形式:単行本
出版社:KADOKAWA
形式:Kindle版
る以上、どのゲームも失敗に際して様々なドラマを持ち、そこには人間の悲哀が滲んでいる。またこの作品はブログの書き手である一人のゲームオタクをめぐる長編としても読むことができる。老境に差し掛かった彼はサイバネティクスを利用して自らの身体の寿命を伸ばすものの、脳の衰えという除去できない障害に直面し決断を迫られることになる。そこで彼が最後に下す決断はなんとも単純な原理に基づいたものだが、しかしここまで彼のゲーム愛に溢れる文章を読んできた私たちはその決断がなんとも爽やかなものに受け取れる。技術と身体をめぐる問題に対
して、自らのアイデンティティに対して、「ゲームは楽しい」という一点から結論を導き出してしまうこのラストに心の底から感動した。
これだけゲームが人生だと息巻いて言えるのが少し羨ましい。BMIやサイバネティクス、人工脳などSF的な世界観が垣間見え、それが管理人の人生の選択に繋がっていくのがなんとも言えないが上手いな、と感じる。
ゲームに向かえなくなりアイデンティティクライシスを感じている情けないゲーマーの端くれのひとりとしては管理人の情熱がとても眩しく感じられる。
からの~、“敵の正体は修正第2条賛成派”!いきなり社会派!「子供心に、敵の正体を察してはいた」って、そんなのしなびたおともだち(著者)だけだろ!子供が武装権にピンと来てる世界イヤすぎるわ!え?そんなわけないよね?やべえ頭おかしいなんなのこれ(ほめ言葉です)。
一つ言っておきたいのは、本書が面白かったからといってゲームをすることはないな、ってこと、知らんけど。ゲームの本質とは「単に無価値な数字を増やしたり減らしたりするだけの行為」。ゲームを面白いと感じる直接的な原因は「脳内物質が出た」です・・脳内で起きている電気信号に過ぎない。
>>レビューなので当然すべてのゲームをかなり突っ込んだところまでプレイしているし、どのような経緯があったか事情も詳しくしっている。時にはほのめかすぐらいしかしないが、そこは自慢したくなってポロリと書いてしまう。内容によっては中編の小説に持っていけそうなアイデアもあるが、あくまでブログ。自分はひょんなことで未来のブログを読んでいるのだ、という気分が味わえる。紙の本でのVR体験・・・。小説投稿サイト『カクヨム』への投稿作品であるので、そちらで読んだ方が、一層「未来を覗いている」感覚が味わえるかも。
と、蛇足。この作品を整った文体にしたら、つまらないですよ。まぁ、なかにはちょっとこれはって部分もありましたけどね。この文体でゴーサインを出したKADOKAWAの編集者の方々の心意気がウレシイですね。本書の文体に低評価がつけられるのは、本書で紹介されたゲームと共通した部分があるのかもしれません。
この先〜100年くらいの話なのに、世界設定を見せる舞台装置が最低限しか置かれてない。すごい。
一応SF者としてはゲームレビュー版「完全なる真空」と言っておく。/ただ、カクヨムで連載されているものの(現在は更新が停止しているが)、続きが気になるからといってそれを読んでしまうとちょっと厭世的な気分になるので注意。そちらよりは電ファミニコゲーマーに掲載されている渡辺浩弐との対談を読んだ方が良い思う。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます
る以上、どのゲームも失敗に際して様々なドラマを持ち、そこには人間の悲哀が滲んでいる。またこの作品はブログの書き手である一人のゲームオタクをめぐる長編としても読むことができる。老境に差し掛かった彼はサイバネティクスを利用して自らの身体の寿命を伸ばすものの、脳の衰えという除去できない障害に直面し決断を迫られることになる。そこで彼が最後に下す決断はなんとも単純な原理に基づいたものだが、しかしここまで彼のゲーム愛に溢れる文章を読んできた私たちはその決断がなんとも爽やかなものに受け取れる。技術と身体をめぐる問題に対
して、自らのアイデンティティに対して、「ゲームは楽しい」という一点から結論を導き出してしまうこのラストに心の底から感動した。