たとえば、「今日は暑い」というのは、事実ではありません。なぜなら、もっと暑い国の人が日本に来れば「涼しい」と思うかもしれませんよね。これは、あなたの「主観」です。「今日の最高気温は３５度だった」は事実です。ほかにも「仕事は早く進めなければならない」も事実ではなく主観です。「事実」とは、いつでも、誰でも、どんな状況でも変わらないものです。一方で、「主観」とは価値観や生まれ育った環境などで左右されるもの。人によって異なる可能性があります。たとえば、部下が「ダメだ」「使えない」というのはあなたの主観です。

質問する側の心構えとして、質問する相手や話題にする事象に対して、思い込みや先入観をできるだけ排除するように心がけてください。そのトレーニングとして、あなたが、いま仕事に対して「べきだ」と思っているものを書き出してみましょう。そして、「べきだ」としたことを、本当にそうなのか、反対ではだめなのか、考えてみてください。この思考トレーニングで、いくつかの「べきだ」が単なる思い込みだったことに気づくかもしれません。p37