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新装版 優しい密室 (講談社文庫 く 2-51)

感想・レビュー
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急性人間病
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女学生カオルの視点は自意識を持て余しつつ然るべく軽薄でもある若人の体を取りながら、彼女が冷静に周辺を見られるようになってゆく過程を丁寧に示唆して絶妙(評論畑の作家の利点が出ている)。それとの兼ね合いで、本格ミステリとしての舞台装飾も堅実に効いている。保護者的立場に立つ素人探偵の伊集院は「事実はひとつなんてウソですよ」「一をきいて十を知ってしまうのは、すでに探偵としてはまずいんです」というぎょっとする逆説をさらっと溢したりするが、それも突っ走りになりがちな若人の思考への揉み解しとも思われて少しほほえましい。
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ふぃえ
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森カオルと伊集院大介の出会いのころの事件の話。退屈な日常に倦んでいる17歳の女子高生カオルが、事件にのめりこんでしまうのですが、女子高の雰囲気がとてもリアルで懐かしかったです。
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ハードラック
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ネタバレカオルと伊集院との出会いの物語。確かに古臭い感じはあるが、本を読むという行為に浸らせてくれる物語であった。栗本薫の文庫が書店の棚からなくなっていくことが悲しいが、一定の読者はいるので、出版社は栗本薫を絶版にはせず、残していってほしい。
0255文字
麻由
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何しろ40年前の作品なので、書かれていることがほとんど歴史書レベル。私の高校時代も相当前だけど、栗本薫御大の時代は私のそれとは全く雰囲気が違い、昔はそういう感じだったんですね……。タイトルと合わせて被害者の哀れさに想いを馳せずにはいられない真相は、書かれている時代の雰囲気と相まって良かった。
0255文字
練りようかん
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ネタバレ重苦しかった前作とは随分雰囲気が変わり面食らってしまったけども、当時の女子高生単語“オジん”や“D”によって笑いとともにこれはこれで、と吹っ切って楽しめた。カオルの勘の良さと危なっかしさが大介に蛇行を許さず、教育実習生というより主任クラスの先生に思えるおかしみもあった。しかし学園ミステリに終わらず幼稚な残虐性をクローズアップしながら、前作に通じる犯罪者心理、コミュニティ内で自然発生する序列、犯罪現場とWHYの崩し方でシリーズとしての理念を感じさせるところが凄い。次はどんな装飾を施すのだろうかと期待。
0255文字
中原れい
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順番がバラバラになってしまったけど、伊集院大介シリーズに帰ってみた。この作者の文章はアラ沢山あるだろうとは思うのだけど自分の感覚にピタリとハマってしまうので読みやすく、希代のストーリーテラーであるので(ほんとに、何書かせても!)つい引き込まれてしまう。作者の少女時代が投影されていそうな森カオルを語り手に、名門女子校に潜んだ闇の漏れを伊集院が教生として潜入し暴く。最初からなかなかのワトソンぶりなのだけど子供に無茶をさせたがらないのでかえって暴走するカオルが少し痛々しい。希望する進路を認めてもらえ良かった!
中原れい

事件の犯人が絶えるどころかまったく今日的であること、解説に深く頷いてしまう…スクールカースト、他者の概念の欠落など。でも文学としてほのかな百合は基本ですよね( ー`дー´)キリッ

05/22 10:38
中原れい

伊集院が見た目それほどじゃないのは今思うと意外。そしてカオルの思う得意げな事や欠点の事は、若い時読んでたら作者自身のの言い訳に思えてしまったかもしれない。今読んでよかった。ヒリヒリと痛い心を抱きしめて誇り高く生きて欲しい。ほんと恐れ多いんだけど、エッセイでも小説でも、痛いくらいにわかっちゃう人でした。

05/22 10:42
0255文字
ヨーコ・オクダ
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伊集院大介シリーズ。当時、名門女子高校生やった森カオル女史、教育実習でやってきたW大在学中の伊集院と出会うの巻。体育館の用具室(密室状態)でチンピラ・植田が殺される事件。カオルの憧れの生徒会長・高村の気になる言動。生徒と密かに交際している男性教員は誰か?カオル女史は、思い込みに偏った推理を活かして(?)自ら事件の中へ突っ込んでいく。彼女を危機から救い、おまけに人生の指針さえ与えてくれた伊集院がカッコいい!見た目はさだまさし氏に似てるらしいけど…w
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カナン
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伊集院大介シリーズであり、伊集院と森カオル女史の出会いとなる名門女子高を舞台にした「青春ミステリ」。…と、帯には書かれているが、何だろう、苦すぎる珈琲に安いガムシロップをぶち込んで雑に混ぜました、みたいながっかり感は。作者の自己投影であるカオル視点で続く一人語りが兎に角長い。本編の三分の一が思春期の愚痴である。主要人物でありながら彼女が登場する場面には毎回何とも云えない不快感を抱いていたのだけれど、今回彼女を主人公にしたこの作品を読んではっきりしました。森カオル、物凄く嫌いなタイプの女性キャラだわ(苦笑)
0255文字
tamy@プロフを猛禽に変えました
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ネタバレ作者28歳位の作品か。2017年10月に復刊された。字や行間が大きめで見易い。主人公の森カオルは、名門女子エスカレーター校に通う高2。息苦しさを感じる毎日だったが、教習生として伊集院大介が彼女の前に現れた辺りから、彼女の日常に変化が訪れる。栗本薫さんが作家になるキッカケが本当にこれだったのかも、とうっかり思ってしまった。伊集院大介シリーズの2作目らしい。キーワードの「ダイちゃん」、ひっかけ設定があってモロ間違えましたよ!
tamy@プロフを猛禽に変えました

