形式:ライトノベル
出版社:小学館
形式:Kindle版ライトノベル
れる。その「共依存」に八幡が嫌悪を示す描写は心えぐれそうでした。また、章間の由比ヶ浜目線の数々の心理描写に涙が止まらない。今の所雪ノ下の目線での描写が少ないからどうしても由比ヶ浜に肩入れしてしまう。プロムもピンチ。奉仕部3人の関係も危うい。どうなっていくのか心配です。
由衣の二回の幕間について。単純な見方をすると、一度目(写真を見つけるシーン)は雪乃→八幡、二度目(突然泣くシーン)は八幡→雪乃の想いを改めて理解し、自分は身を引こうとしているようにも見える。由衣視点ではそれで間違っていなさそうであるが、読者視点からすると、雪乃と八幡の間に恋愛の描写があったかと言われると、大いに疑問であり、むしろ八幡は由衣の事を異性として意識していたはずである。個人的には雪乃と八幡の間にあるのは恋愛感情ではない別のものであり、恋愛は由衣と八幡の間に成就するものと信じている。
これまでは八幡の一人称で語られてきたが、10巻から「手記」や「Interlude」という形で他者の主観が語られるようになった。13巻は目次だけ眺めてみたが「Interlude」の挿入が更に増えている。八幡の視点のみだと共依存とその超克という主題を書ききれないという判断によるものだろう。我々読者が八幡の視点から見る限り、八幡は雪ノ下には決して依存していないし(むしろ理解しえぬ他人として距離をおいている)、八幡からみた雪ノ下は多少ポンコツなところはあっても自立した完璧人間である。「共依存」に全然説得力がない。
雪ノ下母がムカつくんでプロムはぜひ開催まで持ち込んで欲しいなと思う一方で、「プロム?けっ、豚の血浴びせて燃やしたろか」と思う自分もいる。
これって前巻からの関係性の違和感への解答でもあるわけだ。冒頭で雪乃の個人的な問題に踏み込み、雪乃は自立する決意を、決断をする。でもその自立の芽が潰されそうになっている時に助けるのは、依存の助長して関係性を固定するのか、関係性を前に進めるのか。そういう事だね。
どうでもいいけど、静ちゃんの転勤話は今の奉仕部の終わりの明示で、この作品の終わりの暗示だよね
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