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キリスト教は「宗教」ではない - 自由・平等・博愛の起源と普遍化への系譜 (中公新書ラクレ 597)

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Isamash
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フランス在住の比較文学史家・バロック音楽奏者の竹下節子2017年出版著作。キリスト教を自由・平等・博愛に繋がる指針と捉え著者自身もそれと共に生くという決意、そう決めるまでの自分なりに思考をまとめたものに思えた。一人称の思索が中心であまり面白くはなかったが共感するところはあった。というのは阿弥陀弥陀仏を唱えるだけに思える代々の宗教である浄土真宗には馴染めず、西洋文学や科学のベース理解のためにキリスト教、聖書、イエスのことを学び、教会にも通った経験があるから。結果合わぬとこも多々あるが、大好きな部分も多いから
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シマ
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イエスはユダヤ教徒であり、そしてその内側から〈習慣化し形骸化して人々のルールと化していた「宗教的規範」から人々を開放し、自由にする教え〉であり、戒律順守の習慣からの人々の自由を主張した。それはライシテであるフランスが「自由・平等・博愛」というキリスト教のイズムを国是としてあることからも、それが非宗教的なものであったからだ、という。この「自由・平等・博愛」というのは、キリスト教のメッセージの核となる「隣人愛」の実践によってもたらされる。それは〈共同体主義を取り払って〉、弱者や敵に寄りそう「生き方」なのだ。
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みどり
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戦国時代に「ロレンソ了斎」という宣教師がいたという話が面白かった。視覚障害者で、元琵琶法師で、イエズス会最初の日本人修道士。元琵琶法師としての記憶力とスピーチ能力を活かして、戦国大名を引きつけ、多くのキリシタン大名を生んだという。 片目が見えず、足も不自由で、背も低かった彼が、遠い異国から来た宣教師達と協働して当時の権力者に布教をし、戦国大名から寵愛も受けていたというのだから凄い!その勇気と忍耐力と知性と交渉力に感銘を受けました。 当時の日本人にキリシタンは60万人もいたそうで、彼の功績が大きいようです。
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コブサラダ
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「幸福とはすでに所有しているものを欲し続けることである」(p201)。聖アウグスティヌスの言葉、なかなか納得させられる。本来の文脈では、そうして常に求められ続け得る唯一の存在が神、キリストであるという意図らしいが、もっと普遍的に言える事である気がする。「足るを知る」とも言うが、こちらはなんだか諦めのニュアンスがあるのに対して、「欲し続ける」は積極的で良い。 さて本題として、「イズム」としてのキリスト教は重要な視点である。普遍主義、平等、隣人愛。信仰心はないが、この根本に立ち返る重要性は認識しておきたい。
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スター
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私個人は信仰心はないけど、宗教に関する雑学的な本は好きで、この本も興味深く読みました。著者によれば、最初のキリスト信徒の共同体は、キリスト教を信じる人達ではなく、イエス・キリストを信じ、イエスによってもたらされた福音を信じる人達だったそうで、その主張が逆説的に思えるタイトルに現れてます。 個人的には、1526年長崎に生まれ、洗礼を受けた、ロレンソ了斎のエピソードが、印象的でした。
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あんさん
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イズムとしてのキリスト教に惹かれる
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カツドン支持者
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儀式ばった「宗教」としてのキリスト教の皮を全て剥ぎ取ると残る核にあるもの。それは個人の尊厳の尊重、共通善の重視、弱者への援助、差別無き人々の連帯。この4つの柱だ。これを実践する「生き方」こそがナザレのイエスが開いた道であった。それは現代の左派が重視する価値観そのものであるが、彼らは「宗教など蒙昧である」と軽視する。聖なるものを通じ、自らの弱さと限界を知る謙虚な宗教世界と人間の革新性を信じる世俗世界。この二つの世界が互いに尊重し協力しあえれば、現代の諸問題を解決しイエスが開いた道を共に歩んでいけるはずだ。
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よねも
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宗教としてのキリスト教を否定する内容ではなく、キリスト教的考えが文化や今の経済発展などに関わった背景などを説明したもの。日本の隠れキリシタンの話や、キリスト教の根本の考えである「赦される」という事を分かりやすく解説してあり、面白かった。
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Masako3
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★☆☆ 比較文化論等を学ばれたフランス在住の著者による。タイトル以上の展開があまりないように感じた。なんたら主義や経済制度も宗教の1つとも言えるという、サピエンス全史を読んだばかりというのが大きいかもしれない。著者が読者に理解させようと繰り返し述べる主題に対し、さらっと書かれているキリスト教の宗教としての常識の方が理解が難しかったというのが結構面白い。
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キリスト教は「宗教」ではない - 自由・平等・博愛の起源と普遍化への系譜 (中公新書ラクレ 597)評価67感想・レビュー9