再読・お久しぶり祭り参加本.ウサーロック・ホームズの暴言

05/18 11:55
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たかなし
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前作とおんなじトーンで始まるのかな…と思ったんですが全然違いました(笑)なんか怪しいぞ…?と思うまでが100ページ!いや京極みたいな厚さじゃないんだけど…( ;´・ω・`)って感じでした(笑)まあそれまではずっとカオルさん(著者の分身?)の一人語りな感じですが、女子高の描写がリアルで普通に楽しめました。ずっとこれでもいいってぐらい(笑)まあミステリー要素は少な目ですが、楽しめます。続編も読みまーす
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シアン
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伊集院大介シリーズ第2弾。女子高生森カオルの一人称でかかれた本作は、正直読みにくかった。時代を感じる言葉遣いに、思春期の少女の葛藤がなんとも青臭い。ただ、女子校の描写はホントにリアルだった。恥じらいとかおしとやかさという、いわゆる女らしさは、異性の目があってこそ養われる。
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たけとり
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ネタバレよくある…とみせかけて、青春モノらしくちょっとした捻りがあった。一人称で女子高生の話し言葉で書かれているので、良くも悪くも見事に書かれた頃の時代が反映されている気がする。そのせいで自分には古臭く感じられた。しかし先に「鬼の研究」から読んでいたんだけど、なにがどうなったらここからああなるんだ…w それはさておき、伊集院の「書き続けなさい」という終盤の言葉が印象的だった。
0255文字
やらい
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伊集院大介と森カオルの最初の事件。短編とはだいぶ印象が違い2人の関係が初々しい。ラストの伊集院のセリフ、書き続けなさいには感動した。
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陽介@中四国読メの会参加中
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ネタバレ女子高舞台にした青春ミステリという事で、大好物なはずなんですが中々入り込めず。キャラのセリフ、話し言葉がそのまま書かれているのに軽く拒否反応。正しい表現なのかもしれませんしそこが評価のポイントなのかも知れませんが。カオルの自意識や劣等感は男女問わず共感できる部分あるかと思うのでそこは面白かったというか、自分の高校時代思い出して結構痛かったです。ミステリ部分にあまり魅力感じなかったので中々読み進められなかったんですが、終盤の緊迫した場面のスピード感は思わず手に汗握りましたし、犯人も動機も想定外、しかしながら
陽介@中四国読メの会参加中

言われてみればなるほどそれもそうだなあと納得出来るものはありました。タイトルからイメージした後味とは全然違うのでそこはちょっと引っ掛かりましたが。総じて満足度は結構高めなので良かったです。

07/15 14:38
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agtk
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思い返してみれば、栗本作品にはまったのは、この作品のおかげかもしれない。探偵小説というよりは青春ミステリ。自意識が強い主人公の成長物語として読んでいたのだと思う。あの頃の栗本薫の青春小説というか成長小説はどれも魅力的だった。「時の石」も「猫目石」も「メディア9」も大好きな作品だった。小説の出来云々ではなく、あの頃の自分にとって心に突き刺さるものがあった。この作品に出会わなければ、栗本作品に没頭することもなかったし、グインサーガを読むこともなかっただろう。その意味でも、自分にとっては記念碑的作品だ。
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UPMR
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同じ伊集院大介が探偵役だが前作『絃の聖域』の重厚な感じとはだいぶ異なり、女子高が舞台の瑞々しい青春ミステリとなっている。大人びた主人公の視線を通して語られる女子高生らの明け透けな姿が実に生々しい。また、学校という狭い世間にうんざりしつつ、変わることのできない自分に歯噛みしている、まさに思春期の少女である主人公の心情描写は痛々しくもいとおしく、そんな彼女が伊集院大介とのふれあいによって成長していく様子が微笑ましかった。と、青春要素は中々に楽しく読めたが、一方でミステリとしては、密室の謎(ハウ)はともかく、↓
UPMR

