かるようになる。「神曲」で最も有名な話で地獄編第五歌のパオロとフランチェスカの悲恋である。二人は一緒にランスロットの物語を読んで恋に落ちた。あの憧れの微笑みにあのすばらしい恋人が接吻する。あのくだりを読みました時に、この人はうちふるえつつ私の口に接吻しました。この本を書いた人がガレリオットです。このガレリオットが円卓騎士の物語の中で、ランスロットと王妃グィニヴィアの仲を取り持った。