ワイやワットのほうはちょっと自力で推理するには無理がある気も。まあ、これはこれで前作同様ミステリ慣れした読者のメタ的な視線への一種の牽制とでも取れなくはないが。

03/31 20:55
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オフィーリア
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初読のシリーズです。主人公の女の子は作者の投影でもあったのかな。ミステリ部分はあっさりですが、女子校という閉鎖的な空間で迷いながら生きる女の子が殺人事件に遭遇し、真相を追い掛け始めるお話し。思春期真っ盛りの女の子の心情描写はとてもリアルでした。青春ミステリーものはやっぱり大好きだと思わせてくれる一冊でした。
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猫太郎
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僕には懐かしさを感じる表記が沢山。異性との関係をABCでのアルファベットで例えたり、女子の体操服がブルマーだったり。実際、高校の頃の女子は、くるぶしが隠れるロングスカート、僕ら男は短ランにボンタンというスタイル。平成30年現在、作中の言葉の意味が分からない人も沢山いるんじゃないかなぁと。物語以外の部分で楽しめるとは思ってもなかったです。シリーズ物ですが、読友さんのコメントを参考にさせてもらい、この作品から読みました。名物コンビとなる二人のはじめての事件。
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風鈴
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昭和のミステリには、闇が濃密で、好きですので、本作も良かったです。私の中学校も荒れていたので、懐かしくも(苦笑)ありました。 話は変わりますけど、最近の作家さんは、文章上手いですね。うまく言えませんけど、昔の作家さんは、文章が生っぽくて、好みです。
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ホームズ
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ネタバレ伊集院大介と森カオルの出会い。事件が起きるまでが長く、森カオルの学生生活の部分がちょっと慣れるまで大変。作者が実際に高校時代に感じたことだったりするんだろうな。殺人事件が起きてからは読みやすい。密室の謎も良くできているし、最後の森カオルと犯人と追いかけっこのところは面白かった。
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セイコリーノ 願わくは図書館、本が「希望の綱」となりますように
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懐かしいです。当時作者の大ファンでした。他の初期のころの作品ももう一度手にいれたい。
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さや
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ある女学校でみつかった密室の中の遺体、そばには被害者と異なる大量の血……。文庫の単行本が出たのは1981年。2017年私はこの青春ミステリを楽しんで読んだ。青春小説のように主人公の中学生の心が丁寧に描かれる一方で、ミステリの要素もかかさず、読みながら真相に近づいたり遠ざかったりする過程を楽しむことができる。
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なつき
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ネタバレ女子高に初の男性教育実習生が。ざわめき立つクラスメイトを冷めた目で見てたカオルだが、体育用具室で密室殺人が起こり…。実は未読だった伊集院大介シリーズ。カオルの自意識とかコンプレックスが女子高時代の自分を思い出させて赤面。派手に遊んでいるイケイケwの女子高生、憧れの生徒会長、謎の教育実習生、これが赤川次郎なら伊集院は確実にかっこいいんだけど、さだまさしって当時かっこよかった部類なのかな?次の新装版も楽しみです。
0255文字
ちえり
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新装版ということで、30年以上ぶりに再読。すっかり忘れてたみたいで、楽しめた。学園もの、そんなに古さを感じなかった。強いてあげるなら登場人物がケータイを持ってないことかな。それと…秀樹やひろみにキャーキャー言ってるミーハーって…今じゃもう立派なオバハンですわ、私もですが。またシリーズで新装版が出てくるのを期待します♪
猫太郎

ふらっと寄った本屋で見つけたので、早速購入して読みました。時代を感じましたが楽しめました。ありがとうございます。

02/01 22:46
ちえり

購入できてよかったです。時代を感じるのもオツですよね。シリーズを楽しみましょう?

02/01 23:08
0255文字
金曜日のライオン
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ネタバレ読了。まず、探偵役の少女に著者自身が覗くのが苦手。また、一時間目、二時間目…という章題が、実際の一時間目、二時間目…ではなく、ただの番号でしかないのも引っ掛かった。中身の方は、青春とミステリがハッキリ分かれていた印象で、青春サイドは退屈な日々と、それを打ち破れないこと、なりたい自分と実情の乖離への葛藤や苛立ちがギラギラと描かれていたのに対し、ミステリサイドは事が起きるまでが遅く、その真相も後日談の説明の長さとその強引さにうーん。ただ、四十年近く前の作品ながら、その後を見通していたような問題提起にはハッと。
0255文字
へいがぁ
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著者の初期作品が新装版で出ることは喜ばしいです。
0255文字
merein
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物凄く中途半端なミステリー。
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